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四十三話

少し短めです。

「済まない……なんか、いろいろ取り乱して……」


 数分か数十分か、ようやく気恥ずかしさと共に冷静になった俺は、うつむきながら頭を下げた。


「そんな! わっちはかまいせんわわよ! そ、それでぬぬぬし様が元気になるんじゃったらですじゃ!」


 変な言葉遣いになりながらも、シオンがさっきまで俺を抱いていた腕を、パタパタと振り回す。

「うん、ありがとう。シオン」

 どこか満足そうなシオンのホクホク顔とは対象に、イリーナとリュカはなぜか不満顔。

 なんとなく理由を聞くと面倒臭くなりそうなので、話題を変えることにした。


「それでリュカ、被害状況は?」


 家族が出来たからって、いつまでも甘えていられない。

 俺は出来立ての家族を守るためにも、状況の確認を急いだ。

 拘束を解かれたリュカは、表情を曇らせながらも現状の説明を始めた。


「我が軍はマモス平原から撤退。敵が途中で追撃を中止してくれたおかげで、当初からいる兵士はほぼ無傷ですが……ベーゼ将軍から吸収した部隊のほとんどが逃亡したと思われます」


「戦力半減か……」


「いいじゃありませんか、気心の知れた元の家族に戻ったんですから!」

 先日、家族が増えたと喜んでいたイリーナが、無理やりな笑顔を作る。

 家族にそんな顔をさせた、あの時の俺を殴ってやりたいが、今は後悔よりやることがある。


 この状況で、どうやってエターナに勝つかだ。


 いや、状況が状況なだけに、撤退も視野に入れよう……。

 俺は今の状況を、昔本で読んだ戦記と照らしあわす。

 さっき言った自己批判の言葉を思いだし、思わず苦笑が漏れそうになるが、開き直る事にした。

 そう。あの男になんて言われようと、俺は俺の武器(知識)で戦うのだ! 


「……うん、決めた! これからしばらく間、我が部隊はエターナを攻略する戦力の再編成をするため休憩と訓練をする」

 

「……このタイミングで撤退せずに休暇と訓練じゃと?」

「エターナが黙って見てるとは思いませんが?」


 シオンとイリーナが眉を寄せた。

 もっともな意見だが、俺には確信があった。


「大丈夫だよ! 別に負けて弱腰になったわけじゃない。むしろ、ライアンが思いもよらない方向で戦略を練り直そうと思ってね。それに基本シェリーは防衛の戦争しかしないんだ。ペラムまで奪還した今なら彼女は無駄に動かないはずだ」


 そして俺は、

「それで……この次の戦いは、お前らにかなりの無茶をさせると思う。だけど……俺のわがままに付き合ってくれるか?」

 シオン、イリーナ、リュカ。

 一人ひとりの顔を、ゆっくりと見回し本音を漏らした。

 俺は彼女らの答えを、ジッと……。


「「「もちろん」」」


 待つ暇もなく、戻ってきた。


 言ってくれるとは思った。

 だが、やはり言葉に、態度にされると嬉しい。


 俺の無謀に、姉妹たちは飛び切りの笑顔で応じてくれたのだ。


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