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異動ガチャ  作者: 泉北亭南風
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37 自分の限界

 NPO法人ふくまるでの仕事は順調に推移していた。仕事をしてお給料をもらえるのがとてもうれしい。さかいこころのクリニックへの通院は2週間に1回。主治医の安藤先生の診察、カウンセラーの元木さんと40分間話をし、薬局で薬を貰って帰ってくる。勤務シフトは通院に合わせて調整してもらっていた。


 NPO法人の雇用には健常者・障がい者の区別はない。利用者も含めて皆対等にというのが経営方針である。取り組みとして面白いなと思っていた。


 12月。増本理事長から新しい仕事を依頼された。新年度から市が実施する新規事業のプロポーザルに応募したいので、申請書類を作ってほしいとのことである。私は元行政マン・・・2つ返事で引き受けたのだが・・・


 いざ書類の作成作業を始めてみると、法人内にはその手伝いをできる人材がいないことが判明。申請書だけでA4用紙50枚以上、資料もいろいろと揃えなければならない。作成期間は3週間ほどしかない。仕事に忙殺される毎日が続いた。すると体調が見る見る悪化・・・定期受診で、対症療法的に抗うつ剤の処方変更がなされた。


 そして処方変更が・・・さらに体調悪化に追い打ちをかけた。いわゆる離脱症状である。抗うつ剤は服用初期に副作用を感じるが、服用中はほとんど効いている実感がない。そして減薬すると、実は効いていたのがわかるという代物である。


 1ヶ月かけて薬を完全に切り替えたのだが、激務に加え、離脱症状~新薬の副作用でかなりしんどい思いをすることになってしまった。


 そして応募書類は、提出ギリギリ滑り込みセーフで完成。職務は果たしたものの、自分がうつ病であること。そして手帳を持っているのは意味があることを再認識することとなった。


 「高槻さん。あれだけ言ったでしょう・・・」


 定期受診で安藤先生にこっぴどく叱られた。


 それまで順調に仕事をしていた私が追い込まれて見せたしんどい姿・・・これが違う形で波及していく。

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