52 フリューゲル、現る。
それはいきなり空から現れた。
しかしUFOというわけでもなくまるで宇宙船の艦隊だった。
船底のぽっかりと開いている穴から光線銃のようなものを持った人が出てきた。
いや、あれは人ではない。
あれはフリューゲルだ。
フリューゲル。それは天使に最も近いと言われる種族で伝説級の生物。
しかしその神聖な見た目に反しかなり恐ろしい生物でもある。
光魔法の『飛行魔法』はあれを模したものにすぎない。
彼らの翼は左右一組ではなく合計六つの翼をもっていた。
かつて一人の神が言った。
『フリューゲルが来た時この世界は終わる』と。
それ程までに危険なのだ。
ましてやそれが機械文明を発展させて来るなんて死を宣告されているようなものだ。
俺がいなければ。
そう、彼らの攻撃は俺には通じない。
なぜなら俺は最上位神に昇格した者のなかで最強レベルと評される男なのだから。
俺は『闇の豪雨』を発動する。
いや、発動しようとした。
…ここ魔法使えないの忘れてたー。
やらかしたぁ!!!
「どうしたんですか。なんか苦しそうですけど」
「魔法使えない…」
どうする どうする どうする?
俺はどうすればいい?
いまこの時にもフリューゲルは街を攻撃していた。
まるで宇宙戦争のようにビームが街を襲う。
どうする どうする どうする どうする どうする?
魔術はどうだ?
魔術なら魔法プラス特殊能力を使える。
やってみる価値はある。
なら!
魔術『復元』発動!
壊れた建物が時を戻すように元の姿になっていく。
いける!
フリューゲルたちが慌てた様子で光線銃を放つ。
スキル『攻撃無効化』発動。
途中で消えた光線に動揺するフリューゲルたち。
俺は魔術『飛行魔法』を発動させ上に飛んだ。
シャルは俺の肩に蜘蛛となって乗っかっていた。
フリューゲルたちが俺に発砲する。
魔術『完全掌握』発動!
光線を一時停止させ反対側に放つ。
光線はフリューゲルたちに直撃した。
しかし俺はそれを魔術『治癒魔法』で治していく。
その時、俺の前に一人のフリューゲルが現れた。
「なぜ倒した相手を治した!貴様は敵ではないのか!」
「敵じゃない。だけど街が壊されるのは嫌だし人が死んでいくのを見るのも嫌だ」
「たわけ!戦にそのような甘い考えは命とりだぞ!」
フリューゲルが両手を前に突き出す。
そして呪文を詠唱し始めた。
俺のまわりに黒い剣が扇のように囲う。
それが俺にむかって飛んでくる。
スキル『攻撃無効化』発動。
剣が塵となって消え去る。
フリューゲルは剣を片手に持つと大きく振りかぶり向かってきた。
俺は鎌を取り出して結界を張る。
しかし剣は結界を破り俺を襲ってきた。
ジョシュアと同じ結界破りの剣か…!
それを俺は鎌で受け止める。
鍔迫り合いのようなかんじになった。
二人は回転しながら上に飛んでいく。
決着がついたのは次の瞬間だった。




