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実家に中国版(?)のグリム童話(?)があったので漢文が割と得意だったので書き下した

実家に中国版(?)のグリム童話(?)があったので漢文が割と得意だったので書き下して口語訳にした

作者:
掲載日:2026/04/24


「この国を滅ぼすのは白雪姫です」


 鏡はそう告げました。


 女王は決意します。

 かの白雪を、誅さねばならぬと。




 白雪、それは美しい姫でした。


 六歳の時に騎士団を紅い雪の中に沈めました。

 十歳になる頃には熊を撲殺し、雪に血が滲んだ様な美しいみぞれ鍋にして食べました。

 十六歳になった今では、身の丈(身長)十七尺(5m)重さ(体重)千斤(600kg)になりました。

 どこに出しても恥ずかしくない立派なお姫様です。


 彼女は右手に四百斤(240kg)蛇矛(だぼう)を持ち、左手に三百斤(180kg)青龍偃月刀せいりゅうえんげつとうを握ります。

 それらを自由に振り回す様子はまるで雪の結晶のようでした。

 彼女が通った後の新雪は紅く染まります。

 その様子(美しさ)を、人々はまるで白雪姫のようだと噂したものです。


「『れでぃ』の前ですわ! 『まなぁ』違反!」


 彼女は怒鳴ります。でも理不尽に怒ったことはありません。マナーに厳しいだけなのです。

 今さっき怒鳴ったのも、無礼にも龍が目の前を横切ったから手討ちにしただけでした。


 彼女は西へ東へと大陸狭しと駆け回ります。

 そして多くの国々を滅ぼしました。

 無数の敵を討ち倒し、やがて全ての国を滅ぼしました。その時、彼女は深く悲しみました。


「美人薄命」


 白雪姫の座右の銘です。

 白雪姫が大陸を彷徨ったのは「美人薄命」を求めたからです。

 しかし、死の運命さえも彼女を恐れて、結果的に大陸が統一されました。敵がいなくなってしまったのです。

 

 だけど、白雪姫は明るく前向きな女の子です。そんなことではめげません。

 彼女は白象に乗っています。この象は海の向こう、外国からの贈り物です。

 象がいる国ならば自分に「美人薄命」を与えてくれる運命の人(白象に乗った王子様)がいるに決まっている!


