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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第10章:

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116/120

義兄が増えた

 呆気にとられる夫妻。

 かたや固まる俺。

 俺が絡むと見境のなくなる千種の悪癖がここで出たか。


 はっとしたように気が付き、バツが悪いのか千種は横を向いた。

 どうすんだ、この場。


 …ようし、ここは1000個ある鉄板ジョークの中から取っておきのやつを…。

「それだけはやめてくれ」

 日向さんから懇願された。日向さんにジョークを披露したことがあっただろうか?


「アキラから、義弟のジョークだけは止めろと固く言われててな」


 …解せぬ。


 ・・・

 それでも何かの役にたったのか、

「あなたのジョークを受け止めるのはあたしだけよ」

 妻アピールしたところで、おまえも俺から発せられる前に止めるくせに。


「おまえの嫁さん、葉さんの愛弟子だろ」

 洗脳されてただけらしいですが。それが何か?

「同族嫌悪ってやつか?」


 ん?あー姉ちゃんと日向さんは確かに似たところあるな。他人を読むところ。

 そういうこと?


「だからたぶん美也子と葉さんには相性良くないだろうし、愛弟子も美也子と俺にはあんまり良くないんじゃないの?」

 当たってるような、そんなに単純でもないぞと言うような気もするし。


「とりあえず、いとこ」

 俺?

「なんか他人行儀だな…。なんて呼んでほしい?」

 モテモテの大スターとでもぜひ。

「幸平!」

 過去最速のツッコミをありがとう、千種。

「この人なんか幸平で充分です」

 え、なんか普通。

「んで、幸平の嫁はなんて呼べば?」

 今度は玲先生に尋ねる。


「わたしは師匠って呼んでるけど」

 最大級の発言が飛び出した。

 俺の巨星(アイドル)がこいつを師匠?


 目を丸くした日向さんだけど直後に笑い出した。

「天下の北玲が師匠か」

 そいつはいいや、と。

「よし、俺も師匠って呼ばせてもらうわ」


 姉ちゃん怒らないよな…?


 ・・・

「よく分かんねえけど、玲がこんだけ心を許してるの珍しいよな」

 ええ…と玲先生は頷く。

「身内認定してやろう」

 えー、俺は遊佐晶の義弟ですよ。

「んじゃ幸平は俺にも義弟、だな」

 理屈が分からないし、そんなに簡単なものですか?

「師匠もいいよな?」

 珍しく千種はめんどくさそうに

「なんでもいいです」

 と答えた。


「玲がいるから俺に惚れるなよ」


「幸平の方が何千倍も素敵です」


 ちょっと信じられないことではあるが…どうやら人間の相性と言うのは千種にもあるらしい。

 どこに起因するかもさっぱり分からないが、たぶん世の中はそういう風にできているのだろう。


 めでたくま畏くも俺はまた一人義兄が増えたのだった。一つ救いなのは…玲先生が幸せそうな表情をしていたことだろう。

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