スライム
神馬にもらった、紐で作った網はなんか特殊な物のようで、意思によって伸縮する、奇跡的な物になった。
仕掛ける時、川岸から反対の川岸までの、長さの罠を作ったつもりだったが、長さが足りずどうしようかと悩んでいたら、勝手に伸びてくれた。
見ていた皆が驚いて、まだ捕れてもいないのに、喜んでくれたのだが、ダグリックはそれを見てバツが悪そうにどっかに行ってしまった。
この辺を見ると、異世界便利すぎじゃね?と思うが今の所、ステータスも低いし、歳は8歳だし、生活面では前世の頃の足下にも及ばない。
罠を仕掛け終え、やる事が無くなる。
きゃろのやる事ってやつを手伝おうかな?と考えていると、マレイヤが2人の女の子と声をかけてくる。
全裸で。
「オリーさっきの網凄いね。」
「「オリー君凄かった」」
そういえばマレイヤと母さん以外から、オリーと呼ばれるのは初めてだな。
それに褒められて、なんか照れくさい。
ってかいくら8歳でも全裸の女の子を見ると照れる////
きゃろの全裸?M字開脚?あれはマンドラゴラだからノーカンだよ?
「そ、そんな事ないのさ」
ダメだ…子供に戻ったからか、女の子と話すと緊張する。
変な喋り方になった。
それを見て、女の子3人揃ってオリーが照れてる♡とからかった。
川まで来たからついでと、皆水浴びをしているとの事で、誘われて水浴びをする事にした。
皆の所に戻ると。
大人の女性も皆全裸で水浴びしてた//////////
体が子供でよかった、大人だったら間違いなく、オリーピッツがジャイアントオリーフランクになる所だった。
何せ大人の子持ち女性と言っても、出産が早いせいか皆30手前位の若い人しかいない。
1人だけ異常に筋肉の発達した人も居るが…顔立ちは綺麗だし一応女性だった、見慣れた物がついてないから間違いない。
その人は除いて、いくら子供とはいっても、男には目の保養、もとい目の毒である。
鼻血出してもいっすか?
「いってぇ!?」
まじまじ女体を見ていたのか、女子にツネラレタ。
この後、欲望に支配され水面に写る、女子達の割れ目を見れないか?と水面に顔を近づけて、初めて水面に写る自分の顔をまじまじと見た。
前世の子供の頃より美形になっている。
当たり前だがやはり前世の面影は皆無、ゴリラ脱退である。
ただ身長が170を超えれば、筋トレを本気で始めるため、その後ゴリラ化する可能性もあるんだよね…。
弱いまま生きて行けそうにもないし、身長は止めてしまう事になるが仕方ない。
「何かいた?」
「﹁ ☆@!@_@{&┘”#} ﹂っ!?」
後ろから母さんに声をかけられ、覗こうとしてたのがバレたのかと、思って死ぬほど焦る。
平常心、平常心、俺は自分の顔を見てただけ。
自分に言い聞かせてから振り向いて答える。
「アワビ…じゃなくて、俺が居たよ」
やっべぇよアワビ言っちまったよ…バレたか…と内心ドキドキしたが、アワビが分からなかったらしく、母さんは?を浮かべていた。
助かった。
水浴びを終えて、皆で川底を漁ったりして遊ぶ。
個人的に好きだから綺麗な石を探してると、なんか槍に使えそうな鋭利な石があったので後で槍にでも使えるかと思い拾っとく。
視界の端に影が走った。
ダグリックだ。
話しかけるのも気まずい。
「オリードルッ!お前がやれ!!」
ダグリックが走りながら命令してきた。
「あ゛っ?」
なんの事だ?と思うより先に、命令口調にイラついて前世の口調が出てしまう。
ダグリックの後ろにはぶよぶよの何かがいた。
「お前スライムならやれるんだろ!!」
当然スライムごときに負けるわけがない。
あんな小さい半透明の大福なんかに負けない。
でも、今ダグリックを追っているスライムは、知ってるスライムとはなんか違う。
何が?
