空を制するShoot down
そこから導き出される答えは1つしかない。
「まさか、冴月さんって――」
「うん。天使と関わりのある人間ってことだね。十中八九」
だから、ムーンパラディンの槍を止められた。
ガデセリナがあれだけの武器を持って、機動性を保っていられたのも、天使由来の光の力によって、性能を引き出したからである。
危うく機体が大破するところだった冴月はもちろん、共に戦う優花達や、開発者のシルヴィオからしても、これは僥倖だったと言えるだろう。
「何にしても、今がチャンス! お母さん、恋さん!」
「わかってる!」
「おっし!」
「くらえ! 蓮華円舞!」
動揺によって生まれた隙を、優花は見逃さなかった。ムーンパラディンの周囲を回りながら、エネルギーを纏った連続掌打を叩き込む。
その間に、恋は2本の剣を構え、瞳は助走で勢いをつける。
「ぶっ飛べ! 烈風飛龍脚!」
「幻・魔・双・龍ーっ!」
2発の幻魔龍と強烈な飛び蹴りでムーンパラディンを吹っ飛ばす。冴月が撃ちやすくするためだ。
「冴月、お返しだよ!」
「はい。ターゲットロック。発射!」
冴月はムーンパラディンと周囲の敵に照準を合わせると、ガトリングとホーミングミサイルと対空連装ミサイルランチャーを斉射した。
ここまでの猛攻を受けたルーナの軍勢では防ぎきれない。ムーンパラディンは中破。他の機体は大破、あるいは撃墜される。
「くっ、おのれ! かくなる上は予備戦力を――」
ディックは上空で待機している戦艦に増援要請しようとしたが、それより先に、冴月が放っていた対空連装ミサイルランチャーが戦艦に命中。撃沈する。
「なん……だと?」
「戦闘が始まった時から見てましたが、どんなに優れた大気圏突入手段があったとしても、わざわざ月から下りてくるのは現実的ではありません。上空にいる戦艦から降下していると考えるのが自然です」
「それに気付いて、手を打ったというのか? 地上にいる我々を相手にしながら、レーダー圏外の戦艦を?」
「はい。私、飛んでるものを落とすのは得意なんで」
『墜翼の堕天使』の異名は伊達ではない。味方である恋達は称賛し、ディックは歯噛みする。




