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邂逅するGoddess & Goddess

 そんな取り込み中の格納庫に、冴月は足を踏み入れた。


「これは?」


「ん? 君、民間人だろ! こんなところで何をしている! 危ないぞ!」

 冴月の存在に気付いた整備士が注意するが、冴月は無視する。


「これ、ノーマルスじゃないですよね? 見たところ新型のようですが、何故出さないんですか?」


「出したくても出せないんだ。最初の攻撃でテストパイロットが生死不明になってしまったから」


「そうですか……でしたら、私が動かしてもいいですか?」


「は!? 君、何を言って――」

 そうした問答をしていると、冴月の様子を怪しんだ友子が追いかけてきた。


「冴月、何してんの! ここ、格納庫だよ!」


「わかってる。言ったでしょ? 『知り合いを助けに行く』って」


「え? あれってそういう意味だったの?」


「どうなんですか?」

 冴月が改めて尋ねると、却下しようとする整備士に待ったをかけたシルヴィオが、代わりに対応する。


「開発責任者の貝原だ。君は?」


「天神冴月です」


「アマガミサツキ……ラルコが言っていた子か」


「リーダーを知っているんですか?」

 シルヴィオの口から出た名前に、冴月は過敏に反応する。


「あぁ、祖国の軍にいた頃からの友人だ。君のことは、彼からよく聞かされていたよ」


「そうですか」

 まさか、かつて所属していた組織のリーダーの友人と会うとは。思いもよらない出会いと、久々に聞いた名に、冴月は少し嬉しく思う。


「だからといって、贔屓はできないけどね。ちなみに、機体を動かした経験は?」


「戦闘機や戦車、ヘリは何度か。あとは、作業用の簡素な作りのヒューマノイドなら、1度ほど」


「じゃあダメじゃん! やめときなって!」


「ですが、人を殺した経験なら、数えきれないほどあります」

 唐突なカミングアウトに、反対していた友子は言葉を失う。


「……その分、躊躇いや気後れはしない、か。わかった。君に賭けるとしよう。こちらとしても、動かせる人間は全員出払ってるしね」


「ありがとうございます。彼女のこと、お願いします」


「任せてくれ」

 シルヴィオに友子のことを託した冴月は、整備士の誘導で、コックピットに搭乗した。


(操作方法は、一般的なヒューマノイドと同じか。よかった。エンジェルファイターと同じだったら、自分の体の動きと連動してるから、距離感が掴みづらくて苦手だけど、これなら私でも動かせそう)

 各部チェックをしながら、操縦方法を知った冴月はひとまず安心していたが、


(武器は頭部機関銃、ホーミングミサイル、対空連装ミサイルランチャー。それと携行武器が、ダガー、手榴弾、ガトリングライフル2丁、バズーカ、対艦刀、拡散溶解グレネードランチャー……って、こんなにあるの?)

 1人乗りとは思えないほど満載された過剰な武装に、悪い意味で驚きを隠せなかった。

 これだけの数の武器を扱うとなると、火器管制も大変だろうし、武器の重さで機動力も落ちてしまう。

 こんなのが、最新鋭機で本当に大丈夫なのだろうか? 冴月は一抹の不安を覚えたが、ここまできたら、四の五の言ってられない。グズグズしていたら、友子や優花達が死ぬことになる。


「発進します。周囲の人は離れてください」


「わかった。総員、退避だ!」


「はっ!」


(頼んだよ、冴月さん。ラルコが期待した同志にして、『墜翼(ついよく)の堕天使』と称された君の力、見せてもらうよ)

 シルヴィオからの指示を受け、格納庫にいた者達は出撃の衝撃に巻き込まれないよう、その場から離れる。

 それをモニターで確認した冴月は一旦深呼吸してから、操縦桿をグッと握り締め、


「ガデセリナ、天神冴月。出ます」

 と、だけ言って、機体を前進させた。

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