三十一話
「ハラルが陥落しただと?」
俺はどこかで聞いたようなセリフを吐いた。
「はい! 四国同盟の軍と思われる手勢わずか二〇〇、魔王軍十二将のガッシュ将軍はやむなく撤退されたそうです!」
リュカがそう報告してきたのは、ハラルの防衛をガッシュ将軍の部隊に引継ぎ、次に攻略する予定のケットルシーに向かうべく、広大な平原を進んでいた時だった。
「三〇〇〇の兵で二〇〇の兵も防げなかったのか、あのおっさん?」
「それなんですが……」
呆れる俺に苦笑しながらリュカが経緯を話し始めた。
ガッシュ配下の見張りが、魔王軍の格好をした兵士がリムオの軍に追いかけられているのを発見した。
それを救いに出たガッシュの軍は、その魔物たちに四国同盟軍がハラル奪還のため、大軍で進行中との情報を手に入れる。
そこで情報を集めるとか、守りに徹して救援を求めればいいものを、彼は大軍が集結していると思われる場所にほぼ全軍で奇襲を掛けようとした……。
が、そこには松明や、テントがあるきりで兵はおろか人っ子一人いない。
首を傾げてハラルに戻るガッシュだが、そこにはすでに敵の国旗が城中に掲げられていた。
実は魔王軍だと思って保護した魔物たちは、擬似魔法で変装した人間の騎士だったのだ。
騎士たちはガッシュの部隊が出撃してすぐに、味方を城下に引き入れた。
見事に俺がやった戦法をやり返されたのだ。
そして騙され、全軍を出撃させたガッシュは行き場を失う。
さっさと退却すれば良いものを、往生際悪くガッシュは失態を挽回しょうとハラルの城に攻撃を仕掛けるが手酷い反撃に合い敗走!
というわけだ。
「まったく、魔王軍の大将は、お留守番もろくに出来ないのか?」
こめかみを指で押さえぼやいてみるが、俺の失態では無いのでそれほど悔しくない――しかし。
「シェリーにしちゃ、ずいぶん手際がいいな……」
俺が疑問を靴にすると、
「これは、不確かな情報ですが、敵はケットルシーの王子と、その近衛兵だと思われます」
リュカが口に出す以上、九割がたは確実な情報だ。
「ケットルシーの王子か……まあ、そのうちご対面するかもね」
俺は女帝ティファの言葉を、ぼんやりと思い出し呟いた。
一話からおいおい修正を加えようと思います。
文章的な問題なので、今まで読んだ本筋からは脱線しません! 多分……。
それからブックマークありがとうございます!
人気作家さんとは比べ物になりませんが、一つずつ増えてくブックマークに一喜一憂してます!
些細なものでもいいので、感想もいただけたら嬉しいです!