 彼女はそう夢見ました。


 なにしろ、彼女はまだ十六歳の乙女です。どんなに美しく、どんなに立派でも、まだまだ恋に恋する年頃なのですから。


 国の人々を動員して大きな船を造らせることにしました。大海原へと漕ぎ出し、自分と(白象に)まともに(乗った)戦える相手(王子様)を求めることにしたのです。

 そんな彼女にとって、龍を倒すことなど、暇つぶしにもなりませんでした。







 白雪姫の武力(美しさ)に王は屈伏し、女王は現実逃避の日々を過ごすことになりました。


 今日も女王は鏡に問います。


「鏡よ、鏡。この世で一番美しいのは誰?」


 鏡は答えます。


「それは女王――」

「ちょっと待って!」


 ドアが蹴破られました。白雪姫がやったのです。

 白雪姫は青龍偃月刀を背負い、右手に蛇矛、左手に龍の首を持っていました。


 女王はいきなりのことに声も出ず怯えました。


「お久しぶりです、お母様」


 雪の様に白かったドレスは、紅く染まっていました。

 白雪姫は蛇矛を壁に立て掛け、無遠慮に椅子に腰掛けました。椅子は軋みますが、白雪姫は気にせずに龍の首を机に放り投げました。


「お土産ですわ。美容にいいと聞きました」


 龍の眼球を抉り出し、拳の大きさほどのそれを口の中に放り込みます。生のまま数度咀嚼された眼球は、やがて飲み下されました。


「眼は『こらぁげん』とか言うものが多いと聞きましたわ。これが『がぁるずとぉく』って言うのね」


 白雪姫はそう言って嬉しそうに笑うと、腰に結んだ三尺(1m)の酒瓶を口に運んで口を漱ぎました。

 そして楽しそうに鏡に近寄ります。


「鏡よ、鏡。鏡さん。この世で一番美しいのは(だぁれ)?」


 有無を言わせぬ迫力がありました。


「それは女王――」

「え? なに? キコエナーイ」


 白雪姫は青龍偃月刀を振り回しました。青龍偃月刀は横にいた女王の鼻先で止まります。女王は驚き、その場に座り込んでしまいました。


「あら? お母様、そこにいらしたのですか?」


 白雪姫は興味なさそうにそう言うと、お酒を一口含みます。そして再び鏡に質問します。


(美しいの)は誰なのかしら?」


「……それは白雪姫様にございます」


 鏡の答えに満足したのか白雪姫は頷きました。そして机に戻ると龍の残った眼球を抉り出します。


「お母様もどうですか? 私の様な美人になれるかもしれませんよ?」


 白雪姫は小さく笑って続けます。


「若さは無理ですけど」


 白雪姫は、立ち上がれない女王の口元へその目玉を押し付けました。


「や、やめて!」


 女王は精一杯の抵抗をします。白雪姫は、可愛らしく小首を傾げて手を止めました。


「こんなに美味しくて肌にも良いのに。勿体ないなぁ」


 そう言って目玉を掲げ、口元に落としてそのまま飲み込みました。


「向こうに行って! はやく! もう嫌!」


 女王は泣きそうに叫びました。


「追放ですか?」


 白雪姫は酒瓶を片手に満足そうに頷きます。


「うん。これは試練。これは『覚醒いべんと』ってヤツね!」


 白雪姫は楽しそうでした。


「でもお母様、知っていますか? 追放された人が、実は陰で支えていた――そんな話を。私が去った後、この国は大丈夫かしら? 征服した国々が蜂起したりして」


 女王は「それは貴女が平和に暮らしていた人々や、友好的だった諸国を蹂躙したから」と言いたかったのですが、なにも言えませんでした。


「でも、若さへの嫉妬や美しさを羨む気持ちは、同じ女として理解もできますわ。今日から母でも娘でもありません。追放、わかりましたわ。あぁ、これが『ざまぁ』って奴ね」


 白雪姫は豪快に笑いました。そして部屋だけでなく、城、さらには国をも後にしました。



 城を追い出された白雪姫は、とある森に辿り着きました。


 象を止めるとヒラリと降り、地面を揺らしました。


「感じる……。感じるわ。私を見つめる熱い視線。匂う。匂うわ。血と死の匂い。あぁ美人薄命の宿命。追放されても、なお死と男は私を放っておかないのね」


 白雪姫ははにかんだような笑みを浮かべると森の方々を指差し数えました。


「一つ、二つ、三つ……」


 楽しそうに笑いながら、七つで指を止めました。


「さぁ、私に死を! 血を! 戦いを! 美人薄命の運命を!」


 白雪姫は無防備に両手を広げ挑発しました。



 これに応じる様に、木陰から七人のイケメンが現れました。


「なんで攻撃しないの? (美人)はここよ? もう諦めたならお別れね」


 白雪姫はがっかりした様子で両手に武器を持ちました。

 男たちは慌てて土下座しました。


「なにとぞ、なにとぞお許しください。白雪姫様がどれほど凄まじい戦士か、戦場で目の当たりにしております。私たちはなんとか(ここ)に落ち延びたのです。静かに平穏な暮らしをすることだけが望みなのです」


 命乞いに構わず白雪姫は命じます。


「武器を手にしなさい。欲しい物は自分の手で勝ち取るものでしょう? 平穏な暮らしが欲しければ私を討ち取りなさい。(美女)を目の前にしても動かない草食系男子はモテないわよ」


 白雪姫は『ウィンク』をしました。しかし、小人たちに反応はなく、土下座したまま顔を上げません。


「冗談を言わないでください。白雪姫様がどれほどの者か私たちは嫌というほど知っております。私たちがどうにかできる相手ならば既に攻撃しています。平和な暮らしが許されないのならば、いっそ御手討ちにしてください」


