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武器、魔道具等

 日常から戦場まで、魔法の存在が欠かせないこの世界では、魔法を付与された魔道具というアイテムが広く普及している。その魔道具に高度な機構を施し発展させたのが魔導機器、それを兵器化したものが魔導兵装である。元々、超文明国家であるカルティアによって開発、他国へと広められた魔導機器や魔導兵装だが、アルハーン・リ・ディア・バーンクライブスの推し進める産業革命と魔導機械化構想により急速に文明レベルを高めるバーンクライブ、さらに異世界人のアキヒトやヒカリらによって現代世界の知識がもたらされ、それを再現する天才技術者マリ・ジュヴィラメリンによって開発された兵器を量産したディエビア連邦が、次々と新たな発明品の実用化に成功。さらに、魔族の台頭やティファニアによる王耀晶(ヴェリスティザイト)の大量生産化がそれまでとはまったく異なる兵器を生み出していく。

 以下に紹介するのはそんな世界の人間たち、そして異世界人たちによって使われた武器や道具の数々である。なお、紹介するのは本編登場順。未読部分はネタバレになるので閲覧の際は要注意。



 制魔鋏絞帯(せいまきょうこうたい)……家畜や人間、捕獲した魔獣などを拘束、行動を制限する魔道具で、本編では強い力を持った異世界人の行動を制限するためにも用いられている。金属製の肋骨のような見た目の装置で、腹部を挟み込む形で装着する。符丁(ふちょう)ひとつで腹を絞め付け、付与された魔法の効果もあり実際の身体的負担以上の苦痛を装着者に与える。符丁は重ねるほどに効果を増し、本編ではトリヴィアが泡を吹いて倒れるほどの効果を発揮している。


 鍛造(たんぞう)の片刃剣……ミツキがイリスに紹介された鍛冶屋に発注し、最初に使った武器。鍛造品ゆえかなり頑強に仕上げられている。


 鉈刀……あまりに腕力が強すぎるため、大抵の得物はすぐに壊してしまうトリヴィアのため、上記の鍛冶屋がほとんど苦肉の策で制作した巨大な鉈。成人男性の背丈ほどの刃渡りで、刀身も非常識なまでに肉厚。常人では持ち上げることさえ難しいが、トリヴィアは自在に振り回すことができる。


 鎧布(がいふ)……この世界の武人や兵士が身に着ける対魔法防御用の布。鉄をはじめとする金属は魔法防御に不向きな素材ゆえ、魔法攻撃が飛び交う戦場では、物理的な攻撃から身を護る鎧とは別に、魔法を防ぐ防具が必要となる。そこで魔力を通しやすい素材で織られ、防御用の魔法を付与された布を鎧布といい、マントや鎧の前掛けなどとして装備される。


 ペルの短刀……第17副王領(アタラティア)の開拓村に住む少年、ペル・クロッソ

の家宝。紆余曲折あってミツキの手に渡ることとなり、彼の命を幾度も護ることとなる。


 超拡魔導(ちょうかくまどう)収納器(しゅうのうき)……水筒程度の大きさの容器に、大量の物資を収納できる魔道具。ただし入れられるのは容器の口より小さなものだけなので、水や穀物などの食料の運搬に使われることが多い。物語の途中から、ミツキは戦闘に用いるある素材を大量に携行するため複数の超拡魔導|収納器を装備することとなる。


 ティファニア民兵軍の制服……ティファニアがとある国から侵略を受けた際、サルヴァ・ディ・ダリウスが国王に無断で集めた民兵の装備品として、ミツキがデザインし、イリス・ゾラの商会に量産させた軍服。カルティア人の研究者、リズィ・モーヨンの考案した技術を取り入れた鎧布で作られており、見た目通り布のコートとトラウザーの軽さと動きやすさでありながら、金属の鎧以上の防御性能を誇る。


 耀晶刀(ヴェリスサージュ)……リズィ・モーヨンの手で制作された十二対、二十四本の宝剣で、とある国との戦に出征するミツキに、ドロティアから下賜(かし)された。日本刀によく似た形状で、タンザナイトのような深い青に透き通った王耀晶でできており、(つか)は細い金属が葉脈のように(なかご)の部分を包んでいる。刀身には〝不壊〟と〝両断〟という二種類の魔法が付与されているので、切れ味は極めて鋭く、どれだけ使っても刃こぼれひとつしない。また、一対の刀を柄尻の金具で繋ぐことができ、ミツキはそれを回転させながら飛ばす技に〝飛円(ひえん)〟と名付けている。


 王耀晶(ヴェリスティザイト)の指輪……耀晶刀を制作した際に余った王耀晶の端切れで造られた指輪。使われている王耀晶の質量の問題から、付与できる魔法はひとつだけ。


 王耀晶のタブレット……ティファニア軍で運用される情報処理装置。特殊な魔法を付与した兵士の視覚を、後方本陣の将官が確認し戦況を把握するといった用途などに使われる。

 

 龍骨鞭(バラウ・スケイラ)……シェジア・キーフェが愛用する、背骨に似た見た目の鞭のような武器。実際に素材として一角地龍(モルノバウロズ)という魔獣の脊椎(せきつい)が用いられており、この魔獣ならではの異常に伸びる椎間板(ついかんばん)の特性を残していることで、大きく伸縮する。


