2話 若さ!バニーってなんだ!?
「さすがに買いすぎたな......」
自分の席で手に持った2つのおにぎりを腹との相談でどうするか統次が考えていると、話しかけてくる男が一人。
直瀬だ。
「いやー昨日はすごかったなぁ…」
「お前あそこにいたのか?」
「いや?いなかったけど、さすがに騒動くらいは知ってるよ。一応ニュースにもなったし」
事件の翌日。
様々な憶測飛び交う中、当事者が登校する。
統次が当事者であることは知られていないが、やはり近所で爆発が起きたというのはなかなかのインパクトであり、みんなが口々に考察や陰謀を話している。
「お前、あの公園の近くにいたんだよな?」
「うん」
「よく無事だったな…。結構でかい爆発って聞いたぜ」
「運が良かったんだよ。これも日頃のバニーへの行いってやつかな」
「そんなもんか」
さすが無二の友。統次の様子のおかしい発言も、華麗にスルーだ。
今は12時。まさにお昼時。
小鳥も囀りいい昼食日和だ。故に彼らも昼食の時間。昼休みというわけだ。
「…統次。隣、いい?」
「もちろん」
イーナも参戦する。
「イーナ。見てくれよ、これ。逆バニーだってさ」
「.....着るにはちょっと恥ずかしいかも」
「これは流石に俺もお前を変態と評価をせざるをえない」
「なんだとぉ...!別に俺は.....」
「でも.....統次が望むなら」
通常の布面積とは逆になったバニースーツを見ながら彼女はそう言う。
「いや別に着てほしいってわけじゃ.....」
「.....じゃあ、着てほしく、ない?」
「.....着てほしいです」
「やっぱ変態じゃねえか」
「わかった。直瀬。お前は殴る」
「はははっやってみろよ。運動部の俺匂いつけるかな?」
「追いついて見せる!」
ガタッと席を立と統次がした瞬間、制服の裾がぎゅっと握られる
それをみた直瀬がこういった。
「なぁ…なんかおまら、近くない?」
「……言ったの。私の想いを伝え続けるって」
「…あーなるほどね」
「なにがなるほどなんだ?」
「おう。無自覚野郎は黙ってろ」
そういうふうに昼食の時間は過ぎていった。
「......あ、そうだ。統次、このイベントに行ってみない?」
「それは?」
見せられたのは、コスプレイベントと銘打たれた賑やかそうな広告だった。デジタル化の影響を受け。チラシではなくスマホでという形だが。
「......駅前でやるらしいの。どう?私は行ってみたい」
「コスプレイベントかぁ....」
そういうのには行ったことがないため、俺も興味を持っていたとことだ。
「わかった。行こう」
「やった」
そう思い、統次は行くと返事をした。
イーナは喜び、直瀬も何故か微笑ましいものを見るかのような目で見ていた。
「直瀬も来るか?」
「いや、俺はいいよ。というかその日予定あるんだ」
「そりゃ残念だ」
こうして、統次は次の土曜日にイベントへ行くことになったのだった。
その日の放課後。いつもと同じようにイーナと帰路をたどる。
「うーん。今日も良いバニーだった」
「.....ほんと?」
「いつもより輝いて見えたぜ!」
サムズアップしながら答える統次。その顔はどこまでも晴れやかだった。
「.....うれしい」
「いつもありがとな」
「.....ううん。元気づけられているのはむしろ.....」
イーナが顔を赤らめ、次の言葉を言おうとしたその時、ぽんと手が叩かれる。
その音の主はやはりというべきか統次だ。
「忘れてた!買い物!」
「.....え?」
「すまん!イーナ!今日買うもんあるからここでお別れだ!また学校でな.....」
嵐の如く去っていく統次に、イーナは。
「......バカ」
と呟くのだった、
▽
「えーっと。みりんは買った....、買い忘れは.....」
スーパーをあとにし、買い忘れを確認しつつ、統次は再度帰路につく。
「.....ん?」
その傍ら、うずくまる男を見つけた。
「あのー....。大丈夫ですか....?」
明らかに大丈夫じゃない相手に意思疎通のため、大丈夫と投げかけてみる。
「し、食料を.......」
すると、男は消え入りそうな声で、そういった。
「食料?......なにか.....、あ、あった!おにぎりで良ければだけど.....」
今日は食べ切れないと判断したおにぎりを懐から取り出す。
それを男へ近づけると、なかなかの速さでおにぎちは彼の手の中へ収まった。
