53 死神さんとフリューゲル
俺はフリューゲルの腹を蹴った。
フリューゲルが空中でよろける。
俺は拳を握るとフリューゲルに突進していった。
同時に拳から火を宿す。
俺の称号『自在の魔術師』の効果で俺はからだから直接、炎や水を出すことができる。
だからこのように炎を手から出すことも可能なのだ。
俺は拳をフリューゲルの顔面にたたきつけた。
「ぐはっ…」
フリューゲルが気を失う。
落下し始めたフリューゲルのからだを空中でキャッチすると一際目立つ宇宙船(?)に転移した。
どうやら転移した場所は司令部のような場所だったらしい。
まぁ外から見て窓がついてたりしてたから、そうなのかなーと思ってたけど予想通りだな。
「将軍様!き、貴様!将軍様を離せっ!」
幹部らしきものが騒いでいる。
そりゃあ自分の上司が謎の男にお姫様抱っこされてたらヤバいわな。
俺はフリューゲルを床におろす。
魔術『治癒魔法』発動。
フリューゲルのけがが治っていく。
「…ここは?」
「将軍様!」
フリューゲルがゆっくりと立ち上がる。
「お前が、治したのか?」
「そうだ」
「なぜ!?」
「さっきも言ったろ。俺は人が死んでいくのが嫌なんだ。それより…」
俺を部下らしき者たちが拘束した。
「これをどうにかしてくれないか?俺に敵意はないのだが」
「すまない。おい、解放してやれ」
部下が退いていく。
「場所を変えようか。色々聞きたいことがある」
「わかった」
フリューゲルが呪文を唱える。
するとまわりの風景が変わり豪華な部屋になった。
『空間転移』か…!
「さあ、座ってくれ」
俺は近くにあったソファーに座った。
フリューゲルは机をはさんだ向こう側のソファーに座る。
「まだ自己紹介をしていなかったな。私の名はラスター。この世界にいや、この国に侵略に来たフリューゲルの司令官だ」
「なるほど。でもなぜこの国に侵略に来たんだ?ただの何もない国だろう?」
「実は…」
それからラスターは炎の国から攻撃を受けていたこと、とてもじゃないが住めない世界になったことなどを話してくれた。
「それでフリューゲルの民をこちらの世界に連れてきた。民に自由な暮らしをさせるためにな。だからこれは侵略というより移住だな」
「そうか。辛かったな」
俺は席を立った。
「どこに行く」
「決まってるじゃないか」
俺は一歩踏み出した。
「炎の国の首都、レファドンだよ」




