1、己が最強のバニー
とある春の日、早朝と言っても過言ではない朝8時に道を歩く男が居た。
その男が持つスマホのケースには、うさぎを模した機械的な模様をしている。
そんな男の名は「兎福統次」。バニースーツを心の底から愛す男だ。
彼が愛するのはバニーガールではない。無論、バニーガールも心の底から足しているだろう。
だが、彼はバニーを着る者、バニーを着るべき者、バニーの煌めき、バニーのスタイル、耳の作り、作り、そのすべてを愛しているのだ。
「ふわぁ....。朝はやっぱ眠いなぁ....」
「よぉ、統次。今日も元気か?」
「おはよう。直瀬。今日もバニーが映えるいい天気だ」
「いつも通りだ」
「変わんないなら聞く必要ないんじゃないか?」
「友達にいつも元気で居てほしいと思うのは普通だろ?」
直瀬と呼ばれた少年は笑いながらそういった。
そんな彼のフルネームは「谷網直瀬」。統次の最も仲のいい友人だ。
彼らは現在高校二年生の学生である。
そんな今日は新たな始まりを告げる始業式。様々な期待と不安が渦巻く中、彼らは学校に向かっていた。
「.......おはよう。統次」
「おはよう。イーナ」
まっさらな紙のような白い肌ときれいな青い瞳。そしてさらさらと煌めく金色の長い髪の毛。
西洋人形のような容姿をした少女、「イーナグゼル・ラスタート」は統次に抑揚の少ない声で声をかけた。
これは別に彼女が統次を嫌っているわけじゃなく、単純に彼女の喋り方としてそうなってしまっただけである。
「......今日もいい天気」
「ああ。最高のバニー日和だ」
空は晴天。まさに新たななにかにふさわしい。
「.....統次。今日も、バニー、着る?」
「いいのか!?」
「.....うん。あなたが望むなら」
イーナが少々恥ずかしそうに言う。
言われた張本人は心底嬉しそうに笑顔を見せていた。
「......俺は何も言うべきじゃないんだろうな」
直瀬は呆れた目で統次を見ながら、空を仰いだ。
▽
「であるからして~」
担任の眠い話を噛み殺しながら、統次は聞き流す。
「うーん。自己紹介は.....」
クラスメイトの顔を見渡すと、いくつか見知った顔もあって完全にアウェイではないという安心感。
これからの学校生活がなんとなくだが見えてくるような気もしてくる。
「よーし。というわけで今日の学活は終わり!帰っていいぞー」
適当なのか厳格なのかよくわからない男性担任の鶴の一声教室内がざわめき出す。
帰宅するという行為そのものが学生にとってはオアシスのように嬉しいものなのだ。
「.....統次、一緒に帰ろ」
「いいけど....直瀬はどこへ行ったんだ?」
「......部活の勧誘に行ったよ」
そういえば直瀬はボクシング部のエースだったな。統次はそう思った。
「じゃあ、帰ろっか」
「.....ちょっと待って。四階の空き教室に行こう」
くいくいと統次の制服の袖を引っ張り、上階を示すイーナ。
「.....ああ!わかった」
記憶をたどり、統次はあることを思い出した。そのため、二つ返事で了承したのだ。
「.......どう?着てみたよ。バニー」
学校四階。生徒たちからは86と呼ばれている空き教室にて、イーナは統次ノイル眼の前でバニーに着替えると言う荒業を持ってして、彼にバニーガール姿を見せるという目的を達成した。
「おお!やっぱりかわいいな!イーナのバニーは!」
「......あ、ありがとう」
「イーナのバニーは輝いて見える」
「......そんなに褒めないで。その、なれないから」
彼女の着るバニーは、統次が言うように、美しく可愛らしい。
白いバニースーツがその白い肌とぴったりで、金髪の美しさはより引き立たせられる。
(このクビレからつながる白い肌がやっぱり綺麗だなぁ.....!)