想像より動きも早くてデカい、2mはありそうだ。
そしてグロい、スライムの中には丁度皮膚が溶けきり、人体模型の状態になった子供サイズの元人間が見える。
吸収してるのかスライムの体色も1部肌色や赤黒く染まっている。
子供が食われたのか?
と言うか、なぜ連れてきた?どっかで勝手に食われてろ。
守る筋合いも無い、そもそもこのスライム物理攻撃が効くのかも解らない。
漫画の様な核らしき物も見当たらない。
武器になりそうなのも今は拾ったこの石だけ…詰んでね?
とは思うが、大人も女性しか居ないし、子供連中の男の子は、引き連れてきたダグリック以外、恐怖で固まっている。
最悪、母さんだけでも守りたいが、出来れば女の子に良い所も見せたい。
結局俺がやるしかない、時間稼ぎだけはしてみせる。
覚悟を決めて走り出そうとした時。
「坊主、下がってな!!」
声が聞こえた瞬間、大きな人影が俺を追い抜きスライムの元へ。
さっきのやたらガタイの良い女性だ。
その人が瞬時にスライムに飛びかかる、その瞬間スライムもブレた様に瞬時に回避行動をするが、女性は解っていた様に軌道を変えて、スライムに組み付く。
組み付いて直ぐに、ヌンッ!!と気合いの込めた唸り声が聞こえたかと思うと、バチュン!
スライムが弾け飛んだ。
弾け飛んだスライムの中から子供の遺体を引き抜き、女性はスライムから距離をとる。
スライムの欠片はまだ生きているようで、元に戻ろうとひとつの欠片にウゾウゾと戻っているのが見える。
しかしこの人強い。
先程のスピード、戦闘態勢に入ってからの足さばき、挙動、どれを取っても間違いなく戦闘慣れしている。
神馬に立ち向かったマレイヤ、ダグリックの父より絶対強い。
子供の遺体を寝かせてからスライムの元へ駆け出す女性。
次々とスライムの欠片を、足で踏み潰していく。
やがて、スライムを全て地面の染みへと変えて戻ってきた。
恐らく彼女が居なかったら、全員無事ではすまなかったはずだ、スライムのあの回避行動、今の俺では反応出来ても捉える事は出来ない。
どんなステータスをしてるんだ?と咄嗟に鑑定をしてみる。
人間:ユンシル
年齢:32歳
職業:無
レベル:71
身長:182cm
体重:[鑑定失敗]
状態:
バーサーク
憤怒
不安
HP:237/500
体力:40/85
MP:0
力:120
守備力:80
素早さ:92
父:死
母:死
所持金.財産価値76.000円
貴重品:魔結晶の指輪:75.800円+ボロ布の服:200円
スキル
無
比較対象が、自分しか見た事無いからよく分からないけど…強いよな?
レベル71だし、体重鑑定失敗してるし…。
スキルも無いのにバーサークだし。
不安は?まぁ旅の途中だし不安にもなるよな。
憤怒は…名前が前世でお世話になった栄養ドリンクみたいだから?違うか。
「茶坊主、この子は誰だい?」
ユンシルが、死体を指さしながら、ダグリックに聞いた。
「パル村のシルビア...」
「やっぱりそうかい…」
返事を聞いたユンシルは、地面の土を握りしめながら、泣いていた。
シルビアはユンシルの娘だった。
母親達がユンシルに肩を貸し、シルビアの遺体を運んで皆で洞窟へと戻る。
「暗い顔してどうしたの?」
きゃろがこちらの様子に気付いて聞く。
「シルビアがスライムに食われて…」
「あっそ、死体は残ってる?」
興味無さげな態度に、イラッとしかけるが、きゃろは人間では無いし、これは仕方ないだろう。
「今母さん達が埋めに行ってる。」
「これ、1つしか無いけど使う?」
ときゃろが謎の液体を見せてきた。
?
「神木の葉のエキス、人間なら生き返る」
やっぱり異世界すげーや
「使う!!きゃろありがとう。愛してる!」
オリーは急いで母達の元へと走っていく。