 白雪姫は大きな溜息をつきました。そして象に跨ると男たちに声をかけます。


「私は追放されたのです。小人さん、今晩は泊めてくださいな」


 男たちは「白雪姫(アンタ)大きい(デカすぎる)だけだよ」と思いましたが、口に出すことはできません。一同は逆らうことができず白雪姫を隠れ家へと案内することになりました。


 

 自身の薄命を()信じる凶獣()から人々は解放され喜びました。城下町は日夜祝宴の大騒ぎです。喜びの声と乾杯の音がそこら中で響き渡ります。


 しかし、城内にまでその様な明るい喧騒が届いても、女王の心は晴れません。

 白雪姫の残した言葉が暗い澱の様に心の奥底に沈み拭い去れずにいるのです。


「もし白雪姫が私たちを、この国を攻撃したらどうしましょう?」


 この国も白雪姫が蹂躙してきた国々の一つになってしまうのではないか? あるいは暴力からの解放(白雪姫がいないから)と、人々が蜂起するのではないかと心配しているのです。


 女王は自問します。

 この国には争いを望む人などいませんでした。白雪姫が勝手に暴れ、友好国も何も関係なく滅ぼしてしまったのです。

 しかし、その様な言い訳が通用するでしょうか?

 どんなに謝罪し、補償を示したとしても許されないことでしょう。それでも許してもらえるかは人々が決めることなのです。


「鏡よ、鏡よ。この国を滅ぼすのは誰ですか?」


 鏡は答えます。


「この国を滅ぼすのは白雪姫です」


 女王は覚めました。

 必ず、かの乱暴狼藉の姫を除かなければならないと決意しました。

 女王には戦いがわかりません。

 女王は城の貴人です。

 鏡と話し、白雪に怯えて暮らしてきました。

 けれども、邪悪に対して人一倍の勇気を持って立ち向かう気になったのです。

 

「いかに白雪が豪傑でもやってみせる。刺し違えてでも倒してみせる。その後、この国が滅ぼされても構わない。他の国、その地に住む人々にそれだけのことをやってきたのだから。あの様な悪魔を生みだしたのは、私達――いいえ、私の罪なのです」


 そよ風を受け微睡んでいる白雪姫は聞きました。


「どう? すごい美人()に仕えられて幸せ?」


「仰る通りでございます」


 第一の小人は大団扇で扇ぎながら答えました。

 その表情には日々の疲れがありありと見て取れます。


「あなた達に家のことは全部やるからってお願いされて、仕方なくいてあげているのよ。ありがたく思いなさい。お塩を舐めてお酒を飲む。百薬の長とはよく言ったものね。この辛気臭い場所の邪気を払うにはこれが一番よ。お酒も飲めない小人(のぅむ)さん達こそが邪気そのもの、本当は悪魔なんでしょう?」


 白雪姫は第二の小人にお酌をさせ、杯代わりの大皿に波々と注がれた酒を一気に飲み干しました。


「大変です! 領主が兵隊を率いてやってきました!」


 第三の小人が慌てて飛び込んできました。白雪姫は大笑いです。


(美人)がいるとの噂を聞いたのでしょう。権力者は金と女と権力にしか興味がなくなるようですね。美人というものはそれだけで罪を呼び込んでしまうのね」


 白雪姫は呆れた様に言いました。


武器(得物)を持ってきて」


 第四の小人は『白いどれす』を運び、第五の小人は青龍偃月刀を背負い、第六の小人は蛇矛を引き摺り、第七の小人は白象を牽いてきました。


 白雪姫はこれらを奪う様に手に取ると、象に跨りました。


「お昼までには戻ってくるわ! ご飯を用意しといてね!」


 そう言い残すと、風のように去って行きました。




 領主は150人の兵隊を率いてやってきました。


「憐れと思って見逃してきたのに」


 領主は残念さ、悔しさ、怒り、それらが混じった口惜しさで呟きました。

 領主は、森に旧王国の王族一党が落ち延びてきたことを知っていました。彼らを白雪姫に滅ぼされた被害者だと思い、見て見ぬふりをするだけでなく、様々な便宜も図ってきたのです。そして、落人達もそれに応じる様に静かに暮らしていました。


