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111Labirinto  作者: 白米
第一章 喪失者
27/47

027 修行風景と猿

 修行一日目。

 昨日は夜からだった為にノーカンと考え、本日より七日間を予定した筋力増強合宿を開始します。

 今日俺は、昨日何時の間にやら寝落ちしていたことにより寒空の中でも暖かな大地に身を落としていた筈なのだけれど、何故か何時の間にやら屋根のある木造建築一階で枯れ木によるベットの中で眠っているというファンタジーな出来事に遭遇していた。


 犯人は機能のCモンキーさんかと思いきや、別のCモンキーでした。

 つまり、なんか増えてました。

 今回のモンキーは『Carpenter』らしいです。

 便利なモンキーさん達ですな全く。

 いや人間の世話焼き過ぎでしょ。



 CモンキーLv78



 しかも随分とお強い。

 これCモンキー達と戦ったら俺死ぬよ。


 閑話休題。

 そんな訳で朝起きたらフローリングの床と木の良い匂いを香らせる壁があった訳なのだけれど、外に出たら味噌汁の良い匂いがしやがりました。

 外にはCモンキー三匹と、唄うドミニカの姿が。

 ……また増えてんじゃん!


 今度は何モンキーなんだろ、なんて思いつつも、Cモンキーの手招きに応じて大自然製土鍋によって煮込まれた味噌汁やら肉の炒め物やらが並ぶ、これまた大自然製大テーブルを囲む。

 ドミニカの歌をBGMに大自然の中とは到底思えないまともな朝食に喉を鳴らしつつ、俺は両手を合わせて声を出す。


「いただきます」


『イタダキマス』

『イタダキマス』

『イタダキマス』

『イタダキマス』


 ……また増えてる!?

 何時の間にやらモンキーの方が大所帯になっているという奇妙な修行スタートと相成った。


 朝食を食べ終えた俺は、運ばれた俺と違って放置されたままのハデス・アイアンの元へ舞い戻り、そのグリップを握る。

 朝食をゆっくり頂いても時間は十二分にあるというこの環境。

 一九歳とは思えない自由っぷりを発揮している気がするも、まだ社会人じゃないと開き直れば問題無い気がしてくる。


 俺が剣を振り始めると、Cモンキー達も俺の周りに集まり始める。

 その内の一匹はドミニカを肩に乗せて運び、俺の元まで連れてきているという馴染みっぷりである。

 五匹のCモンキーは、その高レベルに見合った戦闘力を備えているらしく、ズブの素人に近い俺の剣術にあれやこれやと指摘を繰り返す。

 ※また増えました。


『モットツヨクニギル』


『コシノウゴキチガウ』


『モットウデノチカラヌケ』


『フミコミアマイ』


『ハラヘッタラメシヨウイスル』


『コウダヨコウ』


 ちょ、どんだけ増えるんだよ。

 つい数分前まで五匹だったCモンキー、今は六匹である。

 Cモンキーによる身振り手振りと文字によるアドバイスは合ってるんだろうけど、今俺って筋肉つけに来たんだよ……?


 まあやるけど。

 そんなこんなで午前中が終了。

 素振り総数はどの位だろう。

 三百回位?

 ……午前中全てを使ってやってた割には少ない気もするが。


 少し目的とずれて技能も向上させようと努力してしまったから仕方が無いか。

 次からは回数を数えておこう。


 午後はぶっ倒れるまでだから……目標二千回にしておこう。

 目標は、一日に一万回剣を振っても力尽きないだな。

 正直、普通の剣でもそれは難しいのかもしれないが、出来なきゃハデス・アイアン位の剣を操ることは叶わないだろう。


 やらなきゃならないならやる。

 それが正解だ。



 昼食は、俺がCモンキー達と仲良く家の前まで戻ると既に出来上がっていた。

 鍋の前で鼻歌交じりに料理するCモンキーにただいまの一言。

 Cモンキー間の会話なら、普通に鳴き声で出来る為に今回Cモンキー達の言葉は分からない。

 多分、ただいま。


 ……分からない、よな?

 薄っすら分からんでも無い気が……?