腰のくびれ、そこから誘導されるように目が行く大きな胸部と白い肌。まるで初雪のように白く美しいその肌と同調する白いバニースーツにより、兎を美少女にしたかのような感覚すら感じる。
「......わたしのどこがそんないいの?」
ふと疑問に思ったイーナは彼にそう問いかける。
「そうだな....まずスタイルかな。バニースーツを着たときにくっきり浮かぶスタイルがイーナとバニーを輝かせてるんだ。次に、その髪の毛。兎の白い耳と金色のコントラストが美しい。それと......」
「わ、わかったから。......その、恥ずかしい」
彼女は頬を染めながらそういった。
「......でも、あなたが喜んでくれるならよかった」
「これで、明日からの活力も得られた!ありがとな!」
「ふふっ......もうそろそろ帰ろう?」
「おっもうそんな時間か」
ふと時計を見ると、もうすでに針は15時を回っており、お昼時も過ぎてしまっていることがわかった。
「なにか食べて帰ろうぜ。お礼に今日は俺のおごりで」
「.....いいの?じゃあ、ハンバーガーが食べたい」
彼らは扉をガラリと開き、学校から出ていく。
青い空は未だ眩しいままだ。
▽
とある場所に男が居た。
その男はとある商社に勤める男で、今は昼休憩ということで外に昼食を食べに出ていた。
「あー.......疲れた」
その男はひどく疲れた様子で街を徘徊する。
事実、彼は徹夜続きで相当な身体披露が溜まっている。故に。モウ倒れる寸前、精神も目に見えるすべてが悪く見えるほどには疲弊していた。
「みんな幸せそうだなぁ......いっそこいつらを......」
男が不穏なことを考え始めたそのとき、一つの小箱が現れる。
「なんだ....これ.....」
手乗りサイズの小箱と言った風貌のそれは、男に近寄ると、強引に胸の中に自らねじ込んだ!
「ぐぅ!?.......なんだこれは......力が、力が湧いてくるぞ!!」
彼の身体から強大なパワーが溢れ出す。
そのパワーはやがて、彼の身体を捻じ曲げ変化させていく。禍々しく、歪んだその体はまさに怪人と呼べるほどのものになった。
「この力はあれば....!俺は....!」
怪人と成った彼は、駆けていく。
自分の捻じ曲げられた欲望を満たすために。
▽
いつの間にやらいたイーナと統次は、二人並んで仲良くあるく
「.....ありがとう。美味しかったよ」
統次たちは、無事ファストフード店から離れ帰宅の途中だった。
時間のせいか、店内は人が少なくすんなりと目当てまでありつけたため、結果として予想より早めの帰りになったのだった。
「ちょっと休んでいこうぜ」
「......うん。いいよ」
「食べ過ぎちまった.....」
道の途中にある大きな公園のベンチに座る。
その公園は、植物園や水族館なども備えるかなり巨大な複合施設とも言っていい公園で、日夜恋人たちの憩いの場として有名だ。
(.....ここ、そうだよね...?緊張しちゃう.....)
イーナは内心そう思いながら、彼の隣に座る。
海外からの転校生としてこの街にやってきた彼女は当初、口下手とこの抑揚のない喋り方が原因で、あまり周囲と打ち解けられずにいた。
そんなときに唯一、話しかけて絡んでくれたのが兎服統次という男だったのだ。
最初は明るくてバニースーツが好きな若干、いやかなり変な人だけどいい人だな程度の認識だったのが、だんだんと彼と話していくうちにそれは好意へと変わっていったのだ。
ちなみに同学年の大抵の人にはその好意というのはバレバレである。気づいていないのは統次くらいだ。
「イーナのバニーはさ.....」
彼が自分の姿や自分のバニーガールの姿を褒めてくれるたび心が疼く、熱くなる。
そんなドキドキに彼女は心地よさすら感じ始めていた。いまだってそうだ。彼が語る姿を見るだけでこんなにも心臓が早鐘を打ち鳴らすのだ。
「いやまてよ....?俺もバニーを.....」
彼の横顔を見れば見るほど頬は赤くなり、重低音が早くなる。
慣れたはずのその状態が初めて感じるようにドキドキへと変わっていく。
そんな乙女の恋心を憂う時間も今この瞬間に爆音によって破られる。
「爆破爆破爆破ァッ!!!!幸せはすべて爆破バクねえ!!」
無数のコードを体にまとい、大きな胸部の禍々しい意匠を作り出しているその怪人「キョウキンノイター」は自らを爆破させるようにしてその公園に突っ込んできた。
