第25話 肉を求めて
~異世界焼き肉ロード爆走~
小さな村の食堂でパンをかじっていた七海は、ふと口を止めた。
「……肉が食べたい」
旅の途中でパンや野菜ばっかりだった反動か、頭の中に肉の幻影が浮かぶ。
分厚いステーキ、ジュージュー音を立てる鉄板、滴る肉汁……。
「……これはもう、使命。肉を食べる使命が来た」
村人に聞くと、街道の先の町は肉料理が名物らしい。
七海は目を輝かせて歩き出した。
途中、冒険者風の人たちがイノシシを狩っている場面に遭遇。
「おぉ……あれ肉になるやつだ」
思わず近寄って手伝い、持ち前の「総務力」で解体の後始末を効率化。
「すごい!手際がいいな!」
「えぇと、書類仕事みたいなもんです」
気がつけば猪肉のお裾分けをいただく七海。
「やったー! これで肉確保!」
万能の道具箱から、ぽんっと出したのは鉄板と炭火コンロ。
村の広場で即席バーベキュー大会が始まった。
「うわ、香りが……! じゅわぁって音が……!」
「おねーちゃん、これ美味しい!」
「ほんと!? じゃあ次は塩コショウでいこう!」
気づけば村中の人が集まり、大宴会状態。
子どもは焼き鳥に夢中、大人は肉と一緒にお酒を楽しんでいる。
七海は肉を頬張りながら、しみじみとつぶやいた。
「やっぱり肉は人を幸せにする……異世界でも同じだなぁ」
宴が終わるころ、村人から感謝の言葉が飛んでくる。
「旅の人、また来てくださいね!」
「次は羊肉もあるよ!」
「はい、もちろん! 次は網をもっと強化して持ってきます!」
満腹のお腹をさすりながら、七海は夕暮れの街道を歩く。
「パンも好きだけど……やっぱり肉は別腹だわ……」
風に吹かれ、笑顔で歩いていく七海。
焼肉のたれ……忘れてたわ




