第二章1『証明してください』
いよいよ第二章の開幕です! ワイド砂漠で待ち受ける新たな冒険をどうぞ!
「チーフ指揮官! こっちの魔獣も全部片付けたぜ!」
「よくやった。この調子でワイド砂漠に通ずる道に生息する魔獣を全部蹴散らすぞ!」
「「「おォォーーーッッ!!」」」
「レックスとロンの新たな門出だ。魔獣なんかに邪魔なんかさせてたまるか」
後に、この行動がレックスとロンの門出を美しく飾ることとなった。
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「よし、森を抜けたぞ!」
シェイク村を出て半日、あたりはすでに暗くなっておりレックスたちは月明かりを頼りに森を進んでいた。
そしてようやく、レックスとロンはシェイク大森林を抜けた。
ここからワイド砂漠までしばらく平原が続いている。まだ少し距離はあるし、今日はここで野宿するのがいいだろう。
「ロン。今日はここで野宿しよう」
「そうだな。それにしても、ここが平原っていう場所なのか。本でしか見たことなかったぜ」
新しい景色を見て感動しているロンを見ていると、自然とレックスも嬉しい気持ちになる。もっといろんな景色を見せてやりたいと心から思った。
「俺は薪を集めてくる。ロンは飯の準備をしといてくれ」
「分かった」
夜ご飯にしてはあまりにも遅すぎる時刻だが、だからといって何も食べないわけにはいかない。健康的な面においても、そして単純に精神面においても。
それからレックスは森の木を少し切り倒して薪を集め、ロンの元へと戻った。対してロンは森で採った木の実を鞄から取り出していた。
「ここに火をつけてくれ」
「任せろ。炎」
今まで攻撃的な炎しか見てこなかったせいで、こうして日常生活に便利な規模の小さい炎はどこか新鮮だった。
木を燃やし灯りを灯した炎は、暗がりの中レックスたちのことを照らす。そしてなにより、とても温かい。この平原が寒いというわけではないが、全体的に夜は冷えるのだ。これはありがたい。
それからレックスとロンは炎に照らされながら木の実を食べ、空いていた腹を満たした。
「「ごちそうさまでした」」
互いに同時のタイミングで手を合わせて合掌。とても美味しい木の実だった。
「にしても、レックスについてきてよかった」
「なんだ急に?」
「いや、もしオレがあのまま村に残ってたら、こんなに楽しい旅はできなかったと思ってな」
「楽しい旅って、まだ一日しか経ってないぞ?」
「まあな。けど、本当にそう思うんだ」
村の外の記憶がないロンにとって、この旅はきっと夢のようなものなのだろう。それがまだ何事もない半日の旅だとしても、きっと楽しいのだ。
そう思うと、レックスは少し笑みが溢れた。
「明日も早いし、今日はもう寝ようぜ」
「そうだな。おやすみ」
レックスとロンは、焚き火の炎を消して深い眠りについた。
次の日、二人は目を覚まして少し食事をとり、再びワイド砂漠に向けて出発した。
ここからだと、おそらく今日中にはワイド砂漠に辿り着くだろう。無論、距離があるのはワイド砂漠に入ってからなのだが。
「そうだレックス。ワイド砂漠に向かうって言ってたけど何か目的があるのか?」
「ワイド砂漠に目的があるというよりは、その先にある場所に用があるんだ。何もなかったら、ワイド砂漠はこのまま突っ切るつもりだぜ」
