第26話 巨大カブを抜け!
~総務部式・人海戦術のススメ~
とある村に立ち寄った七海。
広場で村人たちがざわざわしていたので、覗いてみると――
「……でっか!」
畑に、村の家より大きなカブが、どーんと鎮座していた。
白い球体が地面にめり込み、まるで隕石みたいだ。
「ちょっと育ちすぎちゃいましてなぁ……」
「抜けなくて困っとるんですわ」
――いやこれ、レベル“食材”じゃなくて“ランドマーク”でしょ。
「まあ……でも野菜ですし? 抜けないことはないんじゃ?」
万能の道具箱から取り出したのは、謎の“超てこ棒”。
原理はただのバールなんだけど、妙にギラギラ光っている。
「さあ、いざ実践。みんな、かかって!」
村人たち総出でカブ抜き大会が始まった。
「うんとこしょ! どっこいしょ!」
「……って、なんか絵本みたいになってない?」
掛け声はどんどん大きくなり、しまいには太鼓や笛まで加わって完全に祭りモード。
七海も負けじと声を張り上げる。
「うんとこしょおおおーーーっ!」
――すぽーーーーんっ!
カブが抜けた勢いで、村人も七海もごろごろ転がる。
土煙のあとに現れたのは、巨大な白い宝玉みたいなカブ。
「おおおお! やったぞー!」
「これでしばらく食べ放題だぁ!」
その夜、村は「カブ祭り」で大盛り上がり。
七海もちゃっかりカブシチューとカブステーキをいただいた。
「……いやぁ、野菜でこんなに盛り上がるとは思わなかったわ」
お腹をさすりながら、七海は笑った。




