第二話:消えた少年
しかし、ヨシコの部屋にいたのはタマだけだった。
タマはさっきまでの怯えが嘘のように、
安心しきった顔でヨシコの足にすり寄り、喉を鳴らしている。
子供の姿はどこにもない。
押し入れにもいない。
隣の両親の寝室にもいない。
確かに階段を上ったはずなのに——
消えていた。
ヨシコは家族に子供のことを聞いたが、
誰も「見ていない」と言う。
ガス屋さんも子連れではなかった。
◆ 斜め前の家の“証言”
後日、斜め前の家のおばさんがこう話した。
「あなたの家がまだ骨組みだけだった頃ね、
雨の日に、材木がいっぱい積んであるところで遊んでる子供を見たんよ
今どき見んような格好やったよ。昔の子どもみたいな、ウルトラマンのシャツ着てね」
野球帽。
ウルトラマンの絵のついた白いTシャツ。
半ズボン。
——ヨシコが見た子供と同じ格好。
「危ないけぇ、『そんなとこで遊んじゃいけんよ』って声かけたらね、
その子、一瞬こっち見て、すーっと煙みたいに消えたんよ」
おばさんはそう言って、身震いをした。
◆ 森家の“ヤバイ家”生活の始まり
その子供の正体はわからない。
ただ、森家はこの日を境に、
次々と怪奇現象に見舞われることになる。
“ヤバイ家”の物語は、ここから始まった。
少し時間が経過していますが、実話をたんたんと書いていく予定です。