無論、もしワイド砂漠で何か事件や問題が発生したら、それを無視して先に進むことはしないが。
「そういうことか。ちなみに、その向かってる場所ってどこなんだ?」
「俺のじいちゃんの家だ」
「レックスのじいちゃん? 何でそこに向かってるんだ?」
「俺のじいちゃんめっちゃくちゃ強ぇんだよ。それで、じいちゃんのところで魔王を倒すために修行したいんだ」
「なるほど、そういうことか」
今のレックスには、魔王軍の連中に太刀打ちできるような力はない。ロンという仲間がいても、この先の戦いを乗り切るのは困難だろう。
この先またゴストンのような強敵が現れたら、今度こそレックスとロンだけでは敵わない。だからこそ、力が必要なのだ。
それから半日が経ち、思っていたよりも早くワイド砂漠に辿り着いた。
「ついた! 見ろ、ここがワイド砂漠だ」
「ーー。本で砂漠は砂の大地だって聞いていたが、本当だったんだな」
ロンがこれほど感銘を受けるのも当然だろう。ずっと森の中にいた少年に、砂の大地などどうやって想像できるだろう。
どこを見ても砂でできた地面が広がる場所。それこそがワイド砂漠なのだ。
「夜の砂漠は冷えるからな。今日は早めに寝よう」
「分かった」
それから急ピッチで焚き火を作り飯を食い、そして砂漠は寒いので焚き火を消さずに寝た。
次の日。微睡の中で頭がクラクラするのを感じ、レックスは目を覚ました。
「おはよう……って暑!」
「レックス、起きたのか」
何だこの暑さ。まだ太陽が南中していないのにもう全身をどうしようもない暑さが取り巻いている。暑さに慣れていないであろうロンは、レックスよりも一足先に目覚めていた。
ロンは何とか暑さを凌ごうと、森で採ったズミの実を食べていた。ちなみにズミの実とは、青くて丸い果実であり、どのような環境でも冷たいという不思議な特性を持ってる。そんなこともあり、暑さ対策に最適と言われている果実の一つだ。
「ほらよ」
「お、さんきゅ」
ロンはレックスが起きるなり、手に持っているズミの実を投げ渡してきた。
「にしても、ここが砂漠ってところか。暑いとは聞いていたが、これほどとは」
「俺も一回だけここを通ったことがあるけど、やっぱりこの暑さには慣れねぇな」
「しかもこれが昼になればもっと暑くなるんだろ。耐えられるかどうか分からなくなってきたな」
それから身支度を済ませ、二人はまた歩き始めた。
砂漠の移動にはラクダという砂漠の馬と呼ばれている生き物に乗ることが最適なのだが、悲しくも見つけられないのだ。
というのも当然で、ラクダはなかなかそこら辺で見つかることはなく、大体はラクダ商人に捕まっている。
だからレックスたちはラクダではなくラクダ商人を探さなければいけないのだが、生憎その商人すらも見当たらない。つくづく運の悪い話だ。
「まぁ、気長に行くか……」
「だな」
ここから目的地の都市まで、だいたい徒歩三日ほどで着くはずだ。長い道のりだが、頑張って突き進もう。
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あれからレックスの計算した三日が経ったが、いまだに都市らしい場所は見当たらない。方角はこっちで合っているはずなのだが、どうしたものだろうか。まさか想定よりも遅い速度で歩いていたというのか?
