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第120話 雄二への説明


 週末。雄二とのグランピングの日となり、車で数時間走って目的地へと向かった。


「よし、到着だ。富士山が見えるいい景色だなあ」


「キュキュ」


 施設の駐車場へと車をとめる。だいぶ都会から離れてきたこともあって、ここからは富士山がよく見えた。


 幸い天気にも恵まれたようだ。天気ばかりはどうしても運任せになるからな。


「それにしてもあの高速道路とかいうやつはおっかなかったな。ケンタの世界では車が当たり前なのは知ってるけど、速すぎるだろ……」


「飛行魔法よりも全然怖い……」


 ヴィオラとリリスはというと、道中の高速道路にだいぶ驚いていた。初めて高速道路を走るとあんな反応になるようだ。ヴィオラも珍しく車内では口数が少なかった。


 確かに車も怖いが魔物の存在する空を飛行魔法で飛ぶ方が怖かった気もするけれど、それは俺が車に慣れていることもあるのかもしれない。


「雄二は先に到着して受付もすましてくれたみたいだ。それじゃあ改めてだけれど、基本的に魔法は使っちゃだめだよ」


「了解」


「ああ、わかっているぜ」


 今日一緒に過ごすのは俺の友人である雄二だけれど、異世界のことは秘密だ。いずれ話すことになるかもしれないけれど、今はまだ内緒である。


 こちらの世界で泊りがけの遠出をするのは初めてのことだし、他の人にバレてしまわないように気をつけなければ。




「随分とお洒落な建物だな」


「キュ♪」


 受付で駐車場の番号を伝え、俺たちの分もチェックインをする。コテージの番号を聞いてそこへ向かうと、ドーム状のお洒落なコテージが姿を現した。


 もちろんベッドや調理道具なども揃っており、購入しようと思えば食材なんかもここで購入できるため、完全に手ぶらで来ることが可能なのはグランピングの良いところだ。もちろんその分ホテル並みの値段はするが。


「雄二、お待たせ」


「久しぶりだな、健太。ハリーも元気か?」


「キュキュ」


「相変わらずハリーは人懐っこくて可愛いな」


 コテージの中へ入るとすでに雄二がくつろいでいた。俺たちが中に入ると出迎えてくれ、ハリーの頭を撫でる。うむ、うちのハリーはとっても可愛いのである。


「……おっと、その2人が電話で言っていた子たちか」


「ああ。海外からうちに()()()()()()しに来ているリリスとヴィオラだ」


「……はじめまして」


「ヴィオラだ、よろしくな」


 そう、雄二には2人のことを海外から日本のことを学びに来た留学生ということにしてある。


「沖田雄二です。こちらこそよろしく頼む。……健太、ちょっとこっちに来てくれ」


「ああ。みんなは先にゆっくりとくつろいでくれ」


 このコテージの寝室は2部屋あり、こっちの部屋には俺と雄二とハリーで泊まり、リリスとヴィオラには別の部屋で寝てもらう。雄二に呼ばれて寝室へと移動した。


「……おい、海外からの留学生が来ているとは聞いたが、女の子だとは聞いていないぞ?」


 そういえば雄二には留学生が来ていると伝えたが、女性だとは伝えていなかったか。まあ、普通に海外からホームステイに来ていると言えば、男性を想像するだろう。こちらもどういう設定にするか迷っていたため、結局当日まで話せなかった。


「俺の方もだいぶ驚いたんだよ。友人からホームステイ先を頼まれて部屋も余っているから受け入れたら、まさかの女性だったんだ」


 みんなにはそういうふうに設定をしておいた。雄二に嘘を吐くのは申し訳ないが、異世界のことは言えないからな。


「マジかよ、いや健太ならそういう心配はないだろうけれど、よく女性を2人も受け入れたな。彼女になんて言おう……」


「そうか、そっちは考えていなかった。すまん、あれだったら俺や2人で説明するよ」


「そうだな、今から連絡してみる。たぶん大丈夫だと思うけれど、もしも説明を求められたら頼む」


 雄二は俺と違ってイケメンだから彼女がいてもおかしくなかったか。たぶん俺が彼女とかの話をしたことがないから、前に来た時は俺に気を遣ってあえてその話はしなかったのだろう。


 俺には彼女なんていたことがないからそのことは失念していた。確かに寝室は別とはいえ、別の女性と一泊するのはあまりよくないことかもしれない。


 雄二はその場で彼女さんに電話をし始めた。


「……健太、もしかしたらだけど、今度彼女と一緒に健太の家にお邪魔しても大丈夫か?」


「ああ、もちろん構わないぞ」


 彼女さんと連絡をしながら、俺に聞いてくる雄二。そのあと少し話したあとに電話を切った。


「今日は大丈夫だったけれど、流れで今度そっちにお邪魔するという話になってしまった。実は前にハリーの写真を見せたら彼女も会いたいと言っていて、今日も一緒に来たいと言っていたんだ。さすがに今回は女性を連れて行くのはまずいかなと思って遠慮してもらったんだが、健太の家にも女性がいるなら大丈夫だろうってさ」


「キュウ?」


「そういうことなら大丈夫だ。いろいろと気を使わせてすまなかったな」


 そういえばこの前にハリーの写真を撮っていたっけ。雄二以外の人に2人を会わせるのは少し微妙だけれど、説明していなかった俺が悪い。2人にはあとでお願いしよう。


 ……ハリーに会いたいということだが、もしかすると彼女さんの牽制だったりするのかもしれない。もちろん親友である雄二が浮気なんてしない性格だということはわかっているが、向こうはそれを知らないだろうからな。


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