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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第9章:交錯する夜

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爛れた高校生

 昨日が甲子園を決めた決勝だったってのに、今日は目まぐるしかった。

 数えてみる。

 ひとつ、千種と産婦人科へ。

 ふたつ、若葉と黄田のデート。

 みっつ、御地で千種とデート。

 よっつ、お披露目会でみんなのおもちゃ。

 いつつ、千種におもちゃ。


「どこまで数えるの?」

 横の千種が事後の潤んだ瞳を向けてくる。

 賢者にはそれなりのタイムが必要なのじゃ。


「よく分かんないキャラ」

 男は賢者になる資格があるんだぞ。


 もうエネルギーが(エンプティ)

 精も根も尽き果てた。


 ・・・

 とてつもない時間寝ていたような気がして目覚めると、いつもの時間。

 さて趣味のロードワークへ。


 さすがに昨日はいなかったけど、今日は光太郎いるだろうか。

 山あいの町だけに朝はまだ気温が低い。

 体を温めるのに気持ちのいい時間だ。

 こころなしか風もある。


 よー、光太郎。今日は来たか。

 …横に変なのがいるけどな。


「失礼ね」

 まさか光太郎を食ったりしてないよな?まだ高1だぞ。

「女神様を抱いてる人に言われたくないんだけど」

 俺は健全だ。

「それにしちゃやけに色っぽいんだけど」

 見たようなことを言うんだな、橋本結菜さんよ。


「後にいるの誰?」

 結菜の指先をたどって振り向けば…。

 よっおはようございます、千種様。


「こんなに色っぽい奥さん、朝から連れてきたらダメでしょ」

 確か横で寝ていたはずじゃ。

 それにしても光太郎、千種を見るんじゃない。


 律儀にも光太郎は視線を外していた。

「千種…あなたもそんな姿で出てきたらダメ」

 あー…千種、おまえ朝は機嫌だけでなく思考も弱かったな。俺から見ても扇情的過ぎる。


「幸平ががんばるから…」

 おまえも頑張っただろうが。


 ・・・

 とにかくこれではどうしようもないから、と結菜はすぐ近くの新築アパートに案内してくれた。

 あれ、橋本家って元のばあちゃんの敷地の方じゃなかったっけ?昨夜の会場が1階でその上が橋本家だって聞いているのに、向かってるのは旧千種邸の敷地の方…なかよし水泳会事務所の方じゃん。だから、大杉家に向かってる?


 そして結菜が侵入したのは大杉美樹の部屋だった。遠慮ないな、JKの個室に朝から突撃とは。


 …嫌いじゃないけどな。

 あれ?

 千種からの鉄拳制裁がない、だと?

 通常なら千種が激怒しそうものなんだが。


「……あなたたちね」

 出迎えた美樹は溜息混じりに呆れる。


「千種も結菜もなんで艶っぽいのかな?」

 結菜も?

「見るな!幸平」

 今度は千種さん、即反応。


「乱交でもしてたの?」

 衒いなく美樹は皮肉を言う。


「幸平だけだもん」

「光太郎だけだもん」


「あっ、そう」

 もしかしたら大杉美樹が激しい感情を表したのは初めてかもしれない。


「ゆうべはおたのしみでしたね」

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