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依里と依子
母に歓迎された。
もちろん、娘としてではないが、それでも大分、気分が楽になっていた。
「依里さん、いつも悪いわね」
「いえいえ、仕事みたいなものですから」
「この仕事は長いの?」
「そうでもないですよ」
依子はぱっと顔色を明るくして、話し始めた。
「そういえば、昨日、男の子が生まれたのよ。夫の名前を取って快里って名付けたの……」
母は事ある毎に、男の子が生まれた話をする。毎日、毎日、母の頭の中では快里という男の子が生まれていく。
快里って名前を付けたの……
快里君とは直接関係ないのかもしれないけれど、奇妙な嫉妬をしてしまう。
そういえば、快里君の話をしてから特におかしくなっていった。どんな関係があるかわからないけど、後でお兄さんと快里君に話しておいた方が良いのかな……。
「ねぇ、依里さん。それでね……」
依入は苦笑いをしながら話し相手を続けた。




