お月様
まるすけ?
ごめんね…
もう少しだけ付き合ってくれる?
スマホに入れてもらった光陽くんの住所…
行こう
ーーーー
約30分程で到着・・
このアパートだ
207号…2階?
まるすけ?静かにね!
「ワウ…」
「おりこう、ふふッ」
まるすけと2人、息を殺して静かに階段を上がって行く
207の前までやってくると、玄関付近で話声が聞こえて来た。
ーーーー
「ダメ!こんな時間に何処へ行こうっていうの?」
「公園!」
「もう暗いし、危ないから、また明日、 ねッ!」
「なんで起こしてくれなかったの?
ママなんかキライ!」
「あーちゃん…」
朝陽のママは困っていた。
…この子も光陽と一緒で、一度言い出したら…しょうがない、一緒に行ってあげるしかないかなぁ…
「行くっ!つきみ…待っているかもしれないから、ひとりぼっちじゃ、かわいそうだから…
ぼくは行く!」
あさひ…
私は胸に手を当てて、ドキドキを静めようとしていた、だって
あさひの言葉を聞いて、すぐにでも抱きしめてやりたい!
そう思ったからだ。
私は、なんのためらいもなく、インターホンのボタンを押した。
『 ピンポン! 』
『あっだ〜れ?…こーちゃん? 』
『お兄ちゃんはまだバイトのはず…
はい…どちら様でしょうか? 』
「あ、あの…」
「ワンッ!」
「つきみ?…つきみのこえ!あと、マロンすけも!、ママッ!つきみ、つきみとマロンすけだよ、早く開けて!」
目の前のドアがゆっくりと開く、と…
「つきみーッ!」
「ワンワン!」
あさひが私に飛びついて来て、そして、私はあさひの身体を抱きしめてあげた。
「あさひ?ひざのキズ、痛くない?」
「うん!へいきだよ、つきみにもらったイチゴのでなおったから」
「じゃーん!一緒だね!」
私は左の小指のイチゴを見せながら、あさひに言った。
「でも、こうゆ〜のはないほうがカッコいいんだよ!だから、ケガとかしたらカッコ悪いからしないようにね!」
「うん!もうしないよ!」
「よし!…じゃあ、つきみはちゃんとお家に帰ります、だから、あさひもちゃんとママの言うことを聞くこと!
わかったかな?」
「うん…わかった…
ママ!…
ごめんなさい」
「よし!エライぞ!さすがあさひくん、ふふッ」
私は立ち上がり、朝陽の頭を撫でながら…朝陽のお母さんにお辞儀をした。
「あ…こんばんわ、あの、すみません…突然」
「つきみちゃん?それに、まんまるで白い…マロンちゃん!
ふ〜ん…
あさひが言っていた通りのお嬢さんね!」
「あさひくんが?」
あさひのお母さんは、ニッコリ微笑みながら
「優しくて、綺麗なお姉ちゃんとお友達になったんだよって、 自慢してたから ふふふふ…」
「そんな…」
「つきみちゃんのおかげ、この子も明るくなって、それに、この前も絆創膏のことなど、あーちゃ…いえ、朝陽の面倒を見てもらって、とても感謝しています…」
「あの、わたしも!朝陽くんかわいいですし、一緒にいると、元気をもらえますから」
朝陽のママ…
なんて素敵な笑顔なんだろう
「じゃあね、あさひ!さよならね、でも、また明日!」
「うん!つきみ?」
「なに?」
「ちょっとすわって?」
すわる?
?
とりあえずしゃがんでみた。
「きをつけてかえるんだよ、つきみ…」
すると、あさひは…・・・
わたしの
お口に チュッ
「バイバイ!つきみ」
「ちょっ!?…あ、あさひ?…」
顔が熱くなってきたんですけど
帰り道…
「今日のお月さまのうさぎさん、楽しそうに笑ってる、ね!まるすけ!」
「わお〜ン」
でも、さっきはビックリ…だって、いきなり、朝陽くんたら私に
『 きをつけてかえるんだよ!つきみ… 』
なんて、生意気なことを言いながらお別れのキスなんかしちゃって…
おませさん…
それってたぶん外国人の習慣なのかな?
ふふッ…
まって!
と、いうことはだよ、あさひくんがそういうことをするのだから…
私、お月様をみながら変なことを考えていた。
想像したら、胸がドキドキしてきて・・
や、やだッ…
私、なにを?
ぷるぷるっとホッペをふくらましながら、首を左右に大きく振った。
ないない!ありえない!そんなこと…な〜い!あるわけない!
そうだよ、こんな存在感のない私に…
誰も興味持ってくれない私に
そうだよね、あのウサギさんに笑われちゃうよ、ほんと私って…バッカみたい。
それよりも
朝陽くん、元気そうで良かった!
「ねッ、まるすけ?」
「わん!」
「やっぱり、そう思う?・・うふふッふふふ ヒャハッ くすぐったい!」
まるすけを抱き上げ、私のホッペに抱きしめると、まるすけが、私の頬をペロンと舐めた。
ほんとによかった…
なにもなくて
・・・なくて…?、あれ?
「よくな〜〜〜いッ!・・・なにも…
ある〜ッ!
こんな時間まで、どうしよう!
お母さんに連絡するの忘れてたッ!」
「くぅ〜ん…」
「怒られちゃうよ!…」
とりあえず電話しなくちゃ
ーー
うわッ…着信が何十件とある…
ぜんぜん気がつかなかった
お母さんの文字がズラズラ〜・・
私は焦りながら、スマホのTELアイコンにタッチして連絡先のお母さんを選んだ。
なんて言おう?…
素直に言うしかないよね、レストランの事とか、朝陽くんのお家に行って確認してきたとか…
『ププッ ププッ ププッ …・…・・プルルルル プルルルル プルルルル プルルルル… 』
携帯の呼び出し音が消え、通話中に、なった。あ
「あ、あのお母さん?…ご、ごめんなさい、あのね、今家に帰ってる途中なの、それで…・・・・…そうゆ〜ことだから、お友達の朝陽くんは家にいたし、とても元気で、もう心配いらないし…あ、ッ!ねぇお母さん?!ねぇ!おかあ?、・・」
まさか、怒りを通り越して話もしてくれないの…・・・
すると、スマホから声が!?
『…あのさ…』
「!!?」お、お、男の人!!?
『俺、お母さんじゃないし…』
「す、すみません!ま、間違えました!・・・・?」
『ドジなやつ…』
!?
「その声!…」
『聞こえてる? 』
「…」
光陽くん?
私、間違えてかけちゃったの?
「あの…おかあさんに、かけるつもりが間違えて…・・・・」
『間違ってないよ…』
「え?…」
『あさひのこと!
…
やっぱ、俺の言った通りだったろ?』
「はい!」
『 あーちゃんも喜んでた』
「うん…?…ん?…」
『 ママも助かったって…
言ってたぜ! 』
「あ…そ、そう…?…
光陽くん…全部知ってる…」
『 ああ…さっき聞いたからさ 』
「…」
『おまえが変なこと言うから』
「ご、ごめんなさい…」
『俺も…
…それにしても、今日の月…やけに光ってるし…』
「…光陽くんも、今外ですか?」
『ああ…前に、子犬を連れた女の子も月を見てんな…』
「ふ〜ん…?」
「あきらかに、ドジっぽい子がさ…」
「え!」