 しかし、最近になって彼らは盗賊の様になりました。近隣の村や行商人を襲うようになったのです。

 領主は、彼らは白雪姫が去ったのを知り、国の再興を企んでいるのだと思いました。

 白雪姫の酒食を賄うために略奪をしているなどとは夢にも思いませんでした。

 こうして領主も白雪姫の災禍(魅力)巻き込まれた(魅了された)被害者(一人)となるのです。

 

 領主のもとへ、斥候が慌てて戻ってきました。その斥候の後ろには巨象に跨る巨影(美女)が迫っています。報告を待つまでもなく、全員が察しました。


 白雪姫は白象に括り付けた銅鑼を打ち鳴らします。そして蛇矛と青龍偃月刀を手に取りました。


「近くの者はこの姿をみなさい! 遠くの者はこの声を聞きなさい! 私の『ぼでぃます指標(びいえむあい)』は23よ!」


 白雪姫は「太ってないわ! 標準体型(人並み)です」と言って一気に速度を上げました。


 白象に跨り、『白いどれす』を纏う巨影(美女)。誰もが一目で白雪姫だと分かりました。ただそれだけで軍勢は恐慌に陥り崩壊しました。


 しかし白雪姫は止まりません。紅い肉片が雪の様に降り積もるまで。




 『白雪姫が現れた』


 虐殺の報せに国中は暗く沈みました。

 国民は『白雪姫が大人しくしているはずがない』と頭の中ではわかっていました。

 しかし、大人しくなると期待して、人々はしばしの夢に浮かれていたのです。


 世の中が失意と絶望の海に沈む中、女王は一人諦めず流れに抗うことを決めていました。


「この様な不幸は今後も続くでしょう。それも、より大きく激しい被害で」


 女王は深く悩み、憂いました。そして、この様なことは二度と起こさせてはならないと、そのように強く決意をしました。


 雑兵も名だたる勇士も龍も違いはなく、一刀のもとに切り伏せる白雪姫。その白雪姫に、か弱い女王が挑もうとしたのです。


―――――


「女王様、こちらです」


 第一の小人が女王を先導しました。

 領主の軍勢の悲報を聞いた女王は小人たちと連絡を取り、彼らを援助し盗賊業から足を洗わせました。

 そして、怯え迷う彼らを励まし、勇気づけました。ついには、小人たちは女王に心服し、彼らも覚悟を決めたのです。


 隠れ家からは辺りに大きな鼾が響いていました。

 大酒を飲んだ白雪姫が昼過ぎても寝ているからでした。


 小人たちと女王は黙って頷き合い、家に火を放ちました。

 炎は白昼でもわかるほどに明るく燃え上がりました。小人たちが事前に油を撒いていたのです。

 小人(落人)たちは二度目の落城を迎えました。しかし、彼らには一度目の落城と違い悲しみも無力感もありません。そこには決意と覚悟に満ち、責任と使命を果たした漢たちの顔がありました。