「キャァーッ」
野太い叫びが当たりいっぺんにこだまし、空気を震わせる。
「なんだ!?」
「幸せは爆破ァァァ!!!!」
「なんだかわかんないけど、なんかやべえ!逃げるぞイーナ!」
「……わかった!」
統次はイーナの手を取り逃げようと駆ける。
「キャアッ」
しかし急に駆け出したのが悪かったのか、キョウキンノイターに見つかり、爆発に巻き込まれてしまう。
制服のブレザーがはだけ、中からバニースーツが露出する。バニースーツは傷つき、イーナの綺麗な髪の毛すらも煤だらけになてしまった。
「…!イーナ!」
「おっぱい…幸せ…爆破ァァァ!!!!」
瞬間、閃光煌めき爆発が起こる。
「だめだっ!」
身を挺して統次はイーナを庇う。破裂的な痛みが猛烈に彼の体を襲う。
「グァァァァ!!」
煙の中から、なんとか統次は立ち上がることが出来た。だがしかし、身体中ボロボロで制服は見るも無惨な姿になってしまった。
「なぜ生きてる…?」
だが、この満身創痍という状態で統次は歩む。
「お前…今、バニーを傷つけたな?」
「な、何ィ…?」
「バニーを…彼女を…傷つけたな!」
怒気を孕んだその一声が、空気を爆風さえも揺るがす。
「な、何が悪い!?俺はただ自分の欲望に素直に幸福を破壊しているだけだ!その豊満なおっぱいもな!!」
「まだ壊す気か…?」
「全部ぶっ壊すまで俺は止まらねえ!!」
「そうか…」
きっと彼は怪人を睨みつける。
「お前が、バニーを世界ごと壊すっていうんなら…俺がお前をぶっ飛ばす!!」
統次がそう叫ぶ。
「やってみろよ!!!」
怪人も叫び、閃光が轟く。無論、それは爆破の光。
だが、統次は避ける間もなくその爆発に飲み込まれた。
「統次っ!」
イーナの叫びも虚しく、統次の体は炎に飲まれてしまった。
▽
そこは白い場所。初雪より白く、白紙よりも美しい。何も存在しないし白。
故に何も見えず何もない。ただ、二つを除いては。
「あんたは…?」
「我か?我はラヴァラーグ。古より伝わる上位種…まあお前にわかりやすくいうならドラゴンと言ったところか」
機械とドラゴンをマッチさせたような体躯の赤い生き物。自らをラヴァラーグとあのるその生物は、自分をドラゴンだと言い張っている。
「ドラゴンにしては…なんか体が機械っぽい気がするんだけど…」
「昔人間の世界に降りた時にあにめとやらに出て来た同胞の姿を気に入ってな。適応しこの姿になったんだ」
「なるほど。で、ここはどこなんだ?」
「我が存在できる世界だ。いかんせん、我の存在は大きすぎる貴様らのいる世界に権限しようものなら世界が崩壊するだろう。だから我がお前を呼んだのだ」
「うーん。よくわからん。それより!外の世界が大変なんだ!今俺が無事なら現実の俺も無事なんだろ!?じゃあ早く…」
「焦るな」
ラヴァラーグは諭すようなどっしりとした声でそう言った。
「貴様の予想は概ね正しい。現実世界の貴様はまだ死んでいない」
「じゃあ…」
「だが、このまま返して仕舞えば貴様は爆破に巻き込まれ死ぬだろう」
「…嘘だろ?」
「本当だ。だから我はここに貴様を呼んだ」
「なんのために…」
「気に入った人間を見殺しにするのは惜しいと思ってな」
二つの瞳が交差する。
赤い体躯のドラゴンは、沈黙を破るように口を開く。
「貴様に一つだけやろう。あの世界を救う方法を」
「あるのか!?」
「そのために呼んだんだ」
統次とラヴァラーグの間に光が生まれる。その光はやがてひとつのメカニカルな板へと姿を変える。
大きなトリガー兼持ち手を備え付けたような感じのそれは、ゆらゆらと統次の方へ寄ってきて、手中に収まった。
「我と契約しろ」
「契約?」
「なに、契約と言っても厳格なものではない。我の力を貴様に貸す。要するに、一緒に戦おう、相棒というわけだ」
ラヴァラーグの輪郭が揺らめく。
「どうだ?悪い提案ではないだろう?」
「いいぜ相棒。一緒に戦おう!」
「ふっ。ノリの良いやつだ。ますます気に入った!!」
ラヴァラーグの身体がそのデバイスへと取り込まれる。
一層煌めくそのデバイスを統次は構えた。
「ともに戦おうではないか、相棒!」
「いくぜ....!」
「「変身!!」」
『RED!DORAGON!ACESSE!!!』
『RAVVAAD STRTED!!!』
トリガーを思いっきり引き、デバイスが展開される。
ヒーローの絵柄がデバイスが展開されると同時に露出し、光が統次を包んだ!
