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85 ソフィアちゃんとの出会い

ある日、家で本を読んでいるとドアを叩く音がした。

「私が出ます」

そう言ってシャルが玄関にむかう。

そして「はーい」と言いながらドアを開けた。

「え?」

シャルが変な声を出す。

「どうしたんだ?」

俺も玄関にむかうとそこにはボロボロな一人の女の子がいた。

「君、どうしたの?なんでここにいるんだい?」

「…お母さんが」

「?」

「お母さんがここに待ってって言った後ね、変な男の人と一緒にどっかに行っちゃったの」

「あー」

俺はシャルに救いを求めるように視線を投げかける。

「はぁ。あなた、なかに入りなさい」

「うん!」

女の子は元気に家のなかに入っていく。

かわいそうに。

恐らくこの子は親に捨てられたのだろう。

だがこの子は捨てられたということを自覚していない。

むしろそっちのほうがこの子にとっては幸せだ。

「お母さんはどこに行っちゃったの?」

「お母さんはね、ちょっと旅行に行ったの。それまでの間、私たちがあなたたちを預かることになったのよ」

「ちょっ…」

俺はシャルに抗議しようとしたが口を塞がれた。

「(静かにしてください。この子が不審に思うでしょうが)」

「(この子はどうするんだよ!まさかうちでずっと預かるわけじゃないよな?)」

「(そのつもりですが?)」

「(マジで言ってるのか?)」

「(私は本気ですよ)」

こうしてしばらく俺たちはにらみ合った。

「おねえちゃんたち、なにやってるの?」

「なんでもないですからね。(ほら、この子が変に思う前に決めてください)」

「(わかった。わかったから)」

「(やった!)」

女の子は不思議そうにこちらを見ていた。

「ねえ、あなた名前は?」

「僕はね、ソフィアって言うんだよ。8歳!」

自分のこと、僕って言うんだね。

「私はシャーロット。で、こっちがテオ様」

「様っていうのやめてくれないか?せめてテオさんと呼んでくれ」

「シャーロットおねえちゃんにテオおにいちゃん!」

「そうです」

シャルはソフィアを自分の子供のように可愛がっていた。

しかし問題なのはお金だ。

一旦は教師をしてお金は増えたけどそろそろ底が尽きてくる。

俺も新しい職を探さなきゃなぁ。

そう思っていたときにクリムゾン学院のヘンリーからうちで働かないか?と連絡が来た。

俺は思わずその場で「やる!」と即答してしまったがなぜあいつが俺たちの家の場所を知っているのか不思議でならない。

ついでにソフィアちゃんにもクリムゾン学院の初等科に通わせることにした。

本当だったらお金持ちしか入れない私立の学校だったがそこはコネでなんとかした。

ていうか俺が教師として採用されるのもある意味コネなのだが。

「さて、早速行きましょう!」

「どこに?」

「決まってるじゃないですか。ソフィアちゃんにこんなボロボロな服で学校に通わせる気ですか!?」

そう言うとシャルは俺を無理やり家から引っ張り出した。

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