表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/80

Mission-28 『ホントとウソと初日続行』


 は? は? は?

 なんでループした? 

 

 ――いや、何でループしたかは分かる。バレたからだ、先生に俺が男だって。

 

 でもおかしい。

 

 最初のループ、あの時は伏見に制服の上から胸部を揉まれて胸が無いことがばれた。そして、その数秒後にループ。

 これはわかる。

 大なり小なり差はあれど胸のない女子なんていない。だからイコール俺を男だと断定するには十分な根拠になったはずだ。


 だが今回は…?

 俺が男だと断定するようなものはなにもなかった。少なくとも俺の知る限りは。


 こりゃいったいどういうことだ?

 ループは単なる疑念レベルでも起こるのか? いや、それはない。流石にあの神様がそこまでアンフェアなことはしないはず。

 そもそもさっきの会話の中で疑念を持たれたかすら、俺には理解できていない。


『しっかし、あんな自然に冗談言えるとはすげぇな。まじで男子生徒ですよと言わんばかりの自然な立候補だったぜ。一瞬マジでお前が男子かと思ったぜ』


 先生が俺に言ったこの言葉。

 これは俺を怪しんだというよりも単純な軽口だとわかる。別にホントに男だと思っちゃいない冗談の類だ。

 しかし俺がそれに対して、


『ハハッ、まっさか~。そんなわけないでしょう』


 そうできうる限りに自然に返したときから、ガラッと先生の反応が変わった。

 

 …つまり、どういうことだ?

 俺が思っていただけで、えげつないくらいにその言葉が震えていたりどもっていたとか?

 いや、仮にそうだとしても断定には至らないはず。


 ……………?


 が、そこで俺は思考が何かに引っかかるのを感じた。

 何かを見落としている? そんな気がする。

 思い返せ、今日先生とした会話を。そこにきっと答えがあ――!!


 そして俺は辿り着いた。

 それは些細な事。聞き流してしまったような戯言たわごと


「――ゃま」


 でももしそれが本当だとすれば全てに説明がつく。 

 そして、納得したくはないが納得するしかなくなる。


「――しやま」


 つーか、もしそうだとしたらそんなの反則だろ。

 バトル漫画でも結構な強キャラが持ってるような能力だぞ。それをなぜ学校の先生が――、


「葦山!!」


「うぎゃぁ!?」


 が、俺が辿り着いた答えについて自問自答しているとそんな大きな声と共に頭を出席簿で叩かれた。

 地味に痛い…、そんな感情を隠さずに顔を上げると当然そこには先生の顔があった。


「さっきから呼んでたんだぞ、聞こえなかったのか?」


「あー、すんません。ちょっと考え事を…」


「だろうな、なんか小難しいこと考えてそうなツラしてたぞ」


 そう言いながらも「まっ、転校初日じゃ疲れるか」と先生は少し気遣う様な表情を見せる。

 …一応あれか。ここで疑惑を確信に変えとくか。どう考えてもこれからの生活に関わるしな。


「先生、突然なんですけどちょっと今から俺にテキトーな質問を二つしてくれませんか?」


「あ? なんだそりゃ?」


「いいから」


 そう急かすと、「ったく、質問すりゃいいのか?」としぶしぶ了承してくれた。


「特技は何だ?」


「運動全般です」


「今日の朝飯は?」


「トーストとコーンスープです」


「…?」


 二つの質問と答えが終わる。

 そして、ここから本題だ。


 まっすぐに先生の顔を見つめて、


「今の俺の答えって嘘か本当かわかりますか?」


 そう問いかける。

 すると、


「一個目が本当で、二個目が嘘だな」


「っ!?」


 ノータイムでそんな答えが返ってきた。


 ――やっぱり!!


『さてと、さっきまでは散々お前の質問に答えたんだ。今度はこっちから聞きたいことがある』


『散々って言うほど質問しましたっけ?』


『細かいことはいいんだよ。ちなみに私は人の嘘がわかるから正直に答えろよ』


『なんすか、それ? アニメみたいなこと急に言わないでくださいよ。――まぁ別に嘘を吐く理由はありませんけど』


 思い出したのは、数時間前の屋上でのやりとり。

 あの時は軽く流したけど、どうやら軽く流していいものではなかったようだ。


 ――この先生、人の嘘を見破ってやがる。 

 それもおそらく俺がループした男の娘バレ確定までの時間からしてその精度は先生の中で100パー近い。


 おいおい…、俺のミッションからして難敵どころの話じゃないぞこれは…。


新規メモ:浅見凛について


この物語の主要人物その②。年齢は25歳、身長は166センチ程。

風寺学院高校三年一組担任。担当科目は国語現代文。

職員室でゲームをして遊び、屋上でタバコを吸う様な不良教師だが、勤務時間内は仕事をきちんと行っておりその気さくな性格と明るい人柄と鋭いが美しい容姿が相まって生徒からの人気及び信頼は教師の中でトップクラス。たまに生徒から個別に相談を受けたりもする。

下戸なためお酒は一切呑まず、ギャンブルもしない。喫煙者だがタバコも一日三本と決めているため、意外と平均的な大人よりも健康的な生活を送っているのかもしれない。

人の嘘を見破るというまさかの特殊能力持ち。

現状、葦山蒼葦ループさせ回数同率1位(1回)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