▽
炎が統次の体を包む。
誰がどう見ても死を直感させるその状況は、イーナの心に深い衝撃と負荷を負った。
「統次....?」
呼びかけても帰って来るのは返事ではなく、炎が巻き上がる音だけだ。
もう、自分の好きな人は帰ってこない。奪われたんだ。
そのどうしようもない想いだけが募り、感情を外に押し出すように涙がこぼれてくる。
「ははははっ!!邪魔するからそうなるんだぁ!!」
キョウキンノイターは炎に近づく。トドメを刺す。その妙に疑い深い心理を実行しようとした瞬間。
輪郭が現れる。
メタリックレッドを基調としたバイザー型のシンプルながらもヒロイックな頭部と姿。
まさにヒーローと呼ぶにふさわしいその姿の名は「ラッヴァード」。
ラヴァラーグと一体化した統次の姿だ。
「ハァッ!」
拳を握りしめ、渾身の正拳突きを繰り出す。
それはキョウキンノイターにぶつかるが、受けた張本人はびくともしない。
「何だその姿は....!?まあ、いい委託も痒くもないからな!!」
破裂音が走る。
「ぐぁぁ!」
そのすべてがラッヴァードに命中する。もちろん無事ではすまず、先程よりもまだ幾分ましではあるものの、大きなダメージを負ってしまう。
「全然だめじゃねえか!」
『すまない。こっちに適応させる際、なにか強大な力が貴様から出ていて100%を出しきれなかったんだ』
「俺のせいってかよ!」
『端的に言えばそうなるな』
バン、バン、バァン。と小規模な爆発が連続して起こる。
すでに周りに人は居ないようで、確実にラッヴァードだけを狙った攻撃だった。
「どうにかできないか....?」
『.....我には何も』
「くそっ」
(考えろ....俺。なんとかなる気がするんだよ.....)
「そうだ!」
ラッヴァードは何かを思いついたようにぽんと手を叩く。
「ある意味賭けだけど.....。イーナ、その切れ端をくれないか?」
イーナが固く握っていた、バニースーツの布端をラッヴァードが受け取る。
そして、それを固く手で握った。
『何をする気だ?』
「おもったんだ。俺がバニーを着れば最強だってな!」
『はぁ?』
ラヴァラーグが呆れたような声を出すが、統次はお構いなしだ。
「いくぜ!想像しろ.....今の俺のバニー姿を......!!!」
統次の頭に、いまのラッヴァードがバニーを着た姿が想起される。
白いスーツに赤いボディ。朱と白のコントラストはやがてきれいなシンフォニーとなり、一つの完成形を作り出す。
「見えた!これが俺のバニー!!」
パチンと手をたたき合わせ、サムズ・アップする。
「何ができたかしらねえがお前はここで殺す!!!」
キョウキンノイターが自分を爆破させながら突っ込んでくる。自爆特攻のように見えた彼の近距離必殺技だ。
触手のようなコードが伸びる。
そこから順に爆発するのだろう。ところどころに煙が上がっている。
『シュポー!!!』
だが、その腕が届くことはなかった。
そう、撃ち落とされたのだ、手のひらサイズの電車に。
「よしきた!」
『それは....?』
「逆転の一手だよ」
『しかしなぜ鉄道.....』
「夢を運んでくるのはいつだって電車だ!」
『ブレイズヴァニー!!!』
近未来的な汽車の上部のボタンを押し、起動、そして展開させる。
そしてそれをそのまま新たにできたデバイスのスロットへ装填!