 閑話休題。


 昼食も肉料理だった。

 どうやら体力をつけて貰おうとしているらしい。

 付け合せにサラダもしっかりあったり、Cモンキーの食生活人間的だな。


 というか、Cモンキーが料理してくれるのなら手持ちの食材を渡しておこう。

 俺が鞄より大量の食材を取り出した時、Cモンキー達は驚いていたものの、最終的には食材貰えたしまあいっかという結論に至ったらしく、全身を使って喜びを表していた。

 そんな中で俺は、昼食の肉料理を口へと運ぶのだった。


 うん、美味しい。



「ごちそうさま」


『ゴチソウサマ』


『ゴチソウサマ』


『ゴチソウサマ』


『ゴチソウサマ』


『ゴチソウサマ』


『ゴチソウサマ』


『ゴチソウサマ』


『ゴチソウサマ』



 昼食を食べ終えてそう言った時にはCモンキーの数が八匹に増えていた。

 ちなみに二匹同時に増えていた訳では無く、修行の途中で七匹目が増えていてここに戻ってくる時にはもういたり。


 そんなこんなが有りつつも、修行が再開された。

 午後の修行はCモンキーの数が増えたせいか、更に厳しいものとなり、素振り九百回を超えた辺りでダウンとなった。

 あぁ、俺はこの後Cモンキーに運ばれてあの小屋へ行くんだろうな。

 そんなことを思いながら俺は、意識を手放した。




 修行一日目、結果。


 STR 3.49

 ノミと同レベルになれたと思った? ハンッ!


 ドミニカの唄った曲数。

 148曲。


 仲間になったCモンキー。

 16匹。





 修行二日目。

 昨日と同様に朝食を済ませた俺を待っているのは連日の修行。

 昨日の修行の後半にはどういった理由からかCモンキー十匹による奇妙な魔方陣が展開され、その上で素振りを強要された。


 Cモンキー曰く、筋肉をより強靭なものにする効果があるんだとか。

 普通はCモンキーが子供の頃に試練として行うものらしいのだけれど、効果は五日間連続で五時間以上その中で筋トレをしなくてはいけないらしい。

 どんな儀式だよコレ。


 だがそれによってCモンキーは人間なぞに駆逐されない力を得ているんだとか。

 人間にどの程度効果がでるかは不明らしいけど、Cモンキーなら大砲喰らっても無傷だと。

 ちなみに、そんな都合の良いものがあるか? という至極真っ当な返しをしてみたところ、一応同じ哺乳類だし効くだろ、なんていう安易な言葉しか返ってこなかった。


 Cモンキー秘伝の魔法だって言うし……マジ何者なんだよCモンキー。


 閑話休題。


 今日は運悪く雨が降っている。

 にも関わらずCモンキー達は修行に付き合ってくれるし、ドミニカもCモンキー達によって作られた丸太の椅子に腰かけて歌を聴かせてくれる。

 絶えず動き尽くしの俺からしてみれば雨は恵みに近い。

 冬と言えども汗を掻けば冷たさを欲するものだ。

 それにここの場合服が防寒対策完璧すぎて寒く無いんだよ。


 ちなみに、Cモンキー達の指導は適格過ぎる。

 人間に教えるのは初めてだと言っている癖に、教育者顔負けだろうこと間違い無しの指導が湯水が如く振ってくる。

 ぶっちゃけCモンキーの方が上位種なんじゃないかと思う次元まで来てる。

 見た感じ同族間での差別が無い所か異種族への嫌悪すら皆無らしい。

 自分と違う者を嫌悪するのは知能を持った生物の醜くも確実に存在する部分だと言うのに、Cモンキーはそれが無いというんだから脱帽だ。


 後、Cモンキー間で交わされる言葉を聞いてる内にその言語を理解した。

 それをCモンキー達に伝えると大層喜んでくれて、わざわざ指導内容を地面に書く必要が無くなったせいもあり修行は更にはかどった。


 そんなこんなで二日目の修行も無事終了。

 と言っても、終了した時俺の意識はそこに無い訳で、何時終了したかは定かじゃないのだが。

 元々、時計も無かったんだから終わったのが午前一時なのか四時なのか、分かる筈もないのだが。




 修行二日目、成果。


 STR 5.95

 インチキしても何も変わらない。


 本日の献立。

 ソテー

 唐揚げ

 ポテトサラダ

 サーモンのマリネ

 マンガ肉


 仲間になったCモンキー

 21匹。

 累計37匹。


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