↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
52/92

第52話 海辺の扉とおじいちゃん

~潮風と謎解きのスローライフ~

七海は久しぶりに海辺を散歩していた。

潮の香り、カモメの声、ゆるやかな波――「ああ、平和……」と思ったのも束の間。


砂浜の端に、場違いな“ドア”が立っていた。


「……なんで海の真ん中に扉?」


取っ手もついているし、ちゃんと蝶番まである。

でも、壁も家も何もなく、ポツンと立っているだけ。


「おやおや、嬢ちゃん。そいつは“海辺の扉”じゃよ」


声をかけてきたのは、麦わら帽子をかぶった漁師風のおじいちゃんだった。

シワの奥に笑みを浮かべ、杖をつきながら近づいてくる。


「この扉、昔からここにあるんじゃがな……開けると毎回、中身が違うんじゃ」


七海「えっ、ガチャ扉!?」

おじいちゃん「なんか知らんが、今日は魚屋。昨日はパン屋。先週は……床屋じゃった」


「海辺のドアが床屋!?」と七海は思わずツッコミ。


試しに七海がノブを回すと、キイ……と開いた。

中からふわりと潮風が吹き、そこに広がっていたのは――


「……温泉!?」


青空の下、広大な露天風呂が扉の奥に広がっていた。

湯気まで立ち上っていて、完全にくつろぎ空間。


おじいちゃん「ほれ見い、今日は当たりじゃ」

七海「いや、これ、私の宿と用途かぶってません!?」


“宿は自分専用”と心に決めていた七海だが、目の前の海辺温泉はあまりにも魅力的。



結局その日、村人たちはおじいちゃんに案内されて次々と扉温泉へ。

七海はタオルを抱えて空を仰ぎ、ぼそっと呟いた。


「……世界を救うより、扉の管理人になるほうが大変そう」


おじいちゃんは隣でにっこり笑いながら、静かに相槌を打った。

「そうじゃのう。だが、誰かが見てくれんと、この扉は暴れだすからな」


七海「……え、暴れる!?」

おじいちゃん「ワシ、そろそろ腰がな……あとは任せたぞ、嬢ちゃん」


七海「絶対に嫌ですからね!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。