「レックス、まだか?」
「もうちょっとで着くはずだ……」
そろそろ体力も限界に近い。この過酷な環境だ。いつ倒れたっておかしくない。
そんなことを考えていた瞬間、目の前の砂が咆哮とともに爆散した。
「な、なんだ!?」
「本で読んだことあるぞ。こいつ、オオサソリだ」
「お、オオサソリ?」
「早い話、魔獣だ」
砂を蹴散らして砂の下から現れたその生物は、ロン曰くオオサソリという魔獣らしい。
全身を黒い鱗に覆われ、一般的なサソリの五倍はある巨体を持つそれは、二本のハサミと尻尾のトゲでレックスたちのことを威嚇してきた。砂漠は魔獣も多いと聞いていたが、ようやく出てきたのか。
レックスは腰の剣を抜き、ロンは拳を構えて瞬時に戦闘体勢に入る。
「ロン、こいつ美味いのか?」
「好き嫌い別れるらしいが、美味いらしいぜ」
「ならいい。ぶっ倒すぞ!」
レックスは雷を纏った剣を握り、砂を蹴散らしながらオオサソリとの距離を詰める。
「はぁぁっ!」
オオサソリが攻撃するよりも先にその大きなハサミに剣を振り下ろし、斬り落とした。
オオサソリは悲鳴をあげ、残った左のハサミでレックスを襲う。レックスは暴れるオオサソリが危険だと思い、一旦その場を離れた。
「炎!!」
オオサソリを攻撃しながらもレックスは見ていた。ロンが多くで魔法の準備をしていたのを。
瞬間、ロンの手から放たれた炎が、オオサソリの硬い鱗を焼き尽くさんと覆う。どうやらこれで、オオサソリが抵抗する余力は無くなったようだ。好機だ。
「行け、レックス!」
「雷閃!」
雷のような速さで振るわれたレックスの剣は、その勢いのまま、目にも留まらぬ速さでオオサソリの巨体を両断した。
オオサソリが死にゆく前で、レックスは剣を鞘に収めてロンに親指を立てた。
「やったな、ロン!」
「ああ。それに、これでようやく果実以外の食べ物が食べられるのか」
シェイク村を出て数日間、二人は森で拾った果実しか口にしていなかった。だからこそ、久しぶりに元気の出そうな食事になるのだ。
「それじゃあロン。調理頼むぜ」
「任せろ。の前に、焚き火を焚いてくれ」
「分かった」
レックスはシェイク大森林で拾ってきた薪を重ね、ロンがそこに火をつける。これで火の準備は整った。
「レックス、オオサソリを食べられる切ってくれ」
「おう!」
レックスは真っ二つに切り裂かれたオオサソリの死体の前に立つ。何度見ても大きな魔獣だ。ケルベロスにも引けを取らないだろう。
まずは手始めに右のハサミから切ろうーー、
「ーーっ! レックス、伏せろ!!」
「ぁ」
きちんとした声を出すよりも先に、レックスはロンに言われた通り体を下に伏せる。理由は分からない。また魔獣が現れたのか? それともまだオオサソリを殺せていなかったのか? 様々な疑問が脳内を行き交うも、どれが正解なのか全く見当がつかない。
少し時間が経った。もう周りを見渡してもいいだろう。
「魔獣か?」
「分からない。けど、これを見ろ」
そう言ってロンが指差した先を見ると、そこには土でできた円錐状の何かが砂の地面に突き刺さっていた。この土塊が飛んできたというのか?
「なんだこれ、魔法か?」
「見たところ土魔法だな。けど一体誰が……」
それが何なのかはあまり分からない。分からないが、それでも一つ決定的なことがある。
これは、明らかにレックスの命を狙った攻撃である。飛んでいた土塊の先端が精密に尖っていたことが、その殺意の高さを物語っていた。
「っ、また来るぞ!」
ロンに言われすぐさま振り返り、今度こそその姿を捉えた。
見たところ、土塊が迫る速さはレックスの雷足よりも少し下ぐらいだ。だがそれにしても、あの土塊がその速さを維持し続けながら飛んでくるのは恐ろしい。
貫かれれば決して軽症では済まない攻撃であることは間違いないだろう。
「あの方向……まさか」
だがそれよりも驚いたのは、土塊が飛んできた方向が西ーーすなわち、レックスたちの目的地である砂漠の城塞都市、コルトの方向だったということだ。まさか、コルトから攻撃されているのか?
