電子の蝶過去編~恋色万華鏡そのさんっ
ドーーーーーン!!豪快な音とともに古びた扉は吹き飛んだ!鈍い音を立て扉が崩れ落ちる。
「いやがったなです!このばばあ!!よくも主人の頭にクリティカルを食らわせたな!」白野さんはカンカンに怒って戦音ちゃんにとびかかる。
しかし、白野さんが戦音ちゃんに掴みかかる前に戦音ちゃんは年齢にそぐわない跳躍で避けた・・・・ん?避けた先は私って・・・・
「きゃっ!!」私は白野さんに押し倒され床に倒される・・・というかなんか胸に感触が・・・ま、まさか・・・
「いてて・・・です。あれ、こんな所に壁g・・・・」白野さんが言い終わる前に私は白野さんの顔面に平手打ちというクリティカルヒットを食らわせた。
私は戦音ちゃんに連れられ応接間に招かれた。
「いやー・・・申し訳ないです」白野さんは平手うちを食らったところを撫でながら私に謝る。
「こ、こちらこそすいません・・・びっくりしたもので・・・」びっくりしたってよりは壁って言われた方が強いんですけど・・・・
「ははは・・・」そういって白野さんはお茶を飲みながら仕事内容を私に言う。
「基本的には掃除洗濯・・・まぁ、あのばばあに聞いてもらえばいいです・・・あ、あと地下室だけは入らないでください。危険なので・・・」
「わかりました。地下室ですか?」
「はい、そうなのです 昔のものなのでいつ地崩れが起こるかわからないのです。」
「なるほど、わかりました。それでは頑張らせてもらいます!」私は戦音ちゃんに連れられ仕事を覚えることになった。
・・・数か月がたった。
私はなんだかんだと戦音ちゃんに鍛えられほぼミスをしなくなった。ま、まぁ週に1回くらいはお皿割るけど・・・・仕方がないよねっ!
―---パリーン
「こらっ!あんたはまた皿を割ったのかい!これで126枚目だよっ!」
「ご、ごめんなさいっ!!手が滑っちゃって!」
「まぁ、いいさね ケガはしてないかい?してないならお皿を捨てておいで」
戦音ちゃんはもうこりごりという感じで手際よくお皿を片づけて私に手渡す。
「す、すみません すぐ捨ててきます!!」私は戦音ちゃんの機嫌を損ねる前にさっと部屋を飛び出す。
皿を捨てに行こうとするとふと、白野さんの姿が見える。何をしてるんだろう?と思ううちに白野さんは立ち入り禁止の地下室に入っていった。
あれ?白野さん危ないって言ってたのに大丈夫かな?私は好奇心に負け地下室の扉に手をかけた・・・
ギィィと鈍く重い音が響く・・・先は階段になっているようで長く続いてるようだった。
部屋に入ると・・・ある臭いに気が付く・・・鼻を突きさすような・・・これは・・・血の臭い・・?
私は奥に突き進む・・・・コツ、コツと暗い地下室に続く道に足音が響き渡る・・・
奥の方に明かりが見える。私は扉の隙間からそっと覗いた。白野さんの前に何かいる・・・・・何か動物かな? まさか・・・肉を作ってるとか・・・うぅ・・・
「早く・・・早く・・・あれを潰さないと・・・早く・・・」白野さんがぶつぶつ何かをつぶやいている。檻には何が入ってるんだろう・・・私は身を乗り出そうとしてそのまま扉に全体重をかけ転んでしまう。
「え・・・?誰ですか・・・戦音ですか・・・?」白野さんは驚いてこちらを見る。
「いたた・・・」ピチャ・・・何か手に付いた・・・手のひらをみると・・・それは赤い・・赤い・・
私は声にならない叫び声をあげた。
「静江さん!?ダメです!見ちゃだめです!」白野さんは私を抱きしめ視界を隠す。
「大丈夫です。大丈夫ですから・・・」
白野さんは私を安心させようと言葉をかける。しかし白野さんの・・・そう、白野さんの後ろから鈍い声が聞こえる。
「なんだ・・・白野・・・それは・・・それも壊すものか・・・?」壊す・・?私を・・・壊す?
「黙れですっ!お前は僕に従ってればいいのです! 下がれっ!」
「ふんっ!貴様が魔術を使えるのは・・・まぁ、いい・・・また、用があるなら呼べ、それが契約だからな・・・」声が聞こえ終ると嫌な気配も消えた。
「静江さん!静江さん!」白野さんが私を呼びかけるが、私の意識は深い・・・深い闇に落ちていった・・・
夢を見た。白野さんが遠くの方で呼んでいる・・・・私は・・・誰かに手を引かれている・・・・顔は・・・フードをかぶって見えない・・・・行きたくない・・・でも、体は自然に手を引かれる・・・ふいに、フードをかぶったナニカがフードを脱いだ・・・・それは・・・その顔は・・・
私は悲鳴をあげベットから飛び起きた。体中にびっしょり冷や汗をかいている。外はもう夕方なのか夕日が私の顔に差し込んだ。私の心をなだめるかのように優しい風が窓から吹いている。
ふと、私の手を誰かが握っているのを感じた。白野さんだったベットの縁でうつぶせになったまま寝ている。
「おや、気づいたのかい?」ドアが開くと同時に声が聞こえる。戦音ちゃんが心配そうに私に声をかける。夕食を持ってきてくれたようでおぼんには美味しそうなお粥が乗っていた。
「まったく、あれほど覗くなといったのに・・・・体に何か変化はないかい?ほら、食べな」
戦音ちゃんは私にお粥を渡すと白野さんを起こす。
「ほら、坊ちゃんとっとと起きな 目を覚ましたよ。言うことはないのかい?」
白野さんは、うーんと・・・目を擦ると私の顔を見た。
「しっかりやりなよ。」そういって戦音ちゃんは部屋を出ていく。
「あっ、静江さん大丈夫ですか?僕の不注意で体は大丈夫ですか?自分の事はわかりますか!?」
私は、大丈夫ですよと一言いうと白野さんにあれはなんだったのか聞いてみた。
白野さんは一瞬悲しそうな顔をするとゆっくりと話し始めた・・・・




