28 それはまるで天使のようだった。
俺はいま水の国上空にいる。
水の国は幾千もの島で形成されている国だった。
俺は海にむかって急降下を始めた。
俺は途中、鎌を取り出す。
俺のからだが着水すると水は俺を避けるようにからだを囲った。
そのまま俺は『飛行魔法』で降下し続ける。
すると氷龍が姿を現した。
氷龍が俺にブレスを放つ。
海水が凍るが結界に阻まれて届かない。
『乱舞』発動。
闇の門が氷龍を囲む。
逃げ場がなくなった氷龍はそのまま黒い閃光によって貫かれた。
だが、俺はそれを無視しまわりをキョロキョロしはじめた。
むこうに水龍の群れがいる。
これはチャンス!
俺は群れにむかって突進した。
永遠の夜を取り出すと一振りする。
『波動』発動。
何匹かを倒す。
あちらもこちらに気がついたようで水のブレスを放ってきた。
まあ、もちろん俺には効かないわけだが。
俺は前に新たに手に入れた魔法『模倣』を発動する。
これは相手が放ってきた技を一時的に真似することができる魔法で一振りすれば技を放つことができる。
本来なら剣で防御したあとに技を目と剣が分析する魔法だが簡単な魔法だったため目だけで解析した。
そうしてまったく同じ魔法をやられた水龍は粉々になった。
うわ…
なんて威力がエグイんだ。
ていうか自分の使った技で死ぬとか皮肉かよ。
そんなことを考えている間に水龍の群れは逃げていく。
もちろん逃がすわけないだろっ!
『闇の咆哮』発動。
最近気がついたんだけどこれ、俺の意思によって方向が変えられるんだよねー。
黒いブレスが横なぎに水龍の群れを襲う。
水龍は一匹残らず殲滅させられた。
やっぱ俺、最強じゃね?
「ふぅ」
そろそろ帰るか。
俺は『空間転移』を発動してアズルートに戻った。
同時刻。
闇の国と光の国の国境線にて。
「なんだあれは…」
俺は突如戦場に現れたそれを見ていた。
まるで天使のようだった。
それには六つの白い翼があってそれのまわりにはすべての属性の魔法が渦巻いていた。
「『多重属性』…?」
ありえない。
あのスキルををもっているのは死神だけのはずだ。
しかし死神はすべての属性をもってはいないと聞いている。
だとしたらあれは一体なんなのか。
まさか!
いや、そんなはずはない。
だってあれは…!
次の瞬間、戦場からは全てが消え失せた。
地面や虫さえも。