「かたじけないっ.....。いただこう....!」
「あ、ああ。俺の手作りだから味は.....」
2つのそれなりの大きさのおにぎりは10秒も立たないうちに男の胃袋へ消えた。
さらに、男の顔色はみるみるうちによくなり、先程までの目も当てられないような状況とは見違えるように成った。
「その優しき御心、感謝いたす....」
「そんな、かしこまらなくても.....」
「某、拙申大正と申す者。貴殿のお名前をお教え願いたい」
奇妙な喋り方をする男は立ち上がり、頭を下げながら自己紹介を始める。
大正時代からタイムスリップでもしてきたかのような格好は、彼のスラリと伸びた背と、整った顔により違和感をあまり感じさせない。
「お、俺の名前は統次。よろしく....?」
「統次.....!いい名前でござる。某、統次殿に命を救われた身として、貴殿に中世を誓おう.....」
「いやそういうのいいから.....」
「なりませぬ!ここは侍の矜持.....。困ったことがあればいつでもお呼びくだされ統次殿」
「そういうのいいから.....」
そういえばこに人は家とかあるのか.....?。ここまで困窮してるならもしかしたら浮浪の身とかそういうものかも.....。
統次はそう思い、追加で質問をする。
「そういえば....家とかって.....」
「ないでござる」
おっとぉ.....。
寸分の狂いのない清々しいほどの即答に、さすがの統次も困惑してしまう。
ないかぁ...。家、ないかぁ.....。でも流石に放っておけないしなぁ.....。
よし決めた。
「俺ん家来る?」
「いいのでござるか!?」
「まあ、流石に放っておけないしな」
「統次殿は本当にいい人でござる...!その厚意、ありがたく受け取らせてもらうでござる!」
ふと、大正が考える素振りを見せる。深く深くの熟考の末、彼は腰に携えてたったなにか長いものを取り出し、殿に献上するかのように差し出した。
「統次殿にこれを献上するでござる」
献上するように、ではなく本当に献上するようにだった。
「なにそれ。刀?」
「違うでござる。我が愛刀「ヒロムネ」という銃でござる」
銃...?剣じゃないのか?
統次の困惑をよそに、どうぞと言わんばかりに差し出す大正。
「いや...いらない」
「そうでござるか.....」
「と、とりあえず、行こっか?」
そんなに悲しそうな目をしないでくれ....。
捨てられた子犬のような目をする彼を心が痛みながらもスルーし、次の発言をする統次。
しかし、あまりの困惑により語尾が疑問符になるのは避けられないことだった。
とりあえず、風変わりな二人組は、歩き出したのだった。
▽
「ただいまー」
「......誰も居ないのでござるか?」
もぬけの殻となったリビングの明かりをパチンとつける。
いつもと変わらぬ空間に、言葉を投げかける。
「親が外出中でね。帰るのは明日になるらしい」
「そうでござったか。では明日の朝、ご両親に某もあいさつに参らねば」
「そう気張らなくていいぜ。父さんと母さんには俺から連絡しといたから」
どう連絡するか迷ったけど....。とりあえず死にそうな人を見つけたらからうちに泊まらせると送ったら、犬のスタンプ一個で返信が来た。
なかなかにマイペースだな。うちの両親は。いつものことだけど。
「こっちが大正の部屋。汚くてごめんな」
「ご気遣い感謝いたす。しかし某とて、掃除くらいはすでにマスターしておりますゆえ」
彼はサムズ・アップしながらそういった。
まるで統次のくせのようだった。
「じゃあ、あとは好きにしてて。飯出来たら呼ぶから」
「ふっふっふ....。それには及ばぬ。某も手伝うでござる」
おう。それはありがたい。じゃあその厚意に甘えさせてもらおう。
「じゃあよろしく頼むよ」
数分後.....。
「大正!鍋!鍋!」
「うわぁぁぁぁ!!火が!泡が!新手の忍術でござるか!?」
「い、いい、いいから消火!消火!」
鍋から吹き上がる炎。泡もおまけのように出てきて大惨事だ。
まるでアルコールに引火したようだ。
「お任せあれ!ハァァァ!!」
ブオッ!さらに炎が燃え上がった。
「お、おお、大正!なにした!?」
「いや某はそこの水を.....、ってこれ油!!」
あちゃーとばかりに額を叩く大正。いやなんでそこに油が....。そういや俺が昨日置いたんだった。
