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4ー3・北條家


 町外れの、長閑な田舎の場所。

屋敷を出ると自然が豊かで、長閑那だったけれど

北條家は…………セキリュティも厳しかった」










 北條家。

先祖代々続く葬儀屋。

その本家は都心の郊外にある町外れの長閑な田舎に

偉大な日本屋敷を構えている。




 風花は、次期当主になる、という立場から

幼い頃から厳しく躾を受けていた。




それは有無を言わさず、

葬儀の際は関係者に混じってその現場を見詰め、

己の時間等が様無い程の、様々な習い事や塾通い。


 彼女の器が才色兼備である様に加えて

“当主こそ、完璧である様に”と作り上げられたのは北條家の思惑だ。


北條家の後継ぎが

不作であってはならない、という祖父の教えと執着の元に。




『あの子が後継ぎならば、北條家も安泰よね』


『なんでも器用にこなすんですもの。

不安な一つもありませんわね』



風花の持つ器量ならば、将来の北條は安泰。

そう囁かれる一方で


『ロボットみたい。

『子供らしくないし、なにより全てが完璧で

それに欠点がないなんて気持ち悪いわ、不気味よ』



 天秤の様に言葉が左右する。

風花を煙たげるのは人間らしい本音だと

敢えて邪推には敢えて聞かない事にしていた。


 けれど。

風花が怖かったものは

北條は安泰だと口にする者の存在だった。



(本当は、なんと思っているのだろう?)


 本音と建前。

人の心は解らない。


 北條家の為に、嫌っていても我慢しているのか。

その褒め言葉はなんだか計算し尽くされた気がして怖い。


 機械的な視えない言葉が不安させる。

ならば一層の事、あの人達みたいに煙たがって嫌味のひとつくらい、囁いて欲しい。



 だけれども唯一、

その言葉には裏腹に使用人達の表情は毒があるものに見える。

風花は幼心に悟った“此処に居場所はないのだと”。



 その理由は幼いながらも風花はちゃんと理解していた。

だってその理由は、明確過ぎるから。




そんな裏であからさまな使用人とは逆に


 世話人として

教育係としても色々と教えてきたのはジェシカだった。

習い事や塾で時間を埋め尽くされる風花に週の何度かは

彼女は北條家から抜け出して、ちゃんと少女が休みを与え、

息抜きの時間を与えていた。






 北條家に居る時、

風花は広い庭に居るのが定番だった。

広い池で優雅に泳いでいる鯉に餌を与えたり、庭自体で探検していく。



北條家は大人ばかりで同い年の子供も居なかったから、

一人遊びが定番だった。




 幼い風花にとって北條家は、大きな牢屋。

そして憎しみの場所。




風花にとってあまりに縛りの多い北條家は_____________。














「風花もそろそろ18歳ですね」


「ああ」






ジェシカは、淡々と言う。


"風花が来てから"北條家は安泰と謳われた事を思い出す。

けれどジェシカの面持ちは無表情に過ぎず

何処か不満気でもあった。




本当は心の中で厳造を恨んでいる。

あの日、そうすると約束したものを無かったかの様に

厳造は無惨に破っているのだから。



(貴方は、人の人生を乗っ取り潰すのがお得意ね)










 対して圭介は、風花が気掛かりだった。

あの日。確かに心療内科から出てきた瞬間から

疑問と心配が交差している。



 何か抱えているだろうか。

 体調は大丈夫なのだろうか。






「大丈夫?」

「普段通りだけれど」




 素っ気なく言うのは相変わらない。


けれどそう呟く表情は

何処か疲れた様な顔色をしている。

仕事が多忙という事もあるけれど、最近は疲れの色が顔に出て来た。


否。彼女は責任者として自ら、

時折にして夜勤担当している訳だ。

明け方にはジェシカと交代で、ようやく家に帰るが睡眠時間は足りない。



(ちゃんと休めているのだろうか?)



 風花はミステリアスで距離感のある雰囲気だから

つい、引き気味になってしまうけれど。





【風花の年齢について】


早生まれで17歳、高校2年生の設定ですが

北條家及び彼女自身には一切、興味ない為に

誕生日はあやふやになっている、という現実です。


(付く加えると、北條家やフィーア、ジェシカも知らない、

うろ覚えという状態)

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