 打刀……ミツキがブリュゴーリュの鍛冶職人に再現させた日本刀。ある時期からジャメサ・カウズが好んで使うようになり、後にトモエにも支給される。


 ライフル……アキヒトの現代知識からマリ・ジュヴィラメリンが再現した兵器のひとつで、ディエビア連邦革命軍兵士の標準装備。この世界には火薬が存在しないため、魔法を利用した特別な機構で設計されている。革命軍の後ろ盾となったバーンクライブ軍でも量産、配備が進められており、第三世代魔導兵装に位置付けられている。


 拳銃……アキヒトの現代知識からマリ・ジュヴィラメリンが再現した兵器のひとつで、フレデリカの要望で開発され、彼女のメインウエポンとして運用されるほか、一部の将官にも配布されている。革命軍時代のフレデリカの拳銃はリボルバーで、〝コルト・シングル・アクション・アーミー〟という実在の銃がベースとなっている。後に彼女は、〝マテバ モデロ6 ウニカ〟という半自動拳銃をイメージして設計された新しい銃を得ている。


 水銀弾……フレデリカが使用する強力な拳銃の弾。命中すると弾頭から超高速の水銀が飛散し、対象の内部で葉脈状に広がり破壊する。


 ショットガン……フレデリカのサブウェポン。水平二連式で銃身は切り詰められている。


 ボウイナイフ……フレデリカのサブウェポン。二本装備している。


 デリンジャー……フレデリカのサブウェポン。ブーツのサイドポケットに仕込んだ単発式の小型拳銃。


 手榴弾……アキヒトの現代知識からマリ・ジュヴィラメリンが再現した兵器のひとつ。フレデリカや歩兵など、革命軍の兵士が幅広く携行している。


 長巻(ながまき)……トモエの主要武器。太刀と薙刀の中間のような見た目で、刀としては短い刃と長い柄が特徴。


 爆撃機……アキヒトの現代知識からマリ・ジュヴィラメリンが再現した兵器のひとつ。強力な殲滅(せんめつ)力を持つ革命軍の切り札。


 輸送車両……アキヒトの現代知識からマリ・ジュヴィラメリンが再現した魔導機器。爆撃機を分解して輸送するために開発されたものであり、かなりの重量を積載できる。


 月穿(ガツエン)……アキヒトがマリに開発させたもうひとつの切り札。連射性に優れた機関銃だが、一番の特徴はその弾丸で、着弾と同時にその周囲を球状に消し飛ばす。これは転移魔法を魔道具に付与しようとしてできた副産物であり、弾丸によって消し飛ばされたものは、実際には遠くへ転移させられている。といっても、転移する範囲はバレーボール程度なので、人体が一発でも受ければ高確率で致命傷を負うことになる。


 鉄騎(てっき)……アルハーンがアキヒトから得た知識を基に開発させた戦闘用の大型バイク。オフロード仕様であり、道なき大地を越え、高速で他国へ侵入することができる。魔閃砲を搭載しているほか、近接武器として搭乗者の足元に斧が収納されている。


 魔閃砲(ませんほう)……バーンクライブ軍の第四世代魔導兵装。鉄騎の付属兵器で、魔力を束ねてビームとして放つ。極めて高威力の射撃武器だが、その分魔素の消費量も大きく、使用するには鉄騎の魔導炉からエネルギーを得る必要がある。そのため、鉄騎との併用が運用の条件となる。


 空中要塞……ザーラスの地下にて建造されたバーンクライブの秘密兵器。その名の通り空を飛んで移動する軍事拠点であり、数千人規模の兵を収容し、要塞そのものも大型の魔閃砲を複数搭載する。この世界を平らかにするという己の理想を実現するため、世界を征服する目的でアルハーンが開発した。実際、航空戦力という概念のないこの世界で、この空中要塞に対抗できる国は存在しない。


  北の竜の雲(ゲール・ズ・ゾラ)……バーンクライブが建造したふたつの空中要塞のうちのひとつ。四千人規模の兵員を収納でき、補給なしでも三十八日間の航空が可能。


  小竜のはぐれ雲(ゲール・ベ・イータ)……バーンクライブが開発したもうひとつの空中要塞。こちらは試作実験機で搭乗人数は千五百人。〝北の竜の雲〟よりも小型で武装や設備も簡略なものとなっている。


 刻印式魔導支援装置……バーンクライブがはじめて開発した第一世代魔導兵装。通称〝杖〟。呼び名の通り杖のような形状で、魔力を込めることで先端についてる魔石から事前に付与されていた魔法が放たれる。魔法を習得していない兵士でも扱えるうえ詠唱を省略することができる。


 速射弩……バーンクライブが開発した第二世代魔導兵装。弾倉に複数の矢をセットし、付与魔法の補助により瞬時に弦を引いて発射することのできる弩弓。それまでの魔導兵装が魔法の補助に機械を用いるという構想で設計されていたのを、機械の補助に魔法を用いると発想を転換させた最初の兵器として、極めて革新的な発明品。


