表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
53/77

最後の言葉

 (あわ)ただしい中で日が過ぎていく。母の変化もなく、何か得る物もない。

 ただ母のそばで話していられることが、不幸中の幸いのような気がしていた。


 登山の約束の日。

 朝10時に待ち合わせなのだが、出かける時になって、何となく依入は母の顔を見に行きたくなってきた。

 遅れちゃうかな……

 そう思いながらも依入は本間病院の方に向かう。

 母の病室に直行した。

「こんにちは」

「あぁ、依里さん、いらっしゃい……あら?どこかに出かけるの?」

「えぇ、友達と山登りに」

「あらそう、いいわね」

「ええ……あの……行ってくるね……お母さん……」

「え?」

「なんでもない。じゃあ行ってきます」

「あら、もう?」

「友達が待っているから」

「残念ね。じゃあ気をつけて、行ってらっしゃい」

 送りだす声が母の声であることを感じつつ、依入は寂しさが滲んで仕方がなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