自分もあちゃーと思いつつ、統次は急いで水をぶっかける。
しかし火の勢いはますばかりだ。
「なんでぇぇぇ!?」
「最終必殺.....!また水を!!」
「あっちょ待て....」
大正が桶いっぱいの水を放とうとした瞬間。後ろから布のようなものが飛んできて、炎が食い止められた。
統次の最終奥義が間に合ったのだ。
「あっぶねぇ…」
「助かったでござる」
そんな感じで夜は更けていった。
▽
とある場所、とある女がいた。
その女はある高校で教師をしており、校則に厳しいことで有名であった。
「どうしてみんなあんな破廉恥な格好を.....。けしからんわ!そこ!直しなさい!」
放課後の校則チェック。
一人ひとりを厳しく指導していくが、どの生徒もどこ吹く風。
そう、彼女の校則基準というのが狭すぎたのだ。
校則を満たしていたとしても、自分が破廉恥だと思った者は片っ端から厳しく指導。これはかなり教師の中でも問題になっており、ついた異名は「マナー講師」。
そんなこんなで彼女の指導は行き届くことはなかった。
「どうして....どうしてどうしてどうして!どうしてみんな私の言うことを聞かないのぉぉ!!」
彼女の叫びが吸い付けるように小箱を寄せ付ける。
その小箱はいつしか彼女と融合し、怪人に変化させていく。
まるで包帯で全身をがんじがらめにし、上から鍵で押さえつけたような異形。
今の彼女の名は「ロシュツノイター」。人々の露出を咎める者だ。
「全員....指導してやるわぁぁぁぁぁ!!!!」
▽
翌日。
人が増えている気配を感じ、統次は自らの両親が帰宅していることを感じ取った。
「ふわぁ…。今日もいい天気…とは言えないな」
外の曇天はうねり。今日の天気を嫌というほど伝える。
今日はどうやらバニー日和じゃないらしい。困ったもんだ。やはりバニーというのは晴天にこそ映えるもの。
バニーを貶す事象は全て俺が消し去ってやりたいほどだ。
統次はそう考えながら、出かける準備をする。
そう、あの日イーナから誘われたコスプレイベントに行く準備だ。
「父さーん!母さーん!俺もう出るから!」
「いってらっしゃいでござる。統次殿!」
「うわぁ!大正!居たのか.....」
「いたでござるよ?」
差も当然のような顔で答える大正。
そんな大正に驚きながらも微笑み、統次は言った。
「じゃあ、行ってくるよ」
「今出たよ....っと」
統次は、イーナに連絡を取る。機械的ながらもどこか温かみのある文字が、デバイスを通じて彼女に届く。
返信は、すぐに来た。
『私もいま出たところ。逆バニー着たほうが良かった?』
どうしてそんな思い切りがいいんだ。
統次は顔が見えない少女を思いながら苦笑する。
「とりあえず急ごう」
彼はお気に入りの自転車に乗り、駅へ向かって爆走し始めた。
数十分後。
「ついたぁ....」
彼は自転車を適当な駐輪場に止め、イーナとの待ち合わせ場所に向かう。彼女がどんな格好をしているかは聞かされていない。
だが、統次のバニーに関する第六感が、彼女がバニースーツで訪れておると言っていた。
「さてと....どこかな....?」
統次がイーナを探している頃、その張本人といえば....。
「ねえねえ。俺達といいことしようよ」
「.....人を待ってる」
「でもさあ、結構待ってるんでしょ?じゃあこないって」
「.....来るよ。.....私が楽しみにしすぎただけ」
ナンパされていた。
金髪褐色の素行の悪そうな男数人に囲まれ、彼女も嫌そうな顔をしている。
「じゃあ俺達がもっと楽しいことをさせてさせてあげるから......」
下劣な笑いを浮かべた男たちは彼女の腕を強引に引く。
「やめてっ....!」
「なにがやめてだ!そんな格好誘ってるようなもんだろ!」
彼女は強引に連れて行かれそうになる。
「おい!か弱い女の子に何してんだ?」
「誰だ?」
「その女の子の待ち人だよ」
彼らはバツが悪そうに顔を背ける。
「....ちっ、来たのかよ」
「その手を離せよ」
ぐっと男の手首をつかみ、強引に離させる。
「なんだぁ?やんのか?」
「やらないよ。ほら、イーナ行こうっ逃げるが勝ちだっ!」
そしてイーナの手を握り、彼らは会場へと駆け出していった。
「へー、ここが会場.....」
「すっごくどきどきする.....」
あのときの統次かっこよかったな.....
