31 アズルートとの別れ
闇の国首都アリアムのアリアム王宮にて。
「旧サリオスに派遣されていた第4軍が全滅しました」
部屋中がざわつく。
ざわつくのも無理はない。
なぜなら我々の軍隊は世界最強なのだから。
第4軍とはいえ普通の他国の軍隊よりも強いはずである。
それが容易に全滅などありえない。
しかもついこの間第3軍も全滅したという報告が届いたばかりである。
「唯一、生き残った第4軍のノア中尉の話によると戦闘中に味方の軍が襲ってきたということでしたが現地に調査団を派遣して事実確認を進めているところです」
味方を攻撃?
それは『洗脳魔法』だろうか。
もしやそれをやったのは例の男かもしれない。
例の男。
それは旧ハイライトに送り込まれた調査団によってわかった新たな事実。
いきなり戦場に姿を現しすべてを破壊した男。
しかし例の男の使っていた魔法は光属性の魔法だった。
最後に使用した魔法の詳細はよくわかってないが。
だが、もし今回の犯人が例の男と同一人物だとしたら恐ろしい事実が浮かび上がってくる。
だがしかし…
うむ、これについてはそんなに考えないようにするべきだ。
そして彼は手にあるお守りを強く握った。
俺はアズルートに戻っていた。
アズルートは風の結界の恩恵のおかげでやはり平和だった。
しかしジョシュアの結界を斬る剣で侵入されてはたまらない。
俺はアズルート図書館に転移した。
「あ、おかえりなさい。はやいですね」
「ただいま。アズルート、お前に言わなければいけないことがある」
「はい、なんでしょう」
「俺はアズルートから離れることにした。当分、会うことはないと思う」
「…そうですか。すこし寂しいですね。お別れなんて」
「え!?テオおにいちゃん、行っちゃうの?」
「またいつか会えるさ。シャーロット、お前も来るか?」
「はい、行きます」
「わかった。じゃあアズルート、しばしの別れだ」
シャーロットとアズルートはかたく抱きしめあった。
「さようなら。またいつか会いましょう」
「ええ、またいつか」
そうして俺たちはアズルートから離れることとなった。