レックスは迫り来るそれを避けながらも、必死に頭を回し続けた。
「レックス、コルトまであとどのくらい距離があるんだ?」
「だいたい歩いて三時間ぐらいだ」
「じゃあ仮にこの攻撃がコルトからのものだとしたら、そいつはその距離から狙ってきてるってのか」
まだコルトを囲む城塞すら見えないというのに。いや、まだこの攻撃がコルトから来てるとは断定できない。
「これがコルトからの攻撃からは分からねぇ。けど、とりあえず今はコルトに向かって走るぞ!」
「分かった」
この砂漠に身を潜められそうな地形はない。となれば、迫り来る土塊を避けながらコルトに向かう他ないだろう。それに、下手に背中を見せて逃げて撃ち抜かれれば、それこそ相手の思う壺だ。
レックスとロンは、コルトの方角に向かって走り始める。だが時々足が砂に沈むことがあり、思うように上手く走ることができない。
それでも走り続ける。この砂の大地を。
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「来るぞ!」
「おう!」
あれからずっと走り続けているが、いまだにその攻撃は止まない。それどころか、コルトに近づくにつれて攻撃ごとの時間が短くなっている。
つまり、コルトに向かうにつれて敵との距離が近くなっているという認識で問題ないだろう。
「って、見えたぞ!」
「見ろ! あそこに誰かいるぞ」
何もなかった地平線に、ようやく砂岩でできた城塞が見えてきた。高さはおよそ十メートルぐらいだろうか。ーーそしてその上に、何やら長い棒を持った人影が見える。
その人影が長い棒をこちらに向けた瞬間、あの土塊が二人に向かって放たれた。
レックスとロンは避け、コルトへ向かってさらに走る。
その瞬間だった。城塞の上からその人影が落ちてこちらに接近してきたのは。
「君たちは何者ですか?」
近づいて分かったのは、それが茶色いフードを被った男、それも黒髪でレックスたちと同じ少年であったということだ。
左目には黒い眼帯をつけ、両手には先端に青い球体がついた長い杖を握っている。
彼がレックスたちのことを襲ったと見て間違いないが、一つ違和感があった。彼からは全く瘴気を感じないのだ。ということは、彼は魔王軍の敵ではないということになる。
そしてコルトの城塞から攻撃をしていたと考えると、おそらく彼はこの都市の住人なのだろう。でもなんでレックスたちのことを襲ってきた?
「見ての通り、俺たちはただの冒険者だ」
「それを、僕に信じろというんですか?」
「あぁ。信じるも何も、それが真実だ」
「そうですか。しかし残念ですが、この砂漠で君たちのような怪しいやつらを、この砂漠で野放しにしておくことはできません」
「な、怪しいやつら? なんでだよ!」
レックスとロンはつい最近このワイド砂漠に入ったばかりだ。怪しまれるような行動をしたわけでもないし、疑われる理由もない。
「ここで君たちを殺します。楽に死にたかったらそのまま立っていてください」
「よく分からねぇけど勘違いだ! 俺たちは何もやってねぇ!」
「勘違い、ですか。ならば、僕が君たちを殺す前にそれを証明してください。すみませんが、今僕には君たちのような怪しい奴らを生かしておく余裕がないんです」
冷酷な一言と共に少年は土塊をレックスに向かって放った。距離が近いこともあり、その姿を捉えてから避ける時間がない。集中力を最大限に高めた上で、あとは感覚に身を任せるしかないだろう。
レックスは放たれた土塊をなんとか避け、鞘から抜いた剣の鋼に触れて雷を纏った。
あの土塊がどれほどの威力を誇っているのか分からないが、上手くいけば剣で捌くこともできるだろう。
「対象登録完了。反撃開始!」
念のため反撃保存の準備もしておく。
「土弾」
少年の杖先に小さな魔法陣が形成され、その先で徐々に形作られていた土塊が風と共にロンへ放たれる。これでは考える時間も到底ない。
