73 邪神ランス・スチュワート
《最上位神の誓約・改》
一.最上位神の誓約の撤廃
二.魔法属性の撤廃
三.以上をもって最上位神の誓約・改とする。
元々杖とか魔道具とかを使っての魔法発動は杖とか魔道具がリミッターの機能を果たしていた。
俺以外の人が致死率が高い魔法を使うと杖が壊れる仕組みにしていたからだ。
なんで杖とかにしたのかというと…俺の趣味だね。
いやぁ俺、ハ〇ポタとかに憧れてたときがあってやってみたかったんだよねー。
畜生!それを俺に相談せずに勝手に変えるとは!
『一体どういうつもりだ!』
「ただの遊びですよ」
「…遊び?」
俺たちはランスの家にいた。
「はい、遊びです」
ランスがにっこりと笑う。
『これでは前と同じじゃないか!』
「同じでなにが悪いのでしょうか?」
『なに!?』
「私は退屈しているのですよ。だって戦いのない世界なんてつまらないじゃないですか」
「あなたは戦争を起こすつもりですか!」
「はい。あの男が消えたいま、私を止められるのはあなたのみ。そしてそのあなたが『黒魔術』でそんな姿になっている。もはや私を止められる者はいません」
『ランス、お前は一体…』
「私はランス。最古の神であり邪神のランスです」
『邪、神?』
「はい」
ランスが唐突に手首を刃物で切ると背中から翼が現れる。
その翼は血のように赤黒く染まっていてはじからはじまで血管のようなものが浮き出ていた。
「最古の神。すべての生物の源であり悪の象徴。それがこの私、ランス・スチュワートです」
ヤバい…!
勝てる気がしねぇ!
この世で強さが最強レベルの俺がそう思ってしまうほどのオーラがランスからはあふれ出ていた。
俺は廃墟となったサリオスに転移する。
これなら追ってこれないはず…
しかし現実は甘くなかった。
ランスが追って来ていたのだ。
シャルは俺を抱えて地面に着地すると走り出す。
後ろにいるランスが魔法を放ち魔法陣が俺たちを囲った。
シャルは『空間転移』で逃げるが複数の黒い光線が追ってくる。『追尾』だ。
シャルは『闇』でひとつずつ落としていく。
が、そこをランスの『闇の弓矢』が襲った。
シャルが転移して上空に逃れる。
真下では『闇の弓矢』が黒い渦に飲み込まれているところだった。
待てよ。闇の渦?
しかしもう手遅れだった。
俺たちの真横に突然、黒い渦が現れるとそこから『闇の弓矢』が現れる。
魔法そのものの座標を変更したのか…!
シャルが目を瞑る。
とても回避できる距離じゃない。
でも諦めていいのかよ!
俺は諦めたくない。誰も死なせたくない。
俺の力不足で人を死なせるなんてあってはならないことだ。
だから…動いてくれ!俺のからだ!
体中の魔力を魂に注げろ。
俺はめいっぱい力を籠める。
『うおおおおおおおおおおおお!!!』
体にまとわりついている殻が取れたような感覚だった。
視界を眩しい光が覆う。
まるで卵から子供が出てくるように。
《説明不能の魔力の解除を確認しました。覚醒を開始します》
俺はシャルを抱き寄せると鎌を取り出し結界を発動させた。




