64 ウィルザム書店事件
俺はその本屋、ウィルザム書店に二人で入っていった。
実は俺はこの世界の小説を読んだことがない。
いつも読んでいたのは魔導書か日記だったからな。
ウィルザム書店は外見はかなり小さいが在庫数はかなりあると聞く。
その理由が中に入ってから分かった。
床がガラス張りになっておりそこには恐ろしいほどの本がある。
まさかこれの中から選べとか言わないよな。
俺は特に欲しい本があるわけではない。
というより作者とか作品名を知らないのだ。
さて、どうやってこの中から選ぼう。
その時シャルが一人、前に進んだ。
「おい、シャル!」
俺は慌ててシャルを追いかける。
シャルが向かったのはお店のカウンターだった。
「お客様、なにをお求めですか?」
店員が問いかける。
するとシャルが「ルーラー・ホワイトの『魔女の冒険』はありますか」と聞く。
あれ?シャルってそういうの読むの?
なんか置いて行かれた感がエグイ。
「そちらのお客様はなにを?」
はっと我に返った俺は店員に言葉を返そうとする。
が、俺はなにを言えばいいのかわからない。
どうしよう?
早く言わないと。店員さんも困ってるし。
うーん、ぐぬぬぬぬぬ…
えーい!こうなったら!
女神(仮)様!解決策をお教えください!
《店員のおすすめを教えてもらうことを提案します》
それだ!
俺は店員さんのほうにサッと振り向く。
あーなんか外国人に話しかける日本人の気分だ…
「店員さんのおすすめを教えてください!」
言えた…
マジで心臓がバクバクなんだけど。
「おす、すめ?失礼ですがなんでしょうかそれは」
そう来たか!
なに?この「おすすめ」という単語がないの!?
どんな世界だよ!ていうかなんで女神(仮)様は知ってるのさ!
「えーと、その…店員さんがいい?と思った小説を、教えくれればいいんですけど…」
「なるほど。ではこちらの『少年と魔剣』はどうでしょう?」
「あ、もうそれでいいです」
俺は二冊分の金額を払うとカウンターを離れようとする。
「ああ、お客様」
店員から声をかけられ俺たちは振り返った。
「実はただいまくじ引きをやっておりまして、どうでしょう?やりませんか」
店員の手元にはくじ引きの箱がある。
「これは当たるとなにか賞金とかはもらえたりするのか?」
「はい。このアズルート内の書店で有効な図書券、30000円分です」
あっちの世界での図書カードのようなものか。
「どれどれ」
俺は箱に手を突っ込んだ。
中でゴソゴソと音がする。
俺はなるべく下のほうのくじを引こうと奥に手を伸ばす。
「これだっ!」
俺は勢いよくくじを引いた。
そしてそのくじを開く。
アタリかなーハズレかなー。
俺はそのくじを見る。
そこにはアタリもハズレも書いていなかった。
そこに書いてあったのは拳銃のマークだった。