杖先で土魔法を用いて弾丸を作り、風魔法で飛ばす。それが、レックスたちのことを襲い続けていた魔法だったようだ。
「火拳!」
ロンの赤い炎が、迫り来る土塊を破壊する。どうやら耐久性はあまりないようだ。
「レックス、悪いが時間を稼いで欲しい。その間に、オレが証明する方法を考える」
「おう、任せろ!」
頭が良くレックスよりも知識があるロンならば、もしかすると証明できるかもしれない、だったら、その時間をレックスが用意するのだ。
レックスは雷足で砂を蹴り、少年との距離をぐっと縮める。
「大人しくしろ、雷剣!」
おそらくこの都市の住民であるこの少年を、レックスたちは殺してはいけない。きっと何か事情がある。それがたとえ向こうが本気で殺しにきていたのだとしても、それがレックスたちの殺す理由にはならない。生かしたまま制圧するか、誤解を解くかのどちらかだ。
一旦感電させて動きを封じてやろうと、レックスは青光を纏った剣を少年に振るう。しかし、
「と、飛んだ!」
対する少年は足元に突風を生み出し、軽く空を飛んだ。そして空中からまたもや土塊が放たれる。狙いは隙を見せたレックスだ。
「雷足!」
雷足を使って後ろに下がり、間一髪その攻撃を避けることができた。
「その足の速さ、厄介ですね」
「どうだ、少しは話を聞いてくれる気になったか?」
「いえ、全く」
そう言いながら少年はまた土塊を放つ。だが狙いはレックスではなかった。
「ロン!」
「げっ、火拳!」
危なかった。あと少しのところでロンが狙われていたのに気づき、土塊を粉砕した。
「悪りぃ、守れなくて」
「いや、もう十分だ。ーーそれで、お前はオレたちのことをなんだと思って攻撃してきたんだ? 流石に理由もなく襲ってきたわけじゃないだろ」
「僕は、君たちが魔王軍の手先なのではないかと疑っています」
「やっぱりか。けどな、魔王軍の連中ってのはその体に瘴気を帯びてる。見ろ、オレたちのどこに瘴気があるんだ?」
なるほど。この少年は、レックスたちのことを魔王軍だと思って襲ってきていたのか。そして、何よりロンの主張は正しい。これならば、疑念を晴らせたのではないか?
「確かに、君たちから瘴気の気配は感じません」
「じゃあーー」
「では、君の仲間が持っている剣はどう説明するんですか?」
「ーーっ」
「その剣からは凄まじい量の瘴気を感じます」
「それは、森で拾ってーー」
「それに第一、魔王軍であっても瘴気を取り込まないやつも一定数います。だから、それが君たちへの疑惑を晴らす根拠にはなりません」
失敗だ。ロンは証明できなかった。
いや、まだだ。まだ希望はある。このまま戦い続ければ、もしかしたら何か糸口が……。
「土弾」
「って、今は戦いに集中したほうがよさそうだな」
無慈悲に放たれた土塊を避け、レックスとロンは少年の元へと走る。
「はっ! とりゃ! せい!」
「火拳!」
レックスやロンが何度も攻撃を試みるが、その度少年は風魔法を駆使して体を移動させて躱す。敵ながら見事な技量だ。あれほど精密な位置に風を発生させて攻撃を躱すなど、並大抵のものにはできない。
非常に洗練された魔法だ。
そこからさらに少年は空高く飛び、杖先に魔法陣を展開する。狙いはレックスだ。
「来る。俺の方向だ」
レックスはいつ攻撃がきてもいいように構えた。さあ、いつでも来いと心の中で言う。
しかし妙だな。既に魔法陣はできているのに、それを放つのが少し遅い気がーー、
「ーー土弾•二撃」
少年の杖先にあった魔法陣は一つだけだった。先まで二つもなかった。
なのに少年の詠唱と共にもう一つの新たな魔法陣が生み出され、それはロンの方向を向いている。
「っ! ロン!!」
「ーーぁ」
レックスは理解した。これはレックスを狙っていると見せかけて、油断したロンを狙う作戦だったということを。
ロンは自分に狙いが定まっていないことをきちんと見ていた。だから、ロンは警戒を少し緩めている。
それが仇となり、もう一つの土塊がロンの体を無慈悲に貫いた。