 魔導反応装甲……カルティア製の魔導兵装。魔素の込められた特殊な素材で作られており、魔法を食らうと同程度の量と波長の魔力を放出し、威力を相殺する鎧。将校用の高級品。


 雷獣の槍(ゼルセズ・ランティア)……フュージ・ディッツが素材採取のため闇地へ潜って三年、手に入れた素材を加工し、最高の武器を作ってくれる職人に依頼するためハリストンに密入国して一年、四年の歳月と財産の大半を費やして作った愛槍。〝迅雷の祝福者〟である彼の魔法の威力を最大限に引き出すことができる。ミツキに破壊される。



 対魔戦式耀晶刀(ヴェリスサージュ)……対魔族戦を想定しリズィ・モーヨンとマリ・ジュヴィラメリンが共同で開発したミツキ専用の刀。普段は柄のみであり、ミツキが自らの能力で王耀晶の刀身を創り出すと、王耀晶の〝還元〟と再生を同時に行う。常に刀の表面が〝還元〟状態であるため、魔族や魔獣にとっては致死毒の刃となる。


 量産型(ヴェリスヴェ)耀晶器(イプ・ロア)……王耀晶を用いて創られた武器。乙型と甲型の二種類が存在し、それぞれに用途が異なる。まず前者は、魔法を半永久的に留め、強化したうえで使えるという王耀晶の特性を利用し、複数の魔法を付与することで使用者の力を最大限に引き出す武器。対魔族戦のメインウエポンとしての運用を想定されている。後者は、魔法を付与していないプレーンな王耀晶が使われており、武器のタイプも短剣と短槍のみ。柄にトリガーがとり付けられており、引き絞ることで刃を〝還元〟させることができる、いわば対魔戦式耀晶刀の簡易版。魔族にとどめを刺す切り札であり、魔族と戦う連合国軍の兵士にひとつずつ配布されるが、実際には生産が間に合わず配備されていない部隊も多く存在していた。


 乙型の種類と使用者……一般兵用の量産型耀晶器はその名の通り量産品だが、一部の将兵のものは特注となっている。中でも、片腕のないラムドゥール用のオーダー品、耀晶籠手をはじめ、シェジアの耀晶鞭剣、テトの耀晶篭爪なども完全に個人の専用武器として設計されている。また、耀晶典籍は試作的に造られた実験兵器で、魔導書を写すことによりどんな魔法もこれ一冊あれば詠唱無しで使えるという破格の性能ゆえ後に封印されることが決定している。加えて、ハリストンのミラ・シンには、ある取引によって他の耀晶器よりも大質量の王耀晶を用いた武具が贈られており、体内魔素の乏しい彼女の潜在能力を最大限に引き出している。


  耀晶刀(ヴェリスサージュ) / 使用者 ジャメサ・カウズ

  耀晶鞭剣(ヴェリスケイラ) / 使用者 シェジア・キーフェ

  耀晶籠手(ヴェリスドレッタ) / 使用者 ラムドゥール・シャンタッラ

  耀晶戟(ヴェリスヴライデン) / 使用者 フュージ・ディッツ

  耀晶槍(ヴェリスランティア) / 使用者 ティスマス・イーキンス

  耀晶典籍(ヴェリスルテラン) / 使用者 ファン・リズ

  耀晶戦斧(ヴェリスヴァカール) / 使用者 ラース・ヘルツ

  耀晶杖(ヴェリスバロッタ) / 使用者 魔導士部隊

  耀晶剣(ヴェリスセーヴス) / 使用者 ミラ・シン、クリッサ・ディル・ピジャン、ケイミ・セージュetc…

  耀晶篭爪(ヴェリスネローガ) / 使用者 テト

  耀晶長棍(ヴェリストンクゥ) / 使用者 ヴァニ・カッツィオ

  耀晶振子(ヴェリスペリュドゥス) / 使用者 リール・ラル

  耀晶弓(ヴェリスラーチェ) / 使用者 エウル・クーレット

  耀晶大剣(ヴェリスエルセーヴス) / 使用者 アニエル・ブロンズヴィー


  甲型の種類

  

  耀晶短剣(ヴェリスグラヴス)  

  耀晶(ヴェリスセ)短槍(ルランティア)


 対魔戦式耀晶刀弐型……レミリス専用の耀晶器。〝弐型〟と銘打たれているが、ミツキの対魔戦式耀晶刀とはまったくの別物で、彼女の光の剣の出力を大幅に高め、純粋魔素の非実体剣を出現させる。剣はかなり長く延ばすことができ、遠距離から敵を貫くことができる。無論、純粋魔素の剣は魔族にとっては猛毒となる。



 十字の大剣……ディエビア連邦、元革命軍の剣士、ゴドフロワの愛剣。


 ムーンディガー……正式名称は〝月穿(ガツエン)・改〟。アキヒトがミツキとの決闘に用いた〝月穿〟の改修型で、装弾数や連射速度、弾丸の転移範囲の拡大など、全体的に性能が向上している。ムーンディガーというのは使用者であるフレデリカの付けた呼び名。

 

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