表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/108

90 【七騎槍】討伐1

「俺は【白銀槍(シルバーランス)】のリグ! そこにいるのは名高い【黒騎士】か! いざ尋常に勝負――」


 次に現れた【七騎槍】は精悍な顔立ちの青年だった。


 繰り出された槍を、僕は紙一重で見切る。


 そしてカウンターの一閃を叩きこんだ。


「がはっ……」


 短い苦鳴とともにリグは馬上から崩れ落ち、動かなくなった。


 これで二人目撃破――。


 と、その瞬間だった。


「っ……!?」


 背筋にゾクリとした悪寒が走る。


「フラメル――?」


【鑑定の魔眼】を通じて、彼女が追い詰められている気配とかすかな悲鳴が伝わってきた。


 これだけの乱戦だと正確に情報を解析できないけど、たぶん強敵――おそらく【七騎槍】の誰かだろう――に苦戦しているようだ。


「くっ……!」


 僕は馬を全力で駆った。


 フラメルの持ち場である後方に向かい、帝国軍と王国軍が入り乱れる戦場をひたすらに突き進む。


「邪魔だ!」


 立ち塞がる王国兵を容赦なく斬り捨てながら、さらに加速した。


 刻一刻と、焦りが募る。


「もっと速く、もっと……!」


 半ば祈るように馬を駆ける。

 と――、


「あらあら、噂の【黒騎士】様ね?」


 前方に新たな敵の一団が現れた。


 数十人の兵を率いた敵将。


「随分とお急ぎのようですが、ここから先は行き止まりですわ」


 馬上から優雅に微笑んでいるのは、赤と金の二色の髪を長く伸ばした妖艶な美女だった。


 鎧の上からでも分かる豊満な体つきをしている。


「あたしは【七騎槍】の一人、【|青銅槍(ブロンズランス)】のロザーナと申します。お見知りおきを」

「悪いが、構っている時間はない」

「まあ、つれないことを。もう少しお話しませんこと?」


 ロザーナはクスクスと笑いながら、ぱちんと指を鳴らす。


「囲みなさい」


 指示とともに、彼女の周囲の兵たちが一糸乱れぬ動きで陣形を組んだ。


 僕の四方を完全に塞いでいる。


 全員が盾を前面に押し出した防御陣形。


 あからさまな足止めだ。


「――どけ」


 けれど、こんなところで立ち止まっている場合じゃない。


 僕は馬を駆けさせた。


「【テイム】」


 と、ロザーナが魔法を発動した。


 この魔法は、確か――。


「くっ!?」


 次の瞬間、馬の動きが止まった。


「どうした? 早く走ってくれ!」


 僕は馬に問いかけるが、反応はない。


 胴の辺りを軽く蹴ってみても同じだ。


 走ろうとしてくれない――。


「ふふ、いくら無敵の【黒騎士】様でも、馬が言うことを聞かなければどうにもなりませんね。それとも徒歩で進みますか?」


 ロザーナがクスクスと笑う。


「【テイム】の魔法で馬を操っているのか」

「ええ。私が習得している魔法は【テイム】のみですが――戦場においては、こういう使い方もできるのですよ」


 ロザーナはそう言って槍を構えた。


「最強戦力であるあなたをここで足止めしておけば、後は他の【七騎槍】たちが帝国軍を蹴散らしてくれるでしょう」

「……どけ」


 僕は低い声でうなった。


 ロザーナをにらむ。


 周囲の兵たちをにらむ。


「どけぇぇぇぇぇぇぇっ!」


 そして怒声とともに発動した。


 ぴしり、ぴしり。


 同時に兵たちがいっせいに石化し、砕けていく。


「なっ!? これは――」


【石化の魔眼】。


 一撃必殺の威力を有する代わりに、体への負担が大きい。


 けれど、そんなことを気にしている場合じゃない。


 一刻も早くフラメルのところに行かなければならない。


 そのためには足止めなんてされてる場合じゃない。


「術者である君を殺せば【テイム】は解ける――そうだよな?」


 僕はロザーナを見据えた。


 ぴしりっ。


 即座に石と化し、砕け散るロザーナ。


「ふうっ……」


 強烈な脱力感を覚え、僕は崩れ落ちそうになった。


 馬上から落ちそうになったところで、なんとか踏ん張る。


「ぐっ……!?」


 さらに激しい頭痛が襲ってくる。


 視界がぐらつき、立っているのも辛い。


「はあ、はあ……い、今までより反動が大きい……!?」


 戸惑ったところで、僕はハッと気づいた。


「いや、違う――」


 以前、自分自身を【鑑定】したとき、僕の『耐久』が低下していたことを思い出す。


「そういうことか……」


 魔眼の力は強力だけど、その代償は確実に僕の肉体と精神を蝕む。


【魔眼】を乱用すれば、以前よりも大きなダメージを受けることになる。


 下手をすれば、暴走だってあり得る。


「それでも……!」


 僕は痛む頭を押さえ、ふらつく体を叱咤してふたたび馬を走らせた。


 愛しい女性を守るためなら、この程度の反動はくれてやる。


「フラメル! 今、行きます――!」

【読んでくださった方へのお願い】

日間ランキングに入るためには初動の★の入り方が非常に重要になります……! そのため、面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや★で応援いただけると嬉しいです……!


ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!


未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼なろう版『死亡ルート確定の悪役貴族』はこちら!▼



▼カクヨム版です(なろう版より先行公開してます)▼

敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