17 あの日、食べたメロンパンはおいしかった。
俺たちは屋敷(アズルート図書館)に戻ると各自、自分の部屋に入っていった。
みんな疲れているのだ。
俺もベッドに寝っ転がった。
俺はそのまま寝ようとした。
だけどなかなか眠れない。
「散歩にでも行くか」
『空間転移』発動。
俺は外に出てゆっくりとすることにした。
やっぱりアズルートは平和でいい。
サリオスなんて社会的格差が激しすぎて奴隷なんていたからな。
そこにいい匂いが鼻のなかに入ってきた。
近くにベーカリーがあるみたいだ。
俺はそのベーカリーに入ってみる。
幸い、お金はたくさんあるので金銭面は問題ない。
「いらっしゃいませ!」
威勢のいい声が聞こえた。
「あれ?君は…」
俺はその人のことを見たことがあった。
「あぁ、旦那!さっきぶりですね」
その男はさっきサリオスから転移させてきた元奴隷の一人だった。
「もう仕事を見つけたのか!」
「はい。おかげさまですぐに仕事が見つかりました」
「そうかそうか。良かったよ」
「さあ、旦那!どれにします?」
「どれにしようかな…うーん。君のおすすめはなんだ?」
「私のおすすめですかい?そうですね、メロンパンなんてどうでしょう」
「いいね!それにしよう」
男がメロンパンを袋に詰めてくれた。
「旦那、知ってますか。エデンっていう都市に世界樹が2つあってそこに最上位神がいるって話」
「いや、初耳だ」
「なら、いつか行ってみたらどうですか?すっかり観光地になってますよ」
「そうか。いつか観光しに行くよ」
「ぜひ、そうしてください。あ、これ」
「ああ、ありがとう」
「はい!またご来店ください!」
「うん、また来るよ」
そう言うと俺は店を出た。
「エデン、か」
俺はその後、噴水の広場でメロンパンを食べた。
「…おいしい」
外がすごいカリっカリで中は逆にすごい柔らかくてむしろふわふわしていた。
あっちの世界ではそんなにパンなんて食べたことがなかったからその味にものすごく感動した。
病院ではいつもまずいメシを食って夢見た学校生活はできなくて…
本当に死神になれて良かった。
俺はあのまま死んでたかもしれなかったし初めて友達ができた。
俺は本当に幸せ者だと思う。
だから俺は今あるこの日常を大事にしようと思う。