イーナの恋心は先程の一件で加速する。
そんなことより、コスプレイベントだ。
人があふれる駅前の広場。
肌色が多いものから果には甲冑で身を包んだものまで。
多種多様なコスプレイヤーが集うその場所は、賑やか以外の何物でもなかった。
「すごいなぁ...」
「.....私の姿も、普通?」
「いや、イーナもめちゃくちゃ輝いてるよ」
「....ふふ」
そういえば、結構バニーもいるな。
眼福も眼福。これだけで来た甲斐があるというものだ。
「.....むう」
「お!あれは....噂の逆バニー....?」
その中でも一際めだつ肌面積。
そう、逆バニーだ。
あるべきところに布がなく、ない場所に布がある。そんな特異な格好がそこそこのかずいる。
もう春とはいえ、まだ肌寒いだろう。しかし彼女らはなかなかの胆力で旋回していた。
「.....私着替えてくる。統次、ついてきて!」
今度はイーナが手を引く番だ。
彼女は近くの更衣室に彼を連れていき、バタンと扉を閉めると、眼の前で衣類を脱ぎ始めた!
「いや、え、まって....」
な、何してんだ。俺がまだるんだぞ!?
彼の困惑をよそに、艶めかしい衣擦れが大きくなっていく。
ぷるんとはじけるその豊満な胸は、興味関心を関係なく釘付けにしていく。
「.....これを着るわ」
「うわぁこっちみるな」
慌てて目を背ける。
きれいな肌色がほぼ、いや完全に全裸となった彼女から輝かしいほどに放たれる。
そしてその手には、あまりにも服と言うには布が小さすぎるラバー素材の服。
逆バニーだ。
「ふふ....」
彼女はほほえみながら着ていく。あまりにも露出が多く、俗っぽいが、あまりにもえっちすぎるその衣装の破壊力は抜群だった。
「どう?」
「.....その、すごく、かわいいです」
「.....よかった。じゃあ、これ」
カチリとイーナは自らの首二チョーカーのようなものをつける。
そのチョーカーは不思議なもので、なぜか縄でつながっていた。
そしてその縄を、なぜか統次が持っている。
え....なぜ.....?
「行こう。統次」
縄を持たされたまま、彼はイーナに連れて行かれる。
まるでそれは飼い主とペットのよう。
しかしそんなイーナはというと。
なんだろう....。この気持ち、なんだか、嬉しい。
統次に支配されている.....。
「これ本当にする必要ある?」
「......兎に飼い主は必要でしょ?」
周りを見る目が痛い。
「.....ふふっ。楽しいね。統次」
「あ、ああ」
彼らは実に楽しんだ。
様々な物品を巡り、さまざまな写真を撮った。
しかし、そんな楽しい時間も一瞬にして崩れ去った。
「きゃぁぁぁ!!」
そう、現れたのだ。
怪人が。
「なんだ!?」
「.....また怪人?」
包帯でがんじがらめになったようなその異形が、ムチを振り回し襲ってくる。
「そんな露出の服は破廉恥!死刑よ!」
そんな言葉とともに繰り出されるムチが、包帯やベルトのようにぐるぐると巻き付いていく。
まるで、強制的に露出をなくすように。
「死刑死刑死刑!!」
すまきのようになった彼、彼女らは、まるで人形のように動かない。
「ラーグ。これって.....」
『ああ。やつを倒さなければ全員このまま死んでしまうだろう』
「んなのまかり通るかよ!」
そんな理不尽に、彼は思わず叫んでしまう・
しかし、それが悪かったか。
「そこのあなた!破廉恥すぎるわ!!直しなさい!}
標的がイーナに向いていしまった。
間一髪。イーナをなんとか守ることに成功した。
「イーナ!俺の後ろに!」
「う、うん!」
「バニーを縛るなんて許せねえよ!ラーグ!行くぞ!」
『待っていたぞ!相棒!』
「....ふぅ...。変身!」
『キコナシアップ!』
『跳ねるぜバニー!魅せるぜラヴィット!ラッヴァード!!』
デバイスから耳がぴょこんと伸び、勢いよく展開される。
それに呼応するように、跳ねるようにかけまわある汽車がアンダースーツとなったラッヴァードに融合する。
「いくぜ...!」
まるでヒロイックなバニースーツのようなそれは、一瞬煌めき駆け出してゆく。
「はぁ!」
繰り出す拳。だが、その拳に手応えはない。
「なに!?」
「レディを殴るとは破廉恥ね!!死になさい!!」
トンチキと言ってもいいその一言とともに繰り出されるむちが切り裂くように、ラッヴァードを斬りつける。
「ぐぁぁぁぁ!!」
『これ以上は持たないぞ!統次!』
「くっそぉ.....」
視線を変えると傷による弊害か、バニースーツの一部が破損しているような状態となる。
「ん?これは....」
『統次!次が来るぞ!』
「....!まじかよ!」
間に合わない。そう思った瞬間、閃光ほとばしり、ムチを退けた!
