表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/26

電子の蝶過去編~恋色万華鏡そのよんっ

「静江さんは・・・魔法を信じますか・・・?」白野さんは私の方を見つめるとただ一言そういった。

「魔法・・ですか?」

「どんな願いも叶える奇跡。人々を幸せにする力それが魔法だと僕は思うのです。」


「僕の一族は自らが生み出した魔法を一冊の本に閉じ込めました。でも・・・ある時その本はすべてのページが散らばってしまいました。」そういって白野さんは私の手を取る。


「飛び散ったページは土地に宿ったり、人に宿ったり、妖に・・静江さんにもそのページがあります。」


そういうと私の掌から淡い白い光が漏れだす。


「優しい光です。人に優しく、決して悪には染まらない綺麗な光です。」

白野さんは私の手を離すと自分の掌を見せる。白野さんの掌は暗い・・真っ暗な闇が広がっている。でも・・・中心には夜空に輝く星の様に小さな強い光があった。


白野さんの顔を見ると目に涙が滲んで声が震えている。

「僕の光は・・・ほとんど消えかけてしまってるんです。魔法は素晴らしいものです。人に笑顔を人に幸せを与えれば光は強くなります。でも・・・自分の私利私欲に使えば魔法は黒く染まります・・・僕は・・・ページを元に戻すのに人の悪意を吸い過ぎてしまいました。」


「でも、悪意を持った魔法は元に戻さないといけません。たとえ悪魔と契約しても、心が黒くしまっても・・・そうしないと、世界は終わります。世界は悪意で満ちてしまいます・・・だから・・・だから・・・」白野さんは今にも壊れそうなガラスのようだった。


嗚呼。そうか・・・だからこの人は・・・誰よりも世界が好きで人が好きで・・・

私は彼をそっと抱きしめた。今にも壊れそうな心を包むように。

「し、静江さん・・・あのっ・・・」白野さんの体温を感じる。心音も、吐息も、白野さんの全部を

だから・・・私は・・・・

・・・彼に恋をしたのだろう。

窓が突風で開く、風に誘われた無数の桜の花びらが私たちを包み込む。


「私が守ります。貴方の心を、貴方の夢を、貴方の希望を・・何があろうとも必ず。」

「はいっ・・・はいですっ・・・うぅ・・」

彼から助けてもらった命だ。最後まで彼のために使いたい。


私にすべて話して楽になったのか、白野さんはいつもの笑顔に戻った。そして、私に今日は1日ゆっくりしておくようにというと、部屋を出ていった。


「戦音ちゃん?」私は扉の外にいるメイド長に話しかける。

「なんだい?まぁ、言いたいことはわかるけどねぇ・・・」戦音ちゃんは部屋に入ると私の瞳をじっと見つめる。

「本当にいいのかい?ただ、あんたは巻き込まれただけだ、何もあの坊ちゃんに付き合うことはないんだよ?」戦音ちゃんは心配そうな顔で私を見ている。

「でも・・・私は彼のために、ううん、彼と一緒にいたいんです。」


「そうかい、恋する乙女は無敵っていうのかねぇ・・・しかし、あの坊ちゃんのどこがいいのか」

「まぁいい。じゃあ明日からメイド業務に加えて、私が色々伝授してやるから覚悟するんだね!」

戦音ちゃんはそういうと、私の方に手をかけた。

「ただ、無茶だけはしないようにしとくれ。もう、若い子に置いてかれるのもきついからねぇ・・」

戦音ちゃんは明日の七時に中庭に集合というと部屋を出ていった。


私は窓の外から空を見上げる・・・・

「力になれるかわからない・・・でも・・・それでも・・・」

今日の・・・・この気持ちだけは絶対変わらないから!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