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キャラクター紹介

この物語には、四つの身体がある。

どれも似ていなくて、どれも正しくて、どれも少しだけ世界から外れている。


その外れた場所こそが、彼らが出会うための入口になった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


阿野乃雅あの のあ - 喪失

九歳の夏、事故で「うつわ」を失った。

外性器も、生殖能力も、未来の形も、すべてが熱と光の中で溶けて消えた。


残ったのは、一本の縫合痕だけ。

それは悲劇ではなく、まだ名前のない“空白”だった。


1984年、診察室で、乃雅はホルモン治療の選択をせまられた。

男でも女でもない身体が、どちらかに寄るためではなく、

ただ「自分の形」を見つけるために。

乃雅の物語は、喪失から始まる。


[本質]

喪失から始まる。ただ「自分の形」を見つけるために。

男でも女でもない身体が、どちらかに寄るためではなく、

そこに何も刻まれていない、という静かな事実だけがある。


[時間軸]

9歳夏:事故で外性器消失

10歳:社会的な隠蔽のはじまり

高2:医学的に「空白」と認識

→ 新しい道へ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


内山うちやま ひじり - 逆転

染色体はXX。

先天性副腎皮質過形成症(CAH)

子宮も卵巣も、最初からそこにあった。


ただ一つ、外側だけが“男の子の形”をしていた。

医師は外見だけを見て、聖を男として決めた。


思春期が訪れたとき、身体は本来の性を主張し始める。

その痛みは、誰にも説明できない種類のものだった。


聖の物語は、逆転した真実から始まる。


[本質]

逆転した真実から始まる。

その痛みは、誰にも説明できない種類のものだった。

思春期が訪れたとき、身体は本来の性を主張し始める。


[時間軸]

中学2年:身体が女性化、月経が来ない

医師の診察:XX染色体、本当は女

高2:女子部編入で自らを取り戻す

→ 手術による完全な再誕生へ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


間宮泰代まみや やすよ - 内側

外見は、誰が見ても完璧な女の子だった。

けれど、その内側には“別の真実”が隠されていた。


染色体はXY。

アンドロゲンが効かない体質(AIS)。

子宮はなく、月経も来ない。

それでも誰にも気づかれないまま、泰代は“女の子として育てられた”。


彼女は、自分の身体の沈黙を誰にも言えなかった。

だからこそ、乃雅の“外側の空白”を、一目で理解できた。


泰代の物語は、内側の真実から始まる。


[本質]

内側の真実から始まる。

だからこそ、乃雅の「外側の空白」を、一目で理解できた。

彼女は、自分の身体の沈黙を誰にも言えなかった。


[時間軸]

幼少期:完璧な女の子として育てられた

中学2年:身体が異常を主張(精巣の存在)

医師の診察:実はXY、アンドロゲン不感性症候群

高2:唯一、自らの身体に内側から気付く者として

→ 静寂の中で最初に「他者の空白」を認識する


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彦坂ひこさか しゅん - 偽り

四人の中で唯一、生まれつきの身体に“矛盾”がなかった。

医学的には完全な男性。

けれど、俊はその身体を自分のものだと思えなかった。


乃雅の空白を羨み、

泰代の生まれつきの真実を羨み、

聖の逆転した身体を羨んだ。


そして俊は、自分の手で“平地”を作った。

それは模倣ではなく、選択だった。


俊の物語は、選んだ真実から始まる。


[本質]

選んだ真実から始まる。

それは模倣ではなく、選択だった。

そして俊は、自分の手で「平地」を作った。


[時間軸]

生まれつき:医学的には完全な男性

思春期:身体と心の違和感に気づく

高2:「女性になりたい」と選択、診断書を得る

→ 自分の意思で女性ホルモンの道へ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

挿絵(By みてみん)

『女子部の教室』


四人はそれぞれ違う理由で、

自分の身体と向き合わざるを得なかった。


その四つの真実が重なったとき、

彼らは初めて互いを見つける。


この物語は、

境界に立つ四人が、

自分の身体と、自分の未来を、

静かに選び直していく話である。



注意.この物語はフィクションです、医学的見解は専門医に相談してください。

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