五十八話
明日、明後日で、二人の決戦を描きたいので、ちょっと短めです。
「ライアンが負けただけ! エターナは、私と私の国はまだ負けてはいないわ!」
漆黒の巨馬にまたがり、やる気をみなぎらせた瞳を真直ぐこちらに向けたシェリーがいた。
やはり、最後は俺と彼女が決着をつけなくては駄目だろう。
俺は意を決して彼女に向かって叫ぶ。
「シェリー! 俺と一対一で勝負しろ……でも十分だけ待ってくれ!」っと……。
…………二〇分後。
「待たせたな、それじゃあ、勝負といこうか!」
予想以上に準備に時間が掛かり皆を待たせてしまったが、俺は堂々と彼女の目前に姿を現した。
そんな俺の姿に皆は、予想外の口撃で出迎えた。
「あ……あんた……なんてカッコしてんの?」
っとシェリーの言葉を皮切りに、
「テイルさん! 今は仮装なんてしてる場合じゃないですよ!」
真面目な反応を見せるイリーナ。
「ぷっ……ぬし様、それはないのじゃ、それは……ぷぷぷ」
腹を抱えながらも、必死で笑いをこらえるシオン。
「テイルさん……私ちょっと、テイルさんの考えてる事が、良く分からないです」
リュカが両手で顔を押えて首を振った。
「言うな皆! 俺だってそう思っている。でもシェリー相手に、ひ弱な俺はこれぐらいの装備が必要なんだ!」
軽く呪いのかかった――でも巨人の操る大斧の一撃にも耐える、フルプレートアーマー『死神の鎧』
その下に着ているのは、聖なる加護受けまくりの『祝福の衣』
左手には体がすっぽり隠れるほど巨大な、全ての衝撃を吸収すると歌われる『無音の盾』
そして右手には羽のように軽く、俺でも軽々振ることのできる魔剣『翼竜の剣』
さらに予備のために両腰と背中に数本の魔剣、聖剣の類。
一時的に使用者の能力を増大させる魔法の首飾り『命の友』を首にかけ、懐には魔力を封じ込めた護符と数々の回復薬。
休養している間に、女帝に頼み込んで貸してもらった宝具の数々だが…………我ながら実にシュールな姿だ。
「正直……ダサいです!」
「ダサい言うな!」
イリーナの率直な意見に、俺の繊細な心が決戦前にダメージを受ける。
「いや、でもそれは無いじゃろ? ぬし様、それで動けるのか?」
「バカにするなよ! 歩くぐらいは出来るっつうの!」
シオンにどうだとばかりに鈍重な一歩を踏み出す……。
平原に静寂が生まれ、再び心の傷が増えた気がするのは気のせいでは無い。
「と、とにかく、これでお前の相手をしてやる!」
俺は出来るだけ恰好を付けて、シェリーをビシッ! と指さしたのだった。
ブックマークありがとうございます!
第一目標の100まであと62…………が、頑張ります!




