87 ソフィアちゃんとゴミくず
俺のクリムゾン学院での仕事は高等科の闇魔法の特別講師だった。
どうやらこの学校は魔法の授業は個人の属性に適した授業をしているようでクラスは選択制だった。
そのため魔法の時間割は個人によって違う。
学校の授業は国語、数学、歴史、魔法1、魔法2の5時間授業で俺は4時間目と5時間目だけ出席すればよかった。
すこし待遇が良すぎると思うけどそれでいい金額が出るは嬉しいな。
「テオおにいちゃん!今日、魔法の授業でね、たくさんの的を当てるっていうのがあったんだけど僕、全部当てたんだよ」
「すごいじゃん!」
「えへへ…」
「ちなみに的はいくつあったの?」
「100個!」
「そうか、そうかぁ。100個かぁ」
・・・!?
「100個!?」
「うん!そうだよ!」
「なんでそんなに数があるんだ…」
「なんかね、最初一人ずつ的を当ててたんだけど僕ね、それを一発で当てたの!そしたらね、先生がこっちもやってみろって言ったの!それで的が100個もあったから全部当てちゃった!でも先生、怒ってたなぁ」
「それ、もうちょっと聞かせて」
「わかった!」
ソフィアちゃん曰くその先生は毎日のように無理難題を押し付けてくること、そしてそれをソフィアちゃんが簡単にこなしてしまい先生が怒っていることなどを話してくれた。
ソフィアちゃんの得意属性は風属性と闇魔法でどちらも操作が難しい。
それを8歳の女の子が簡単にやってのけてしまうのは保護者としてはとても嬉しいことである。
だが教師がそれに嫉妬して嫌がらせをすることは保護者としては許せない。
俺はいますぐにでもその教師のところに乗り込んでやりたかったが殴ったりしてクビになりたくないしソフィアちゃんも退学になる可能性が高い。
「ソフィアちゃん、これはシャルには言わないでくれ」
「うん!わかった!でもなんで?」
「いや、アイツにそんなこと言ったらなにするかわからないからな」
「?」
「いいか?絶対に言うんじゃないぞ?」
その時、後ろからぞわっと殺気を感じた。
振り返るとそこにはいまにも角がはえそうな形相のシャルがいた。
「その話は本当ですか?」
「え、えーとその…」
「もう一度聞きます。その話は本当ですか?」
「シャーロットさん、顔が近いです。あと怖いです」
「本当で・す・か」
「ほ、本当です!」
「そうですかぁー。ではいまからそのゴミくずを粛清しに行ってきます」
シャルがいまにも飛び出そうとしていた時、天使がシャルに囁いた。
「行っちゃダメ!」
「ソフィアちゃん…」
「シャーロットおねえちゃん、いまから怖いことをしようとしてるでしょ!でもそんなことしないで!もう僕を独りぼっちにしないで!」
するとシャルは冷静になりソフィアちゃんを抱きしめた。
「そうですよね。私が間違ってました。もうあなたを独りぼっちにはさせません」
俺はこの後、学院の責任者であるヘンリーのもとへ直談判しに転移した。




