22 そうだ!死神さん、私と二人で話しませんか?
エデンは他の都市と違って西洋風の建物があまりなかった。
むしろ近代的なデザインの建物が多く建ち並んでいてまるで東京のようだった。
そう、こちらの世界にはないはずのビルがたくさんあったのである。
俺は街の中心を見た時ものすごく驚いた。
テレビで見た渋谷のような街並みがあったからだ。
まぁ、足りないものがあるとしたら電車と車がないことぐらいだな。
でも中心にある二つの神聖な木はビルを凌駕するぐらいデカかった。
街の中心から離れているここからも見えるくらいだ。
二つの木は互いに絡みあって一つの木として成り立っている。
これは後から知ったことだけどこの二つはそれぞれ「生命の樹」、「善悪を知る樹」と呼ばれているらしい。
それにしても何で異世界に東京があるんだ?
意味がわからない。
「着きましたよ。これが『生命の樹』と『善悪を知る樹』です」
「おー」
「すごーい!」
マジでエマちゃんが可愛すぎるっ。
途中で一緒に来たガキと仲良くしているのが気に食わんが。
あーあ。
俺、なんでコイツを拾ってきたんだろ。
コイツの存在が邪魔で仕方がない。
「なんかテオさんが僕のことを暗殺者のような目で見てるんだけど」
「大丈夫だよ!テオおにいちゃんがなにかしようとしたら私が倒してあげるもん!」
エマちゃん、俺のことを悪者みたいに言わないでよー。
「顔がなんか変ですよ。大丈夫ですか?」
「ううん、大丈夫じゃない」
「それはご愁傷様です」
ひどくなーい?
なに?ご愁傷様ですって。
すこしぐらいは慰めてくれてもいいんじゃないの?
『ですよねー』
その時、俺の頭に誰かの声が響いた。
いや、誰?
『最上位神ランスと言います。はじめまして』
なに勝手に俺の心を読んでいやがるっ。
誰に許可とってるんだ!
『こちらは名乗ったんですからそちらも名乗るのが道義ですよね?』
…俺は死神テオ・マルティネスだ。
『そうだ!死神さん、私と二人で話しませんか?』
コイツらは?
『心配しなくても大丈夫だと思いますよ。あなたの使い魔はしっかりとしているので』
わかった。
それでどこに行けばいい?
『この樹の一番上で待ってますよ。あなたなら簡単に来れるでしょう』
そうして例の声が消えた。
「シャーロット、ちょっと出かけてくる。子供たちを頼めるか?」
「はい、でもどこに?」
「ちょっと空まで」
そう言うと俺は『飛行魔法』を発動させた。