「危なかったでござるな....!統次殿!」
「大正!?」
「某の愛刀は飾りじゃないでござるよ?」
そこにいたのは。大正時代からタイムスリップしてきたような格好の男。
そう、大正だ。
「任せるでござる」
「でもなんでお前は今の俺が俺だという事に気づいたんだ?」
「感でござるよ」
バキュンバキュンと、ムチがすべて退けられる。
「なに!?」
「まだまだ行くでござるよ!」
包帯に玉が当たっていく。
あのとき、全然ダメージが与えられていなかったような感覚がしたが、今回は明らかにダメージが加わってるように思えた。
「やはり武器は鉄....。包帯には隙間があるでござるからな」
だが。
「だめよ!死刑!」
「がぁぁぁ!?」
しかし、隙を縫い、ムチが彼を襲う。
何度も何度も繰り返されるその切り裂くような攻撃が、彼を痛めつけた。
「もう....これ以上は.....」
「いや、大丈夫だ!大正!」
「どういうことでござるか....?」
この状況を打開するには、なによりも隙間を縫うという力が必要だ。
そしてさっき見かけた肌の露出。やはり、肌の露出は感覚を鋭くするみたいだ。
ならば、それにあったバニー。最高のバニーは唯一つ。
逆バニーだ。この露出は感覚をするどくすると同時に、最高に可愛いくてかっこいんだ。
だから.....!
「ああ、見えた!最強のバニー!!」
トドメをさすかのように向かってくるムチ。
しかしそれは、大正に当たることはなかった。
そう、鉄道がムチをまるで弾丸のように撃ち抜いたのだ!
『ヴァギャック!』
「いくぜ!再変身!」
『キコナシアップ!』
『想像の発展!最後の逆転!ヴァギャック!!』
色が変わっていく。
これまで白かった場所は赤く、赤かった腕が白く。
まるで、逆転するかのような姿はまさに、逆バニー。
「今回は銃だぜ!」
バキュン!。
鋭く隙間を縫い、正確に射撃を当てていく。
布の隙間にねじ込むようにして打ち込まれる弾丸は、まさに百発百中。
「ぎゃぁぁぁぁ!」
かろうじてうちだされたムチは他の弾丸によって弾かれる。
それは、大正の弾丸。
「助太刀するでござる!」
「よし!じゃあ一緒に決めるか!」
「押忍!」
デバイスのトルガーを思いっきり引き、必殺待機へと入る。
『バックザラヴァーニッシュ!!!!』
2つの撃鉄がなり、弾丸が発射される。
そして、ロシュツノイターを撃ち抜いた!
そうして、変身者だけを残し、爆散したのだった。
▽
「ありがとうな。大正」
「いえいえ。某はあなたの家臣。このくらい.....」
「いや、友達に感謝を伝えるのは普通だろ?」
「友達?某が?」
差し出した手を、ゆっくりと受け取る大正。
「ああ」
「......ありがとうございます。では、某はこれで」
「一緒に帰ろうぜ?」
「いえ、ご両親から買い物を頼まれていて.....」
「ああ。そういうこと.....」
彼は歩いていく。
そのさり姿はまさに文化人という雰囲気だった。
「......統次。帰ろ?」
「ん?ああ、イーナか....ってその格好はまさか....!」
その格好は、あのときと同じ。
そう、逆バニーだった。
縄付きで。。
「そうだよ。じゃあ、一緒に帰ろ?御主人様」
結果として、帰路の周りの目は、痛かった。




