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Mission-25 『クラスと個性と自己紹介』


 そんなわけで、先生の指示の元に三年一組の自己紹介が始まった。


「渚隼平です。所属部活はサッカー部でキャプテンをしています。初めて同じクラスになる方や初めて話す方とは新たな友人に、すでに知っている方とはより仲を深めたいと思っています。どうぞよろしく」


 自己紹介の順番は右端の隼平から前へ後ろへ後ろへ前へと蛇行していくような感じ。

 ちなみに俺はさっきのあいさつで免除とのことらしい。


鍛冶屋かじやはすです。友達からは、はっす~って呼ばれてます。最後の伸ばすところを~ってな感じでコミカルにするのがポイントですんで、よろで~す」


及川おいかわ達也たつや。パソコン部部長。以上で」


 ってなわけでどんどんとクラスメイト達がその場で立ち上がり、それぞれ独自の自己紹介をくりかえしていっている。


日下部くさかべ愛姫あきでーす。好きなものは可愛いもの、嫌いなものは可愛くないもの。好きな男性のタイプは~人当たりが良くて目標を持って頑張ってる人です♪ 皆さん、仲良くしてくださ~い♪」


「あっ、あの椎葉牡丹です。えっと、今まで同じクラスだった人からはよく委員長って呼ばれてました。あっ! いやっ、でもそれは別にこのクラスでも委員長をやりたいとかそういうアピールではありませんよ! あの一応の説明というか何というか…! とりあえず、あのっ、不束者ですがよろしくお願いします!!」


 …のだが、委員長まで順番が回ったところで俺の脳内に一つ疑問が浮かんだ。

 あれ? このクラスの面々、個性豊かすぎやしないかい?

 ってな感じの疑問だ。


「元二組の手嶋てしま環奈かんなって言いまーす。彼氏はいるのでボシュ―はしてませーん♪ 頭は良くないしベンキョーは苦手ですけど、ノリはいい方だと思うんでよろで~す♪」


「はい、皆さんご存知生徒会長の伏見緋音でっす。自分で言うのも何ですけど、どっちかというと接しやすいタイプだと思うんで、あれだったら気軽に話しかけてやってください。みんな、一年間よろしくね~」


 そして、自己紹介が進むにつれてアクの強そうな人間の情報が更に俺の脳に付け加えられていく。

 なんだこのクラス…、学校中の個性強いやつ集めたのか。


「はい、やってまいりました。サッカー部所属の御門彰です。ぶっちゃけ男友達は今いるので十分なんだけど、女の子の友達は無制限で年中無休で募集してますんで、気軽に連絡先おせーてねぇ~。」


「えーっと、矢ヶ条やかじょうまことだ。部活とかは特にやってないが、空手を十年以上やってる。あとは…特にないな。まぁ、そんなところだ」


 あと思ったのが、心なしか結構顔が整っているやつが多い気がする。気のせいか?


 まぁ、何はともあれ多くのクラスメイトが数秒の自己紹介で特徴を出してくることもあり、それだけで結構覚えてしまったかもしれない。すでに顔と名前が相当数一致している。


「は、はひっ! 渡辺わたなべ杏子あんずです! あの、えっと…よろっ、よろしくお願いします!」


 そんなわけで最後の渡辺さんとやらのメチャクチャ緊張した簡素な挨拶をもってして、一クラス四十人の自己紹介の挨拶が終わったのだった。


 そういや俺の横の席の男子も同じくらい簡素な挨拶だったな。

 及川達也って言ってたっけか? まぁ、こっちは緊張とかは微塵もなく完全に素の無愛想さを全開に出してたみたいな感じだったけど…。


 何はともあれ、賑やかなクラスになりそうだ。

 三十九人分の挨拶を聞いたあとに思った俺の感想はそんな感じだった。


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