表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天地日種ノものがたり  作者: 天邇 笑満史
花入りノ篇
PR
12/55

隊員の想い

//日が沈み、下級から上級までの理想郷生物(アルカディオス)が姿を消す頃。


「けものが理想郷の支配階級なのは誰でも知っている。そして君たちは夜禅での戦い方を少しだけ学んでいるだろう」ぼくは言う。


 基本的な動きさえ覚えてしまえば、けものの動きを日の出まで抑えられる。後は自分の体力を考えながら舞い踊ればいい。うん、夜禅は体力勝負だ。


「ううん、わたしたち即席だからなんにも分からないよ。たぶんね、けものと真っ向から戦ったら三分どころか一分も持たないよ」そう返してくれるのはポニーテールの女子だった。


 え……これが最低最悪な牡丹派のやり方なのでしょうか。新規の者というのは、ある程度夜禅での戦い方やけものの行動を理解している新規の者、という意味ではないのでしょうか。


 どうすればいいんだ? どうしよう。ぼく以外がけものの隙の作り方を知らない状況で立ち回れる作戦……解らない。ぼくはどうすればいいんだ。


「あぁ、どうしておれみたいな弱い奴が夜禅なんだよ、もっと強い奴らがいるだろうが……人員不足だとしてもどうして、どうしておれが選ばれるんだよ。そりゃあ戦いたいけれど、けものと戦うなんてバカげてる、おれはまだ二十歳だぞ、ジジイやババアに未来を託されるような年齢でもなければ実力者でもねぇのにどうなってんだ。けものなんぞに殺されてたまるかよ、どうせ殺されるなら英雄に殺されたいものだ」


 と、ぼくの隣でうずくまっている男子はどうしようもないことをぶつくさと並べている。  ぼくと年齢の変わらない彼もまた、夜禅という職場に強制的に放り込まれたのだろう。


「あの、夜禅部隊に選ばれたのなら実力者ですよ。自信を持ってください」とぼく。


「絶対死ぬ、無理、けものと戦うなんて嫌だ」


 どうやらぼくの励ましは聞こえていないようだ。ぼくよりカラダは大きいのに、こんなにも度胸の無い男子がうずくまる所は珍しい……訳でもないな。夜禅に選ばれたヒトは冤罪なのに死刑を宣告されたようなものだからね。


 死にたくないと言う彼の他にも、「やる気がない」、「やりたくない」、「面白くない」、「どうでもいい」、「寝たい」、と、死にたくないのは誰だって一緒だろうけど、夜禅に選ばれるだけの実力を有しているならばもう少し頑張ってほしい。


「大丈夫ですよ、自信を持ってください」と言うぼくに反応してくれるヒトはいなかった。


 けものと戦いたくない理由は人それぞれ、しかし十番隊の隊員は皆が皆消極的な面を持っているようだ……ぼくも含めて。


「そうだ、バックレよう!」と、うずくまっていた彼は意を決したようだ。


「現世界では病に苦しんでいる人々がおります。その人々のためにも、あのけものに少しでも痛手を負わせなければなりません」


 ぼくは隊長らしく振舞ってやった。隊長らしく、隊長らしく……親父殿御袋殿、これが隊長らしくなのでしょうか。隊長の心構えとは何なのでしょうか、


「割に合わねぇだろ、生きるか死ぬかで死ぬ確率の方が高い夜禅なんて金銭の話じゃ解決できねぇよ」と言う男子。

確かに割に合わない、しかしそれでは話が終わってしまうし、夜禅が無ければいずれ現世界も終わってしまう。つまりいろいろな意味で割に合わないのだ。


「それはわたしも思う……死んだらそれまでだもの」男子の意見に同意する女子。


 そうでしょう、その通りです。輪廻転生を信じて死ぬよりも、今を強くても弱くても生き抜き寿命で死にたいですよね。間違っていませんよ、ぼくも生きていたいです、生きていて苦しいことばかりですが、未来では花が咲くと信じております。


pixivにキャラクターデザインを載せる予定です。気になったらpixivにも訪れてください→https://www.pixiv.net/users/81746438


いいねや評価が貰えると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