窓越しにて
まるすけを抱いたまま、夢中で走っていた。
髪が邪魔になって、走りずらい、こんなことなら、いつものように結んでくれば良かった。
『 とっておきの情報だよ…光陽くんのバイト先だけれど… 』
西区のカフェレストラン…sunshine…
スマホのナビだとこの辺り…
「サンシャイン…サンシャイン…
…・・・・・…あった!…」
レストランSUNSHINE を見つけた!
中へ入ろうとしたけれど、あッ!
「まるすけが!…うわぁ、ペットは無理だ…どうしよう…」
わたしは入り口脇から、植木を避けて奥の方へと入って行った。そこには一箇所広いスペースがあり、その場所から窓ガラス越しに店の中が見えそうな感じで…
私はそのガラスにペタッとはりついた。
額をガラスにくっつけて、中をのぞくと…
「なんにも見えないや…見えそうで…見えない…?」
もう少しくっついたら見えるかなぁ…
メガネが邪魔!
私は、メガネを外してポシェットの中へ入れると、ホッペをピタッとくっつけて、もう一度チャレンジした。
光陽くん!・・・
その頃レストランホール内では…
月美のいる窓ガラスの目の前の席で、デートをしていたカップルが、いまからスイーツを食べようとしていた。
「美味しそう!いっただきま〜す」
彼女は窓ガラスの異変に気がついて、チラリ横を見た…
カエルのように窓ガラスにはりついている月美を発見してしまったのです。
「キャ!なに?なに見てんの?あの制服の子!」
「うわッ!マジかよ、なにやってんだ?…・・…あの、ちょっとすみません」
外からは見えないが、中からは見える特殊なマジックミラーだったのです。
その男性客はウェイターを呼んだ。
奥から黒のスラックスで黒のベスト姿に、蝶ネクタイをしたウェイターが現れた。
「はい、なんでしょうか?」
「あのガラスにはりていている子! なんとかしてもらえない!」
「何なのアレ!気になってしまって食べれない…」
私は思わず、あさひくんのことを叫んだけど…
?…だれだ?…うちの制服…
「なんだよあの子?何か叫んでるけれど、頭おかしいんじゃない?かわいそうに…
かわいい顔してんのにな…」
光陽は必死に何か伝えようとしている、月美を見ながら
見たことあるような…彼女…あの犬は、
マロンすけ?
つきみか?…
必死に叫んだ
光陽くんに知らせる為に…
ようやく私に気がついた光陽くんは、ホールから裏口からへと走りだした。
店内では–––
「何があったの?」
「病気?、薬物?…怖いね…」
「髪の毛振り乱して…叫んでる…」
店内に緊迫感が走る。




