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88 ソフィアちゃんとゴミくず②

「…というわけなんだ」

「なるほど」

俺はソフィアちゃんが受けてきた嫌がらせについてヘンリーに説明した。

「でもソイツをクビにするには証拠不十分だ。だから俺とお前で潜入調査をするってのはどうだ?」

「どうやって?」

「こうやって」

俺は『変形』で自分の姿を幼い子供に変える。

「おぉー」

「どうだ!すげぇだろ!(ドヤァ)」

「でも俺、そんなスキル持ってないぜ」

「大丈夫。俺がこのスキルを使えるようにしてやるから」

俺はすぐに『能力付与』で『変形』を与える。

「えーと、この『変形』ってやつか?」

「そうそう」

早速ヘンリーが『変形』を使いいつもの俺の姿に変わった。

「すげぇ。これが若さか…」

「いや、まだお前も若いだろ」

「いや、口調はあん時と変わんないんだけどもう40過ぎなんだよな」

「お前ももう40になったか。俺はまだギリギリ10代」

「そういえばお前、一回だけこっちに来たときに一回死んだとか言ってたけどあれはどういう意味だ?」

「ん?そのままの意味だけど」

「マジで?」

「ああ、ちょっと前に記憶を取り戻してこっちに戻ってきたんだよ。でもちょっとっていっても結構前なんだけどね」

「そ、そうか…」

ヘンリーは頭のなかでこう思っていた。

(何気なく死んだとか言うのってやべぇなコイツ)

と。

「でなんだが、潜入調査中もきちんと給料は出るんだよな?」

「そんな必死そうに聞かなくても大丈夫だ。きちんと給料は出すから安心しろ」

「よかった…」

「色々と面倒だから明後日からやっちまおうぜ。明後日だったら出張とその付き添いって言えばなんとか誤魔化せるしみんなも準備期間だと思ってくれるだろ」

「だな」

こうして俺たちは潜入捜査を開始した。



「では5時間目の魔法の授業を始めます。今日も前回と同じように得意な魔法属性で的あてをしてもらいます」

「はーい」

子供たちが元気に返事をする。

『恐らくこの眼鏡をかけた女教師が例の先生だろうな』

『恐らく』

俺は使い魔の姿に変えたヘンリーと『念話』で話していた。

ちなみに名前はラスターと名乗っている。

全員が弓道場のような場所に連れていかれると横一列に並んだ。

『これは学校で承認済みなんだよな?』

『そうだ。俺が許可を出している』

「ではみなさん、始めてください。ラスター君、やり方はわかりますか?」

「うん!」

俺はガキのように返事をする。

「ではみんなと一緒にやってみましょう」

『この時点では悪そうには見えないな』

『同感だ』

『俺、一発で当ててもいいよね?』

『いいぞ』

俺は『闇』を的のど真ん中に命中させる。

女教師が一瞬、ムッとしたように見えた。

「ちょっとラスター君、こっちに来なさい。あとソフィアさんも」

『あ』

『これは黒だな』

『でもまだなにもやってないからもうすこし様子を見よう』

『了解』

俺とソフィアちゃんは大きな部屋に連れていかれた。

そこにはさっきのように的がずらりと並んでおりソフィアちゃんをその真ん中に立たせる。

「ソフィアさん、今日もこれをやりなさい」

ソフィアちゃんがコクリと頷く。

だがそこには自らやりたいという意欲がないように見えた。

『ここの生徒は自ら望んでこういうことをやらせるということなら認めているがこれは明らかに押し付けているな』

『俺たち、もう元の姿に戻っていいんじゃないか?』

『そうしよう』

「先生」

「?」

「これは本当にソフィアちゃんがやりたいと言ったことですか」

「なんですって?」

「俺には先生が無理やりやらせているようにしか見えません」

「しかしこの子は…」

「黙れ」

俺たちが姿を元に戻すとその先生は顔を真っ青にしてこちらを見ていた。

「それは校長である俺の前でも言えることかな?俺には彼女に嫌がらせしたりしているように見えたのだが?それと彼、まあ俺の古い友人だが彼が成功したときもなにか気に食わなそうな顔をしていたね」

「そ、それは…」

「そのような生徒に嫌がらせをする教師はうちには必要ない。貴様はクビだ!明日から来なくていい!」

「そんなぁー」

先生はその場で泣き崩れてしまった。

騒ぎを聞きつけた生徒や他の先生たちが集まってくる。

「おい、そこの新人!そいつを連れていけ!」

「は、はい!」

そう言うとその新人は先生を引きずっていく。

「ヘンリー、やりすぎじゃねえのか?」

「俺は一回決めたら曲げない趣味なんだよ」

「頑固なやつ…」

俺はため息をつきながらその場を後にした。



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