どこへ?
「行こう まるすけ」
「ワンワンッ」
玄関でシューズの紐をぎゅっと結んで!
「行ってきまーす!」
「気をつけてね、早く帰って来るのよ」
「は〜い」
「今日はちょっと出遅れたから、ジョンには会えなかったね」
「くう〜ん…」
「なに、さみしそうな声だしちゃって、いつもジョンのこと、おどろかせてるくせにぃ」
「くう〜ん…」
ほんとに? 会いたかったんだ、ジョンのこと大好きなんだね
「ワンワン!」
「そっか、ごめんね、わたしが遅くなってしまったから、でも、朝陽くんには会えるから」
「ワンワンッ」
…今日はあさひくんといっぱいお話しちゃお
お兄ちゃんのこと、教えてもらうんだ〜
相原さんにお願いされたし…
それだけじゃないけれど・・・
知りたいって思ったから
ただ 知りたいって
彼のことを
いつもの公園–––
「よ〜し、まるすけ!、朝陽くんを見つけよう!
あさひ〜、どこにいるのかなぁ…」
「ワンワン!」まるすけはあさひ、の言葉に敏感に反応すると、いきおいよく走り出した。
すべり台の周りから鉄棒の横の砂場に、ブランコの横のベンチの下…公園じゅうを走り回って朝陽くんのにおいを探していた。
まるすけも、あさひくんのことを一生懸命に探していたせいか、ハァハァしていたので、お水を飲ませてちょっと休暇です。
なかなかやって来ない、あさひくんを待ちながら、まるすけを抱いてしばらくベンチに座って休んでいた。
「あさひくん来ないね〜… じゃあ、ブランコにでも乗って待っていようか」
キー… キー …
辺りは薄暗くなって来て、もう帰る時間に…
「クゥ〜ん…」
まるすけ…
変だ…
–––––
『 つきみ?明日も遊ぼうね、きっとだよ …』
『 じゃあ、つきみと指切りしよ 』
『 ゆびきり? 』
『 あさひの小指と、つきみの小指でね、こうするの…
ウソをついたらダメだからね! 』
『 うん! 』
『ふふふッ、じゃあ… 』
『指切りげんまん ウソついたらハリセンボンの〜ます』
––––
あさひの小さい小指と指切りをした、自分の指を見ながら、私…
まさか、また イジメ?
なんだろう?
あさひくんに何か?…
あさひ?
どうしたら!…
光陽くん!…
光陽くんに連絡とりたい!
「まるすけ!行くよ!」
私はまるすけを抱き上げると、光陽くんのバイト先へと向かっていた。




