86 お買い物
「これなんてどうですか?」
そう言ってシャルはソフィアちゃんに着せ替え人形のよに色々な服を着せていく。
「いいんじゃないか?でも全部買うっていうのはナシだぞ?懐がすっからからんになるからな」
「ダメなんですか!?」
「ダメ。最高で7つ」
これは一週間で一日ずつ着るためだが下着や寝間着も買っているので金銭的にはかなり厳しい。
しかもこの後、使い魔も買う予定なのだ。
「わかりました」
シャルはしょんぼりしながら服を選びだした。
「じゃあこれとこれとこれで」
「はいわかった…って高っ!」
「ダメですか?」
シャルが下から俺の顔を覗く。
それは反則だろ…!
「ま、まぁいいかな」
「やった!ソフィアちゃん、OKだって」
「本当にいいの?お母さんに怒られない?」
「大丈夫、大丈夫!さあ、買いましょう!」
すると俺を引っ張ってレジにむかう。
俺は渋々お金を払った。
あぁ、お金が消えていく。
「次は使い魔ですね!」
そう言うと買ったばかりの服を着たソフィアちゃんを引っ張ってペットショップのようなお店に入ってしまった。
俺は急いで後を追いかける。
シャルはソフィアちゃんのことをかなり気に入っているようだ。
ソフィアちゃんも楽しんでいるようで良かった。
「この蜘蛛なんてどうですか?」
「いや!この蜘蛛さん怖い!」
「そうですか?」
「シャル、ソフィアちゃんが欲しいって言ったものを買わせてあげよう」
「でもお金が…」
「さっき服を爆買いしていたお前がそれを言うか」
「むむむ…」
シャルはバツが悪そうに眉をひそめた。
「シャーロットおねえちゃん!この子がいい!」
「どれどれ」
ソフィアちゃんが選んだ魔物を見る。
それはしっぽが二つある可愛らしい猫又だった。
「本当にそれでいいの?」
「うん!この子がいいの!」
「そうか。店員さん!この子をください!」
「はーい。今、行きますよ」
すると奥から女性の店員さんが出てくる。
俺はお金を払うとその猫又をソフィアちゃんに手渡した。
「わぁー」
ソフィアちゃんはこの猫又を気に入ったようだ。
しっかりと抱きしめると嬉しそうに笑った。
この猫又は金額的にもそんなに高くなかったので俺としては大助かりである。
「シャーロットおねえちゃん!テオおにいちゃん!ありがとう!」
なんていい子なんだ…
俺は思わず泣きそうになった。
なんで母親はこんないい子を置いて彼氏とどこかに行ってしまったのだろう。
いつか数年後、連れに帰ってきたら一発殴ってやろう。
俺は感情が抑えらず涙をこぼしてしまった。
「テオおにいちゃん、泣かないで。これ使ってよ」
そう言うとソフィアちゃんはボロボロなハンカチを渡してきた。
「ありがとう」
俺はそのハンカチを受け取ると目元の涙をぬぐった。
しかし拭うごとに次々と涙が溢れて止まらない。
まだ歳をそんなにとってないのに俺も涙もろくなったものだな。
母親が来たら絶対に殴って1時間説教してやろう。
俺はそう決心するのであった。