「う〜〜ん! 美人薄命~~~っ!」


 炎の中から、伸びをしながら大あくびをする白雪姫が現れました。


「あら、お母様? 没落? 没落したの? 『ざまぁ』見たの? 今さら戻ってきて欲しいと言っても、もう遅いわ」


 白雪姫は寝ぼけ(まなこ)を擦り、気怠そうに体を掻きました。

 小人たちは落ち込みました。


「あら、お昼から『きゃんぷふぁいあ』をしてたの? 私を除け者にしてズルいわね」


 白雪姫は、ようやく隠れ家が燃えていることに気がついた様子でした。


「……食べませんか?」


 女王は白雪姫に籠を差し出しました。


「あら! 美味しそうな林檎! 今日はまだ何も食べてなかったのよ。流石はお母様! 離れていても親子ですわね!」


 白雪姫は林檎を丸ごと口に放り込むとバリバリと噛み砕きました。籠一杯にあった林檎はあっという間になくなりました。


 女王は怯えながらも様子をうかがいました。


「それで……調子はどう?」


 白雪姫は、娘を心配する母親の様子に微笑みました。


「あら、お母様、体を心配してくれるの? 昨日のお酒が少し残っているけど問題ありませんわ」


 白雪姫はお腹を叩いて快調ぶりを示しました。


「そ、そうですか。それで……林檎はどうでした?」


 白雪姫はウンウンと頷きました。


「そうですわね。舌に刺激があって面白かったですわ。あんなに美味しい林檎は初めてでした。母親の愛情、確かに味わいました」


 白雪姫はそう言うと横になり、「二日酔いにはやっぱり『ふるーつ』ね」と再び鼾をかき始めました。


 女王は小人たちに家の再建費と今後の白雪姫と彼らの生活費を渡すと肩を落として去って行きました。





 白雪姫は今朝も槍を投げています。ここ数日の日課です。

 白雪姫が掌を上に向けると小人たちが新たな槍をそこに載せます。

 そして再びそれを投げました。

 槍の向かう先は地平線の遙か先にあるお城です。

 

「もう、許されては如何ですか? 父上様と母上様なのですよ」

 

 見かねた小人は白雪姫を諫めました。すると白雪姫はその頭を握って押さえ込みました。

 その小人は自身の死を感じました。


「私達は親子なのよ? お母様は過ちを認めて林檎を持って仲直りしにきたの。娘としては許すべきじゃないのかしら? これは娘から両親への愛。『もーにんぐこーる』なのよ。いつまでも恨んで縁を切れ、復讐しろとでも言うの? それは人として失格だわ」


 白雪姫にだけは人の道を説かれたくない――小人たち一同は、心の中でそう呟きました。


「お風呂は沸いたかしら? 朝風呂に浸かりながらお酒を飲む。ちょっと贅沢過ぎるかしら? 覗いちゃダメよ」


 一生風呂に入ってろ。二度と出てくるな。

 小人たちはそう念じましたが、口に出すことはありませんでした。



 その様な暮らしをしている白雪姫に人が訪れたのは夕方のことでした。

 

 ほろ酔いの白雪姫に現れたのは、海の向こうの国からの使者でした。


「天を突く巨人『白雪姫』が、死地を求めて船を造らせている」


 そんな噂は海の向こうにまで伝わっていたのです。

 使者は友好(手出し無用)を求めてやってきたのです。


「初めまして、白雪姫様。お名前は海を越え我が国にまで伝わっております」


 若く美しい使者に対して白雪姫は質問をします。


「あなたは王子様なの? 私を求めて海を越えてきたの? 私が欲しいの?」


「いいえ! 滅相もあり――」


 白雪姫は答えを待たず使者を担ぎました。


「いいわ。王子様に攫われてあげる」


 そう言って象に跨りました。


 小人達は泣きました。これで白雪姫が去ってくれると思ったのです。

 嬉し涙で白象に乗ったお姫様と担がれた使者(王子様)を見送ろうとしました。


「小人さんたちも一緒に行きましょう。街は良いところよ。こんな森の中と違って酒も食べ物も女も金もあるの。奪い放題よ。小男(ごぶりん)ってそういうのが好きなんでしょ?」


 小人たちが愕然とし失望するのも構わずに白雪姫は続けます。


「海の向こうってどんな場所なのかしら? 美人薄命()の終焉の地なのかしら? 楽しみだわ」


 白雪姫は理解したように頷きます。


海の向こう(ゔぁるはら)で……

『すぱだり』に、溺愛される、『すろうらいふ』。

この美人、薄き命の、尽きるまで。

追放者(母上は)、鉄の靴を、履かされ、踊らされ、『ざまぁ』を見るかな――そういうことね」


 白雪姫は豪快に笑いました。

なんか少し違う気がするのは中国版だからですかね?

流石は中国!

でも、よく考えたら白雪姫をちゃんと知らないから間違いがわからないんですよね。

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