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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第7章:野球の日々

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89/120

守備シャッフルと主将交代

 俺たちのチームは人数が少ない。

 試合はまだ4回。この回だけで2人目の代打だ。


 もう控えが一条と児島、川上だけですが…と能天気な表情の大前監督に話しかける。

「んなもん、ハンデだ」

 どこの誰に対してハンデを与えているのか、良く分からん。


 後藤の代打ブートは相変わらず英国紳士然と見えるが(中身なんか所詮高1なのは本人の名誉のために言わない)、アベレージヒッターの名目通りライト線にツーベースを放つ。

 スタンディングダブル。


 もはや相手の2番手サブマリンは釣瓶打ち状態だ。敵ながらトラウマになるんじゃないかと杞憂してしまうほど。

 代打に出たロゼ太郎はこの回だけで2回目の打席でやはり右中間にツーベースを打った。


 既に12点差がついた。

 それでも監督はさらに動く。山形の代打、児島訓。

 田所を残すんだろうか?

 キャッチャーは田所と児島しかいないしな。


 訓は目一杯に振った上で三振した。

 ようやくと長い攻撃が終わり、守りにいこうとすると監督から円陣の指示。


 …また守りの時に?

「沢村。おまえ忙しいよな?」

 監督の一言。確かに生徒会、彼女との付き合い…キャプテン以外にも奴は忙しい日常だ。

「ええ…」

 と曖昧な沢村の肯定。

「よし。今から主将は黄田!おまえやれ」


 なんとまあ。

 試合の途中に主将交代ってか。

 部員はさっきの流星黄田のイメージが残っている。だから…か?


 誰からも異論は出ず、黄田も胡乱げではあるが納得したみたいだ。さすが我が野球部。

 適当だな、おい。


「1塁田所、2塁早名、3塁五明、ショート沢村、レフトブート、センター黄田、ライトロゼ太郎。あ、キャッチャー児島」

 そう守備変更の指示が出て俺たちはグラウンドに散る。ピッチャーの光太郎以外全員シャッフルって構図になった。


 外野はまあ固定メンバーと言っていい。

 黄田が両翼まで指示ができ、ライトは強肩駿足のロゼ太郎だ。レフトのブートも安定した守備と強肩だ。


 内野もセカンドが本職の俺(と思っている)と、五明は中学からサードだ。ショートくらいか…。まあ沢村も1年から三遊間を守ってるしな。

 ファーストだけは、山形や川上、その他にも兼任する奴ばかりで固定メンバーはいない。


 そうやって考えてみると…。ほぼ先発時より堅守になったんじゃないかと思える。


 とは言え。

 実は守備の機会は5回が終わるまで誰にも訪れなかった。

 5回までと監督が光太郎の登板を区切り…そう4回、5回のイニングを光太郎が全力で投げ込んだからだ。児島訓は全球ストレートを要求し…そして相手は一度もバットに当てることはなかった。


 この大会で初めて光太郎はその片鱗を場内に見せつけた。


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