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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第8章:なくしちゃいけない

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98/120

折井若葉のデート相手

 狭い町だ。いや山とか入れたら広いんだろうけど、人混みがあるなんて限られた田舎町が高良や最内だ。

 地元でカップルで出歩くなんぞはほぼ交際宣言しているのに等しい。

 …散々、千種と出歩いてる記憶があるが。


「当たり前でしょ。他の娘と密会してもすぐにバレるわよ」

 身にやましいことなど一つもない俺は千種が怖くない。自由ではないとも言えるが、たぶん俺の気の所為だ、うん。


 ・・・

 折井若葉である。

 そう言えば…昨日千種が

「若葉ちゃんから伝言があります。一番活躍した人にあたしと一日デート権あげる(ただし幸平を除く)、だそうよ」

 と言ってたな。


 早速?

 誰だ、横にいる奴は…。

 今年入部した1年生は大半が折井目当てだったはずだ(さすがに本音は違うだろうが)。

 あんな大差で勝ったんなら誰でも活躍したと言えそうだけど…。

 俺なら光太郎だろうな。場外ホームランに5回まで完璧なピッチング。

 …だけど、まわりが公認してるかはともかく、橋本結菜が最近は独占してるからな。そのことは若葉も承知してるはず。なら一体…。


「今日の若葉ちゃん可愛いね」

 淡い色のワンピースの後ろ姿。確かになあ。


 …おっと。

 簡単に認めたらまた隣の嫉妬神が怒るんじゃないか…と見れば千種は素知らぬ顔。

 怒んないの?


「胸に興味ないでしょ?」

 まっ確かに。なぜだか俺は興味ない。


 それより、さ。誰が相手なんだろ。

「悪趣味だけど…」

 俺たちは折井を尾行することにした。


 ・・・

 さすが狭い町である。待ち合わせなんてだいたいどこかは想像がついてしまう。

 折井はどうやら今日、駅前らしい。


 折井が一人で携帯を見つめながらぼーっと立ってる。

 そこへやって来たのは…沢村?

 おまえ…浮気か?


「勘違いしないの。キントキと一緒でしょ。良く見て」

 千種に指摘されてキントキさんに気が付いた。この暑いのにストッキング着用か。

 羨ましいぞ、沢村。

「帰ったら履いてあげるから」

 え…ほんと?


 沢村キントキカップルは折井と少し会話をしてすぐに離れた。

 羨ましいぞ、バカップルめ。

「あたしたちは?」

 少なくてもバカップルではないと思うぞ、千種。


 次にやって来たのは山形。

 さすがに今回は勘違いしない。だいたい奴は昨日活躍してないしな。

 マロさんと一緒か。珍しいな。


「マロ今日気合入ってるね」

 確かに。普段は高身長もあってか、ボーイッシュと言うかユニセックスな感じの服が多かったと思う。それが今日はスカート姿だ。


 山形とマロさん、どっちが誘ったんだろうな?

「マロみたいだよ。なんか夏の思い出だって出かけるって言ってた」

 …何気に情報通かよ、我が嫁。


 結局誰なんだ?と首を捻りかけたその時、後から声をかけられた。


「なにやってんだ、幸平」

 振り向くと、黄田。


 おまえ、か。




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