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白蛇神様の運命の恋  作者: 朱音小夏


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第十八話

「それでは、白妙様! こちらの狩衣と袴に着替えてくださいな!!」

「......まだ飯を食っている最中だぞ」

「問答無用!! もうそろそろ授与所も開けなければいけない時間なので!!」

「さ、小夜......神様に向かってその口の利き方は......」


 小夜が白妙に思いっきり迫っていると、権蔵が止めに入る。

 しかし、権蔵の言葉は小夜の耳を右から左へと通り過ぎていく。

 そんなところに"ピンポーン"と来客を告げるチャイムが鳴る。


「はいはーい! おはよう、透!」

「おはよう。ごめん、今日ギリギリになっちゃって」

「大丈夫よー! そうだ、透にお願いしようかな?」

「?」


 神楽坂家にやって来たのは透"達"である。

 何故"達"なのかというと、小判と貧丸もいるからだ。

 ――そんな二人は透にベッタリとくっついていて、離れる様子がまったくない。

 そんな様子を見て、小夜は思う。


 (相変わらず今日もモテモテね......)


「小夜? お願いしたい事って?」

「あ、そうそう! ほら、私御朱印を書くのに忙しくなると思うの。だから......」

「おい、小夜。これでいいか?」


 小夜と透が話していると、狩衣と袴に身を包んだ白妙が玄関まで現れた。

 透は、そんな白妙を見て言葉を失ったかと思うと――次の瞬間。


「......誰?」

「ん? 白妙様だよ! 今日は白妙様にも働いていただこうと思って!!」

「......え?! 白妙様?! ......黒くなってる」

「そなたら人間に合わせたのだ。......それにしても、透。そなた、見ていて暑苦しいぞ?」

「ハハハ......」


 透も「困っているんですけどねぇ」と呟くと小夜に促され家の中へと上がっていく。

 居間に入ると、まだテーブルの上には食器が並んでいた。

 どうやら、食事を終えたばかりらしい。


「小夜。良ければオレが食器洗いやっておくから小夜は着替えておいで」

「え?! いいの? ......申し訳ない!! 頼んだ!!」


 小夜は後を透に任せると、巫女装束に着替えに自室へと向かった。

 兎月は小夜について行こうとする。

 ――が。

 白妙によって、捕まってしまって。


「な、なにをするんだ?!」

「そなた、おなごの着替えに入るなど無礼が過ぎるぞ?」

「......べ、別にやましいことなどしようとは思っとらん!!」


 兎月は目を泳がせながら白妙に反抗する。


「うーちゃん、白妙様の言う通り、覗きはよくないよ?」


 透にまで言われてしまい、兎月はぐうの音も出ない。

 ――どうやら図星だったようだ。


 そんなことを言いながら、透は食器を流しへ運び、洗い始める。

 その様子を白妙はジーっと見ている。

 ――穴を開けるつもりか? この神様は?


「透」

「は、はい!!」

「......そうさな。人間に合わせて言うなら、今日の恋愛運は大吉。待ち人来たる。とでも言っておこう」

「......え?」

「おっ待たせー!! 透、ありがとね!! って、どったの?」

「ふっ。なんでもない」

「それよりお願いって?」

「白妙様に仕事の仕方! 教えてあげてね!!」

「ご指導願おうか?」


 流石は神様。

 教わる立場だというのに偉そうだ。

 ――今日はなんだか一波乱ありそうだ。

 そう思いながら小夜達は境内へと向かうのであった。



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