『セットアップ!!STEP UP!STEP UP!』
イカした待機音が流れ始め、兎をメカニカルに落とし込んだ汽車がラッヴァードの周りをぐるぐると守るように漂う。
「さあ行こうか!」
拳を握り直す。
「変身!!」
そして思いっきりトリガーを引いた!
『キコナシアップ!!』
『飛び跳ねバニー!魅せるぜラヴィット!!ブレイズヴァニー!!』
汽車が貫くようにラッヴァードと合体!上からアーマーが被せられるように脚から胸にかけては白く、腕から首にかけては素肌のようにメタリックレッドで、胸には機関車の機関を。
そして、頭部には兎を象徴させる白い耳と汽車にもあったV字の装飾が!
様々な要素入り交じる最強のバニーヒーローがここに誕生した!!
「俺の名は、「ラッヴァード」!!覚えとけ!」
最強のバニーの力を手にしたラッヴァードは声高らかに名乗る。
「はっ!また姿が変わったところで無駄ぁ!!」
「そいつはどうかな!!」
爆発する腕のとの殴り合い。ラッヴァードが炎を切り裂くように右ストレートを放った!
「ぐわぁぁ!!」
「まだまだ!」
吹き飛ばされる追撃をかけるべく、その兎のような跳躍力で距離を一気に詰める。
「ヴァートブレイド!」
剣型の武器にデバイスを装着し、トリガーを引く。
すると刀身に赤いキラメキが宿り、炎のように広がっていく。
「ハァッ!」
一太刀。
大きな斬撃がキョウキンノイターを襲い、大きく弾き飛ばす。
「決めるぜ!相棒!」
『乘るしかないか!わかった!相棒!!』
『ラヴィットビート!!セイセイセイセイ!!』
デバイスのトリガーを3回引き、待機状態にする。
虹色の輝きが刀身に宿り、それを移すかのように、右腕に刀身をかざす。
「覚悟しやがれ!!」
『ブレイズラブバーストォォォ!!』
炎のような輝きを放つ右腕がすべてを切り裂くキョウキンノイターに炸裂した!
「反省しますぅ.....」
キョウキンノイターは反省の言葉を口にしながら四方爆散し、依代となっていた人間だけが残された。
▽
「これほどとはな....」
先程の戦いを眺める男が独り。
「さすがだ、愛の竜神.....」
その男はそう呟くと風に消えていった。
▽
「おお....。すげー治っていく.....」
『ふむ。我の力もここまで使えるように成っているとはな....。まあ、事後処理は我に任せろ』
頼りになる言葉を発しながら、赤と白に変色したデバイスから放たれる光が街を修復していく。
これもどうやらラヴァラーグの力らしく、おもわずイーナも簡単を漏らしていた。
『では、我は少し寝る。久々に振り回されて疲れてしまったのでな』
そう言ってラヴァラーグは声を消した。
「......統次。ありがとう。私達を、守ってくれて」
「どうってことないよ。イーナと、バニーを守れて」
中断されてしまった帰宅の再開。
あたりはすっかり茜色だ
「結局、バニーでかえることになっちゃったなぁ.....」
「.......私は統次が嬉しそうだから全然これでもいい。.....明日からこれで登校は、ちょっと恥ずかしいかも」
イーナはぼろぼろになったバニースーツで帰宅を進めていた。
大事なところは隠せてはいるが、際どい格好であることに変わりはないので、統次のブレザーを上から被せてはいるが。
「しっかし、これは良く無事だったよなー」
イーナに被せたブレザーをみながら統次が呟く。
そんな一言を居に返さないように、イーナが立ち止まり、振り返る
「......私、あなたが炎に飲まれたとき、すごく悲しかったわ。だから、後悔しないように.....、これは私からの最初の意思表示」
むに、と唇が唇に押し付けられる。
それはまごうことなきキス。どんな国でも愛を示す深い深い甘美なキスだった。
「.....これから、どんどんアピールしていくから。楽しみにしてて、ね?」
少し赤くなりながらもいたずらっぽく微笑んだイーナの顔はこれ以上ないほどにかわいかった。
あとがき
このバカみたいな物語にお付き合いありがとうございました。反響.....まあブックマーク一件でもついたら続き書きます。




