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新たな精霊使い

 翌日、パンとごった煮のスープだけという軽い宿の朝食を食べた後、ギルドに行った。

「おめでとうございます! 先日の成功報酬ですよ」

 フリーダさんはそう言って貨幣の詰まった袋をでん! と木製の机上に置いた。

「10万ニ―ロです」

「10万ニ―ロ……」

 金額だけ見れば僕にとっては結構な大金だけど、相場なのかそうでないのかわからない。

 昨日のおじさんとのやりとりがあったので結構お金のやり取りに対しては勘繰ってしまう。

「実害はそれほどでもなかったのですが、長年あの周辺の森を狩り場とするきこりや狩人からは苦情が出ていまして。少しずつ溜まっていった依頼報酬をまとめるとこの金額になりました」

「嘘は言ってないみたいだねー」

 目を金色に輝かせたゴモリが言った。

「はは……」

 フリーダさんは怯えているような苦笑いを浮かべた。

 精霊の魔力の違いがわかると言っていたから、今自分がゴモリに能力を使われたことも薄々わかるのだろう。

 フリーダさん以外に僕たちが精霊使いだと気付いた人がいないか聞いてみた。

「私の知る限りではいませんね。精霊使いの魔力の違いを判別できる人も私以外には知りませんし。それに、」

 僕たちが話している後ろに座っている冒険者たちの声が聞こえてきた。

「おいあのガキたち、また精霊使いだなんだって言ってるぜ」

「こんな田舎町に精霊使いが来るなんてありえねえのによ」

「ほっとけ、ガキ二人だ。まだ夢を見たいお年頃なんだよ」

「精霊使いが来ていると聞いても、ほとんどはあんな反応ですから……」

 フリーダさんは苦笑いを浮かべながら言った。

 それはそうか。リンツの村の話でも、ゲーリングをはじめみんな大都市に行くことを希望するしそっちの大貴族に招かれることが多い。

「でもここだけの話ですが」

 フリーダさんは体をカウンターから乗り出して小声でつぶやいた。

「近日中に、精霊使いが一人この町に立ち寄るそうですよ」


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