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電子の蝶過去編~恋色万華鏡そのいちっ

あれです。急に恋愛もの書きたくなったんです。はい、ええ悪びれませんともヒロインはBBAであれロリであれヒロインであるべきなのです。

大正の時代の変わる中で始まった小さな恋物語のはじまりはじまり。

夢を見た・・・・それは遠い遠い昔の想い出・・・夢というにはあまりにも遠くて、夢というにはあまりにも切ない・・・私の大切な記憶・・・・


夏・・・暑い・・・・私は奉公先を追い出され次の仕事を探していた。正直死んでやろうかとふと頭をよぎったが、この前の白野という青年に出会ってその考えも大分薄れてはきた・・・薄れてはきたが仕事がない・・・

あったとしても、女だから。女には無理だ。女にできることは知れているなど、散々な罵倒を受けてきた。

お金がない・・・食事が・・・私の気持ちに連動してぐーっとおなかがなる。



「はぁ・・・・どうしていつもいつも失敗してしまうんだろう・・・」自分の情けなさに涙を流しそうになりながら、ふと目の前の甘味処を見つける。またも私のおなかがぐーとなる・・・


ん?どこかで見た顔・・・・甘味処で大量のお団子を食べてる人がいる・・・ってあれ白野さんだ!私は白野さんがいる机につかつかと近づき、バンっと机をたたいた。何をやってるんだろう・・・でも、言葉がでない。


ビクッとなって白野さんは私をみたが、私と気づくとすぐに笑顔になった。

「貴女は蝶野さんじゃないですか、ご機嫌はいかかですか?」にこっと私に白野さんは笑いかけてくる。

その笑顔を見ると・・・・私は涙が・・・零れた。おかしい、頑張ろうって決めたのに・・・なんで、この人をみると涙が・・・・


「わ、わっ、大丈夫ですか?どこか具合でも悪いんでしょうか?」白野さんが驚いて私に近づいてくる。私はつい彼の胸に飛び込んだ・・・止めどなく涙が流れる・・・止まらない止まらない・・・

白野さんは何があったかわからないようだったが、ただ一言


「大丈夫ですよ・・・大丈夫・・・」そういってそっと・・・私を抱きしめてくれた。

それから、永久にも感じる時を感じた・・・・でも、それはほんの一瞬だったのかもしれない。私はハッと我に返ると慌てて白野さんから離れようとした。しかし白野さんは離れようとする私の体をぎゅっと抱きしめて、頭を撫でてくれた。


「わ、私・・・あの・・・その・・・ごめんなさいっ!」顔が火照るのを感じる。まだ、1回しかあったことのない人に私は何をしてるんだろう・・・白野さんに迷惑をかけてしまった。


「大丈夫ですよ 蝶野さん」彼はニコっと笑いかけるとハンカチを取り出し私の顔を拭ってくれた。

「女性は笑顔が一番なのです。泣いていては折角のお顔が台無しです。何があったんですか?」


私は少し落ち着いて、ゆっくりと彼に今までのいきさつを話した。

あの後、頑張って生きようとしたこと。それでも、この世界は生きにくいこと。それでも、貴方の言葉を信じて生きようとしたこと。全部全部話した・・・白野さんはすべて私の話をしっかりしっかり聞いてくれた。


私が話し終わったあと白野さんはうーんと少し考え込んでいるようだった。

「蝶野さん、もし貴女さえよければなのですが・・・」白野さんがちょっと困り顔で言う

私は白野さんにもらったお団子を食べながら首を傾げた。


「うちの家に奉公に来たらどうですか?」私は白野さんの言葉を聞いて団子が喉に詰まりかけた。

「あ、あっ、そうですよね。やっぱり素性の知れない自分なんかは心配ですよね・・・この話は聞かなかったこと・・・」白野さんが言葉を言い終わらないうちに


「やります!やらせてください!」私は白野さんの手を掴んでつい大声を出してしまった。

甘味処のお客さんが一斉に私たちの方に向く。私はまた顔が真っ赤になりながら静かに席についた。


「おおっ、それはよかったのです。実は先日引き受けていただいた方がすぐやめてしまって。困っていたとこなのですよ。善は急げです早速行きましょう。」白野さんは周りの目を気にすることなく、私の手を掴むと勘定を支払い店を出た。


その後私は後悔することになる。仕事がほしいというよりは・・・彼の元にいたかった。少し安心できるから・・・・しかし、彼の言葉の真意を確認するべきだった。

「すぐにやめてしまって」という言葉に


これは私の中の物語 蝶野静江という老婆の小さな心の万華鏡の物語・・・・切なく、それでも強く生きようと信じた。失敗ばかりする少女の小さな恋物語。




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